■マリア様がみてる 4th season 第10話「キーホルダー」
「本人を問い詰めてきます!なんなら祐巳さまもご一緒に!」
「…」
ドリルが祐巳に頭を下げて去って行った直後のこと、乃梨子は今すぐドリルに事情を洗いざらい吐かせてやろうと息巻いていました
しかし、そんな乃梨子と反対に妙に落ち着いた様子の祐巳…なんと自分はそんなの知らなくていいと断ってしまいます
「私は行かない」
「え…どうしてですか…!?」
「どうしてだろうなぁ…分からないけど今はいい」
「いいって…祐巳さまは瞳子の真意を知りたくないんですか!?」
「なんて言うのかな…そういうことも、もうどうでもいいって言うか」
ど、どうでもいい!?ちょっとその言葉を選んだのは失敗ですよ祐巳!(えー
乃梨子にしてみれば「もう瞳子なんてどうでもいい」という風にも聞こえてしまうこのセリフ…
もちろん祐巳はそんなこと思ってないでしょうが、これを聞いた乃梨子にはかなり嫌なニュアンスに取られてしまったようです
「…瞳子を見捨てるおつもりですか!?」
「そう見える?」
「はい」
は、はいって!そんなにハッキリ言い切らなくても!乃梨子はほんと言いたいことはズバズバ言う性格だなー
別にそんなつもりで言ったわけじゃない祐巳は、乃梨子のこの剣幕に苦笑いを浮かべてしまいます
「あはは…逆なんだけどなぁ、むしろ…」
「逆…?」
「お話し中ごめんなさい。祐巳さん、リリアンかわら版がコメントを欲しいそうよ」
祐巳が自分の心境を話そうとしたその時、新薔薇さま誕生インタビューを求める新聞部に話をさえぎられてしまいます
結局乃梨子との話はそこでブツ切れになってしまい、乃梨子はなんともスッキリしない気分を抱えてしまうことに…
「まぁ〜本当?ふふふふ」
ガチャッ
「あらっ、おかえりなさい」
「おかえりさっちゃん」
その日の晩、祥子が自分の家に帰宅すると、ちょうど遊びに来た柏木さんが祥子ママと話しているところでした
「ただいま。そちらこそおかえりなさい、聞いたわよ?スキーで捻挫したんですって?」
「まあね」
「祥子さん、優さんがスキーのお土産におまんじゅうを持ってきてくれたのよ。早速いただきましょう」
「待って、洗面所に行ってくるわ」
「あ、じゃあ僕も」
「あん、もう…2人ともいい子ねえ」
ママは柏木さんの持ってきたまんじゅうを早速食べようとしますが、「ちょっと待てよそのまま食ったらばっちいだろ」と
祥子と柏木さんは手を洗いに洗面所へ行ってしまいます。唯一祥子ママだけは「何を細かいこと気にしてんだろう…」と
そんなこと全然気にしてないようで…もっと礼儀にうるさいお母様なのかと思ったら、意外と豪快な人なんだなぁ:;y=_ト ̄|○・∵.
ターン
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「僕が東京にいない間、何かあった?祐巳ちゃんと瞳子」
「祐巳と瞳子ちゃん…?どうして?気になるの?」
「12月、瞳子は両親とケンカして家出をした…半日ほどね。それで祐巳ちゃんの家で見つかったんだ」
「え…!?初耳だわ…」
そして手を洗いながら、祐巳とドリルの進展具合を祥子に尋ねる柏木さん。ふーむ、自分から祐巳達のことについて質問するとは
祐巳達が上手くいくようにちゃんと気にかけてあげてるんだなぁ。さすがいい人ですね柏木さん
それにしてもこの無駄に床が細長い洗面所すげえ
こんな廊下の奥みたいなとこにぽつーんと洗面所あるのかよ!家のスペース余りまくってるからこんな作りになるのか…
家があまりに広すぎるっていうのも考えもんですなぁ(´д`;)
「優さんは瞳子ちゃんのいとこですものね、身内としては気になるのね」
「ん…まあ、そういうことだ」
そして「いとこだから気にかけてあげてるのね」と柏木さんに話す祥子でしたが…
一瞬答えに詰まってしまった柏木さんのこの反応は…?本心では「いとこだから気になる」ってのとは違う理由で
話を聞きたがってるんでしょうか?もしや…例の「柏木さんの本命の相手」というのはドリル!?ドリルなのか!?
それにしてもこのめっちゃうざい髪の掻き上げ方に爆笑した
すげぇうざいよこれ!でも最高だよ柏木さん!さすがこのうざかっこいいところが柏木さんの真骨頂だぜ
「あなたがいない間に何があったかという質問に、まだ答えていなかったわね…
瞳子ちゃんが生徒会役員に立候補して、落選したわ」
「え…!?」
「なぜそんなことをしたのか、私にも分からないけれど…」
「信じられないな…祐巳ちゃんがあんなに…」
「…?優さん、祐巳のことが好きなの?」
「な、何をおかしなことを言うんだ、僕は…」
「あ…そうだったわね、ごめんなさい」
こ、これは!?祥子のふとした「祐巳が好きなの?」という質問に思わずうろたえる柏木さん…
本命の相手はドリルじゃなくて祐巳ですか!?だったら祐巳にあれだけ親切にしてくれるのも頷けますが…
それにしても、祥子の「そうだったわね、ごめんなさい」に続く言葉ってあれですよね
「そうだったわねごめんなさい、あなたホモだから女に興味ないわよね」ってことですよね:;y=_ト ̄|○・∵.
ターン
実際祥子は柏木さんに「僕は男しか愛せないから子供は別の男と作ってくれ」って直接言われてるから、そう思うのも仕方ないんですが…
「そうか…僕はただ笑って、祐巳ちゃんはいい子だから大好きだって言えばよかったんだな」
祥子の質問に慌てて本心を垣間見せてしまい、「しまったサラリと流しとけばよかった」と悔いる柏木さん。これはもう確定ですな…
「質量で言えば、祐巳ちゃんよりさっちゃんの方が遥かに好きだよ」
「違う『好き』なのね」
「そう…流石にさっちゃんは賢いな」
好きな気持ちが違う…うーむなんてこった、つまり柏木さんにとってlikeの意味で大好きなのが祥子、
loveの意味で普通に好きなのが祐巳いうことでしょうか、えらい事実を聞いてしまいましたなー
というか柏木さんの中で「好きの重さ」がそれぞれ違ってるってことは、この間祐巳に言ってた
「さっちゃんが好きだ、ユキチが好きだ、祐巳ちゃんもゼリーも犬もみんな同じくらい好きだ」って言ってたのは
まるっきり嘘っぱちだったんじゃないですか!まったく食えない人だな柏