■マリア様がみてる
4th season 第6話「予期せぬ客人」
「むむむ…ぬあ〜!」
(僕を倒したって君は勝てないよ、僕に嫉妬しているようじゃまだまだってこと。
こんな所に留まってないでもっと上のステージを目指せよ)
(あんなことを言われる時点で、追いつけないほど柏木さんに負けてる…もっと祥子さまの力になりたいのに)
ある日の休日、自分の部屋で編み物をしながら過ごしていた祐巳。しかし前回柏木さんに言われたことがいまだに
頭の中をぐるぐる回っているようで、ずっと悶々としたまま編み物にまるで集中できずにいました
だがそんなことがどうでもよくなるほどミニスカ!祐巳のミニスカ!(えー
登場人物みんなお上品な格好してるマリみてで、こんなミニスカが見られるなんて過去に例がありませんよ!これこそまさに奇跡の産物!
どうでもいいけどグロッシェ大好きって祐巳は一体何を縫おうとしてるんだ:;y=_ト ̄|○・∵.
ターン
(…!)
「はっ…?誰?」
とその時、祐巳は不意に誰かに呼ばれたような、不思議な感覚に襲われます
とはいっても実際に呼ばれたと言うより、なんだか心の声が聞こえたって感じですが…
多分どっかの誰かがご近所でトランザムライザーでも使ってるんじゃないのかな(えー
祐巳が聞こえた声っていうのはきっとゴロゴロしたいとかなんとか多分そんな感じの歌が:;y=_ト ̄|○・∵.
ターン
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「ん…んん〜〜」
とりあえず布団の上をゴロゴロしながら外の様子を見てみた祐巳。しかし玄関先には誰かが来たような様子はありません
しかしミニスカで足をバタバタさせてえらい格好ですこと…この瞬間に「おーい祐巳〜」とか祐麒が部屋に入ってきたら
確実にパンツ丸見えだよ:;y=_ト ̄|○・∵.
ターン まあ祐巳は祐麒に平然とおっぱい当てるような性格だし、
パンツくらい見られてもどってことないのかもな…(えー
「お母さーん、私のこと呼んで…」
「…?」
「…ないよね」
家の外が違うなら中はどうかなーと部屋を出てみた祐巳。しかし今家の中にいたのはママ一人だけ…
そのママも祐巳の質問に目をぱちくりさせるだけでした。それにしてもずいぶん可愛らしいママさんだなぁ
いまやどんなアニメでもママは若くて美人なのが常識なのか、これはいい傾向ですね(えー
プルルルルプルルルル
「はい福沢でございます…あっ、先日はどうもお世話になりました。少々お待ちください(祐巳に電話を渡す)」
「?」
「柏木さんからよ」
な、なんと!?いきなりまったく予想もしない人から電話が!まさか柏木さんから祐巳に電話がかかって来ようとは…
祥子という接点がなければ、2人が接触することなんてまずないだけに意外な展開です
ちなみにママが柏木を知ってる風なのは、祐巳と祐麒が前回ラストで柏木カーに家まで送ってもらったからでしょうな
「もしもし?」
《あっ、祐巳ちゃん?急に電話してごめん》
「何かあったんですか?」
《あ…うん、実は瞳子のことなんだけど》
「瞳子ちゃん?瞳子ちゃんがどうかしたんですか」
《その様子じゃ行ってないか…実は昼間、家族の中でケンカって言うか…
軽い意見の衝突があって家を飛び出したようなんだ、それで心当たりをあたっているんだけど…》
「ええ…!?」
そんな柏木さんの用件とは、なんとドリルが家出したということでした。柏木さんはドリルのいとこなので探すのを手伝ってるようですな
いつも落ち着き払っている柏木さんが少し動揺してるところを見ると、ドリルの家出はかなり珍しい事件のようです
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「このこと、祥子さまには…」
《知らせようとは思ったんだが、支倉さんが遊びに来ているようで》
「令さまが…」
《松平の叔父が大ごとにしたくないと言うのでね…とにかく他をあたってみるよ、ありがとう》
「あっ…」
ドリルの家出はできるだけ内密にしておきたいようで、令の耳に入れないようにまだ祥子にも話してないようです
結局何も手がかりを得られずに電話を切ってしまった柏木さん。祐巳もドリルに好意を持ってるだけに心配そうな表情です
「何かあったの?」
「柏木さんもよく知ってる、後輩の帰りが遅いみたいで…」
「そう…それは心配ね」
「うん…」
「柏木さんって感じのいい方よねえ」
「へ?」
「あんな方が祐巳ちゃんのおムコさんになってくれないかしらぁ」
「まあそんなことは置いといて」という感じで、ドリルのことより柏木さんのことをキャーキャー話し始めてしまうママ。
ママさん今はそんな話する空気じゃないでしょ!でも柏木さんと祐巳がラブラブって確かに面白いことになりそうだな:;y=_ト ̄|○・∵.
ターン
「やめてよ〜お…」
しかし祐巳は「あんな奴と結婚なんてヘドが出そうだぜ」とばかりにメチャメチャ嫌な顔です
そんなに柏木さんが嫌いか!柏木さんと結婚すれば、祥子や瞳子とも従姉妹になれて祐巳的に美味しすぎる立場になれるというのに!(えー
柏木さんあんなにいい人なのに、祐巳にも祐麒にも祥子にも蓉子にも聖にもウザがられててマジ可哀想:;y=_ト ̄|○・∵.
ターン
「ちょっとぉ、そのリアクション違うでしょ?そこは
やぁん!もうお母さんったらなんてこと言うの!
やめてちょうだぁい!でしょ!」
「はぁ〜あ…」
何このママさん最高すぎるじゃないですか(えー
面白い人だなぁ祐巳ママは、くねくねする動きとかこの歳でも十分可愛いですよ。もっと出番あればいいのに
「それで、今日は何の用?何か話があるのではなかったの?」
「………由乃に親しい下級生ができてね、中等部の3年生…有馬菜々って言う子なの」
「紹介してもらったの?」
「ううん…」
場面変わって、さっき柏木さんが言っていたように祥子の家に遊びに来ていた令。
しかし「祥子ちゃんあそぼー」とやって来たと言うよりは、最近仲のいい由乃と菜々について相談がしたいようです
結局あの2人って仲良くなれたんですな…しかし令は、自分の知らないところで2人が仲良くしてるのが気になっているようで…
「いつどうやって知り合ったっていいわよ、でも由乃はどうして私に何も言わないわけ?(かちゃかちゃ)」
「令」
「分かってる、私は卒業するんだし、由乃は誰かを妹にするべきなのよ(かちゃかちゃかちゃ)」
「…」
「ただ、私は…(かちゃかちゃかちゃかちゃ)」
「私の由乃が私の由乃が私の由乃が」とテンパりながら、皿の上のケーキをひたすら細かく刻んでいく令
かわいそうに皿の上のケーキは原型を留めないほどぐちゃぐちゃにされてしまいました。食べ物を粗末にするなー!
「もうやめてぇ!とっくにケーキのライフはゼロよ!
もう勝負はついたのよ!」
「HA☆NA☆SE!!」(えー
いつまでもケーキのライフを削り続ける令を見るに見かねて、後ろからがっしと止めに入った祥子。
祥子に止められて、ようやく令はハッとフォークの動きを止めるのでした
「…ごめん」
「何をそんなに焦っているの?」
「私…リリアンの女子大に行くのやめようと思ってる」
「え…!?由乃ちゃんは知っているの?」
「言ってない」
「…その決断は、由乃ちゃんのためでもあるのね?」
「うん…由乃のことばかり見て生きてきたけど…あの子は私が守らなくても大丈夫になった。
一生そばにいようと思っていたのに、私は取り残されたの。
でも由乃が巣立つ前に私が子離れしないと、みじめじゃない」
なんと卒業を期に、今までの由乃べったりな生活から一人立ちしてみようと考えていた令。
由乃と令はいとこ同士で家もお隣、昔からずっと2人一緒に過ごして来ましたが
菜々との出会いから令以外の世界にも目を向け始めた由乃…自分がそれに取り残されて、いつまでも同じ場所にいたんじゃ
由乃のお姉さまとして格好がつかない、と令は考えているようです
「ありがと、聞いてくれて」
「よく決心したわね、私あなたのこと見直したわ」
「私もよ、ふふふ」
悩んでいたことを聞いてもらえてスッキリしたのか、晴れやかな表情で小笠原邸を後にする令。
令の言ってる「私も見直した」っていうのは、祥子のことじゃなくて「我ながら自分のこと見直した」って言ってるんでしょうか
まあ令にとっては人生観そのものを変えるくらいの決心だっただろうしなあ
ところでこのシーン、自宅に向かう令の自転車になんで祥子も乗ってるんだろうと思ったら
祥子は自分ちの門まで令を見送りに行こうとしてるんですね。す、すげえ…何が凄いって
この家の敷地があまりにも広すぎて、屋敷から門まで自転車で突っ走っても全然到着する気配がないってことですよ!
どんだけ広いんだよ小笠原家は!門から見ても屋敷が遠すぎてまったく姿が見えないって恐ろしいな…
改めて祥子さまの大金持ちっぷりが分かるシーンですね
「それじゃ」
「令」
「なに?」
「私は、リリアン女子大に行くわ。祐巳のいるリリアンに残るから」
やっとこ小笠原家の門まで辿り着いた2人。そして祥子に見送られて、改めて自宅へ出発しようとする令でしたが
その時祥子は令と逆の道を選んだことを話します。う、ううむ、その選択自体は別にいいんですが…
何も令が「妹に会うの我慢する」って決めた直後に「私は全然我慢しないよ」なんて言わなくてもいいんじゃ…(えー
例えるなら、「俺タバコ吸いすぎだから禁煙しようと思うんだよね」
「へーがんばれば?俺はそんなのする気ないけど(スパスパ)あータバコ超うめえ」って言ってるようなもんじゃないですか!(えー
「…」
「どうしたの?」
「いや…ちょっと、なんだか…感動した…」
え…か、感動!?(゜д゜;)今の話で感動!?令はなんだかちょっとうるうる来てしまってるようですが…
それ感動じゃなくて悔し涙の間違いじゃないんですか!(えー
祥子にムッとするなら分かりますが、なぜ感動…?実は心の中で「祥子いつか殺す」とか思ってませんか令さん:;y=_ト ̄|○・∵.
ターン
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(瞳子ちゃんの行きそうなところ…)
「祐巳ちゃーん、ちょっと」
「ん…あぁ!?と、瞳子ちゃん!?」
一方祐巳の家では、祐巳もドリル探しを手伝おうとしていた矢先にいきなりドリルが玄関に!
こ、これは一体?どうやら祐麒が連れてきたようですが…
「ごきげんよう、祐巳さま」
「そこの角でばったり会ったんだよ、だからウチに寄ればって連れて来たんだ」
ほほうそこの角でばったりですか…本当のことを言えよ祐麒…(えー
そんな偶然ばったりドリルと道で出くわしたなんて疑わしい…実は2人で今日一日デートしてきた帰りとか
そういうことなんじゃないんですか;y=_ト ̄|○・∵.
ターン
と、思いきや完全にお互いのことしか見えてないドリルと祐巳。
なに2人の世界に陶酔してんですか!祐麒とかマジ蚊帳の外じゃないか、こいつら百合にもほどがある:;y=_ト ̄|○・∵.
ターン
「はっ…と、とにかく上がって!」
「夜分遅くに申し訳ありません」
「いいのよぉ、もうすぐご飯だから食べていらっしゃい」
「いえ、すぐおいとましますから…」
「遠慮しないで、出来るまで祐巳の部屋で待っててね」
ちょうど時間はご飯時、ママはドリルにも福沢家の夕飯をごちそうしてあげることにします
ご飯の支度ができるまで祐巳と2人で部屋に行かされるドリル。しかしまだ夕飯の支度中の時間(7時前くらい?)を
「夜分遅く」なんて言い方するとは、やっぱりドリルの家は相当門限厳しかったりするんだろうか(えー
「さ、どうぞ」
「由乃さまや志摩子さまもよく?」
「ううん、高等部に入ってから学校の人が来たのは、瞳子ちゃんが最初」
「えっ…祥子お姉さまは?」
「家の前までは来たことがあるけど…中に入ったことはないなぁ」
「そんな!じゃあダメです!祐巳さまのお姉さまや親友の皆様より、私を先にお部屋に上げるなんて!」
ところが部屋の前まで連れてきても、「私が一番乗りなんてそんな恐れ多い!」と妙に恐縮してしまって中に入ろうとしないドリル。
でも一番乗りって話なら、すでに家に上がった人間自体ドリルが最初なんだからどうだっていいと思うんですが:;y=_ト ̄|○・∵.
ターン
「順番じゃないでしょそんなの。それとも瞳子ちゃんは、誰も毒味していない私の部屋に入るの嫌?」
「い、いえ…」
「じゃあいいじゃない、ほらほら!」
そう言うが早いか、ドリルの腕をひっつかんで強引に部屋へ引きずり込む祐巳。
そんな祐巳の部屋に入ったドリルの第一印象は「素敵なお部屋」だそうです
実際こんな突然の来客なのに、マイルームの整理整頓が完璧にされてるって大したもんですな。それに比べて私の部屋ときたら…(えー
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「適当に座ってね、寒くなかった?」
「ええ、歩いていたので」
「ずっと…?」
「…ずっとです」
どうやら祐巳の家とドリルの家はずいぶん離れているようで、ドリルはここまでかなりの距離を歩いてきたようです
というか「適当に座って」って言われたのに、2人とも迷わす背筋ピシッとして正座ってどういう私生活だよ:;y=_ト ̄|○・∵.
ターン
この辺りはさすがリリアンの生徒だな…
「考え事をしながら歩いていたら、いつの間にか遠くまで来てしまって…
電柱に書いてある番地を見たら、祐巳さまのご住所が近かったのでどの辺りかしらって…
でもどんどん暗くなるし、諦めて帰ろうとしたら祐麒さんと会ったんです」
「そう…」
そしてここへ来た経緯をあれこれと説明し始めたドリル。結局言いたいことは「いや私は全然来る気なかったんだけど偶然って恐いね」
ということのようですが、これがドリルの強がりなのは明らかですな…家出の原因はなんなのか分かりませんが、
ここへは祐巳に助けを求めるような気持ちで、遠路はるばるやってきたんでしょう
そんなドリルの本心を裏付けるように、祐巳は冒頭で聞いた心の声のようなものを
今まさに何度も目の前のドリルから感じていました。これは誰かに助けて欲しいというドリルの心の叫びなのか…
しかしそんなものを敏感に感じ取れるなんて、祐巳はもはやニュータイプとしか言いようが:;y=_ト ̄|○・∵.
ターン
(瞳子ちゃんの手すごく冷たかった…今は何も言わず、冷えた体を暖めてあげたい…
疲れた心を休ませてあげたい)
しかし今はその本心を勘ぐるよりも、心身ともに疲れているドリルをとにかく休ませてあげたいと考える祐巳。
ひたすら頭の中でドリルを癒したいと念じた結果、その時自然と祐巳の体は…
ドリルを押し倒そうとしていました。もはや本能のレベルで百合なのか祐巳よ!(えー
「わっ…」
「祐巳ー、ご飯よー!」
「はっ!?あ…あはっ、あはははははは、じゃ、じゃあ行こっか?」
「…?」
ママの呼ぶ声を聞いてようやくハッと我に返った祐巳、「ぎええやってもうた」という感じで
自分の恥ずかしい奇行をひたすら笑ってごまかします。
ドリルはそんな祐巳を変なものを見る目で呆れたように見つめるのでした
「ごちそうさまでした。そろそろ帰ります」
「えっ、帰るってどこに?」
「自宅です、おかげ様でほどよく頭も冷やせましたし、
私が帰らないと両親が寿命をすり減らして心配しますので」
そして福沢家の夕食をごちそうになったドリルは、なんと食事が終わったらもう帰ると言い出してしまいます
まだ祐巳はドリルの救いになるようなことをできてないと思いますが、そんな早く帰っちゃっていいんでしょうか
こんな時ぐらいは、祐巳と一緒に風呂にでも入ってキャッキャウフフするぐらいはしてもいいんじゃ:;y=_ト ̄|○・∵.
ターン
「お世話になりました、後日改めてお礼にうかがいます」
(む〜〜)
そしてドリルを迎えにやってきたのはまたしても柏木さん。そんな柏木さんを前にした祐巳は「またこいつの顔見なきゃならんのか」と
言わんばかりのむくれ顔になってしまいます。まあ祐巳にしてみれば、祥子に続いてドリルとの仲も柏木さんに先を行かれてる感じだからなぁ…
「ごちそうさまでした!」
「また遊びにいらっしゃい」
ブロロロロロ
「瞳子ちゃんはいい子ねぇ、あんな子が祐巳ちゃんの妹になってくれたらいいのに」
「お、お母さんったら何言うの!やめてよぉ〜!」
そしてドリルを見送りながら話すママと祐巳…って祐巳の反応さっきのママと同じだコレー!!
くねくねしながらママが言っていたセリフほとんどそのまんま!
さっきの柏木さんの時とはえらい違いですな、つまりそれだけ柏木さんはどうでもよくてドリルばっかり気になってるってことか…祐巳め…
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そして翌日、「後日お礼にうかがいます」と言っていた柏木さんは本当にお礼をしに現れました。
柏木さん…たまの休日の昼間に、わざわざスーツまで着て親戚の子のために頭を下げにやってくるなんて、マジでいい人すぎるぜ
「あっ…」
「なんだい?」
「瞳子ちゃんがなんで家出したのか知っている?」
「知ってるとしたら?」
「教えてもらうわけにはいかない?」
「瞳子からは…?」
「なんとなく聞けなかった」
ちょ、ちょっと待ってください祐巳柏木さんに向かってタメ口とな!?
なんてことを!恐れ多くも柏木さんは蓉子さま達と同じ学年だというのに!蓉子たちに向かってタメ口なんてのは
祐巳には天地がひっくり返っても無理だろうになあ…それを柏木さんにやらかすなんて
もう祐巳は柏木さんをゴミみたいにしか思ってないのか:;y=_ト ̄|○・∵.
ターン
「それでもあえて聞きたいと…それは、君の気持ち次第だな」
「私の…?」
「誰かれ構わず話せる内容じゃない…でも祐巳ちゃんになら、僕の独断で…
いいかい?君は瞳子の秘密を知ることになるんだ、それも瞳子の知らないところで…
受け止める覚悟があるかってことさ」
「あ…私は…」
「君のために、そして瞳子のためにも、もう一度考えてから聞いてくれ。次に質問されたら僕は答えるからね」
祐巳の質問に対して、もう一度よく考えるように言ってから立ち去っていった柏木さん。
ここで答えるのは簡単ですが、うかつに教えて祐巳とドリルを気まずくさせたくはないと思ったようです
祐巳やドリルのことを思いやってあげてるんだなぁ、それなのになんで祐巳達はそんなに柏木さんが嫌いなのか:;y=_ト ̄|○・∵.
ターン
「えぇぇーっ!?」
「しぃーっ!声大きい!」
「だって、今日のクリスマスパーティに有馬菜々さんを呼ぶって…」
「だから協力してって言ってるでしょ」
その日からしばらく経ったある日。祐巳と由乃は薔薇の館で、志摩子たちに聞こえないように内緒話をしていました
なんでも今日のパーティに菜々を呼ぶとかなんとか…やっぱり由乃と菜々は、もうそんなにしょっちゅう会うくらい仲良くなってたんですね
「協力って?」
「つまりね、祐巳さんが「瞳子ちゃんや可南子ちゃんを呼びたい」って言ってるわけよ」
「言ってないでしょっ」
「まあまあ、だから祐巳さんに乗っかって『それなら私も知り合い呼ぼうかなー』って、
そんな風に持って行きたいわけ」
「なにそれぇ〜」
どうやらこのパーティを機に、由乃は菜々を令たちにちゃんと紹介しておこうと考えているみたいです
しかし何の脈絡もなく菜々を登場させるのは、さすがの由乃も気が引けるようで…
だから先に祐巳が下級生を招待してワンクッション置いてから、菜々の話を切り出したいようですね
(そういえばあの日以来、瞳子ちゃんの顔見てない…
仲のいい乃梨子ちゃんが無邪気に誘って連れてきてくれれば、自然に会えるかも?)
最初は由乃の話に乗り気じゃない祐巳でしたが、これは自分もドリルに会うためのいい口実になりそうです
ここは由乃の作戦に協力しておくべき。さっそく祐巳は乃梨子にドリルを誘ってくれないかと話してみることに…
「今日のパーティね、ちょっと寂しいからあと何人かご招待したいと思ってるんだけど、
志摩子さんや乃梨子ちゃんは誰か呼びたい人はいる?」
「ううん…私は別に、乃梨子はいる?」
「特には…」
「だったら瞳子ちゃんや可南子ちゃんは?」
「それいいわね」
「乃梨子ちゃん、2人を誘ってみてくれない?」
なるべく自然にドリル達の話題を持ち出そうと、2人で口裏を合わせて志摩子達に話しかけた祐巳達。
何も知らない志摩子達からしたら、「確かにそれがいいかもしんない」となんとか話に乗ってくれそうな感じですね
乃梨子もドリルと一緒に盛り上がりたいだろうし、これなら祐巳たちの思惑通りに…
(C)荒木飛呂彦/集英社
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「だが断る」(えー |
「嫌です」
「はっ…?い、今なんて…」
「嫌だと言ったんです」
「な、なんで…?どうしてパーティに呼びたくないの?」
「私から誘うのが嫌なだけです、二人を誘いたいのは祐巳さまでしょう?
それなら祐巳さまが声をかけるのが筋じゃありませんか」
な、なんと!?乃梨子まさかの完全拒否!NOと言える日本人にもほどがありますよ乃梨子!(えー
祐巳とドリルの関係は自分がでしゃばる事じゃないと考えているようですが、もう少し先輩を立てるとかそういう配慮をですね…
「とにかくこの件はお断りします」
「あ…」
「それじゃあ私が行くことにするわ」
「え…!?お姉さまが行かれることはないです!私は祐巳さまに…!」
「どうしても祐巳さんにお願いしなければならないのなら、その理由をおっしゃい。
それだってあなたのこだわっている筋のひとつじゃないの?」
ところがそんな乃梨子に代わってなんと志摩子が立候補!ううむ…もしや乃梨子が祐巳を手ひどくやりこめてしまったのを見て
「うちの妹が申し訳ありません(´・ω・`)」という埋め合わせにこんな立候補を…?
これに慌てたのは乃梨子です。祐巳に行かせるつもりで言ったのが、自分の大事なお姉さまの手をわずらわせてしまうとは…
「ごっ、ごめん志摩子さん!私が行くから!」
「じゃあ一緒に行きましょうか」
「あ…乃梨子ちゃん、面倒なこと頼んでごめんね」
「…」
円満にドリルを迎える作戦だったはずが、妙に気まずいことになってしまった祐巳たち。
結局祐巳と志摩子にくっついて乃梨子と由乃もついてきてしまい、全員でゾロゾロと廊下を歩いていくハメになってしまいます
「…」
そんな4人の中で一番「ちくしょうなんでこんなことに」という顔をしているのは乃梨子でした
こんな事態を招いた自分の一言もそうですが、それ以上に祐巳に腹を立てているのかも…
「祐巳のやつが瞳子相手にトロくさいことしてなけりゃこんなことには…」くらいは思ってるかもしれません(えー
「ごめん」
「…?何がごめんなんですか?」
「えっと、こうなった原因って私かなって…だからごめん」
そんな乃梨子に声をかけたのは、今まですっかり空気になっていた由乃でした(えー
この流れの原因はそもそも由乃だったというのに、いつの間にやら一番蚊帳の外みたいな感じになってるな:;y=_ト ̄|○・∵.
ターン
「そもそも瞳子ちゃんと可南子ちゃんを、パーティに呼ぼうって言ったのは私なのよ…
私はある下級生をパーティに呼ぶことにしてるわけ、だから責められるべきは私なんだ…」
「責めるだなんて、そんな…」
「でもそれを聞いて、少し祐巳さんに感じてた反発が薄らいだでしょ?」
「あ…」
「本当はこう言いたかったんでしょ、『瞳子を誘いたかったら祐巳さまが自分で誘えばいいのに。
祐巳さまにとって瞳子はその程度の存在なんですか』って…」
正直に自分の企みを白状して頭を下げる由乃。乃梨子が本当に言いたかったこともズバリ言い当てます
でも乃梨子の心中がそんな生ぬるい表現だったとはあまり思えませんな
本当はこう言いたかったんでしょ。『てめーのケツくらいてめーで拭けばいいのに、
祐巳さまはいつまでも瞳子を妹にできないウスノロなんですか』って(えー
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「えっ、今日ですか?」
「無理…?」
「ちょっと夕方から用事がありまして…」
「瞳子ちゃんは?」
「私は…私も、ちょっと…」
そしてドリルと可南子の教室にやって来た祐巳たち。しかしいきなり今日「パーティやるから来て」と言われても、
話が急すぎて来るのはちょっと難しいようです。でもドリルの方は、用事があるというより気まずくて行きづらいような感じが…
もしかして、祐巳のお宅訪問のせいで祐巳と顔を合わせづらくなっちゃったとか?
あれで仲良くなったのかと思いきや、逆にギクシャクするとはよく分からん性格だなドリル…
「そう…じゃあ…」
「あっ、でも途中で抜ける失礼をお許しいただければ、ぜひ参加したいです!ねっ瞳子さん!」
「えっ、あの…」
「ミサが終わったら薔薇の館ですね、私達に出来ることがあったらなんでも言ってください」
ところがその時、ドリルが変な遠慮をしていることを察した可南子がナイスな助け舟を!
「いや私はいいから…」みたいにおずおずとドリルが伸ばした手を、がっしと掴んで「いいから参加しとけ」と言いたげに
一気にまくしたてて参加を決めてしまいます。意外に空気の読める子なんですね可南子
とにかく参加してくれるみたいでよかったよかった、とドリル達の教室を後にする祐巳達。
しかしその時、歩き出した祐巳がふとドリルの方を振り向くと、そこには「この間はありがとう」の意味を込めて
顔を真っ赤にしながら頭を下げているドリルの姿があったのでした。
えっと…もしかしてドリルは祐巳と会いたくなくて断ったんじゃなくて、妙に意識しちゃって恥ずかしいだけだったのか!?
まったくツンデレってやつは扱いが難しいな…(えー
次回に続く
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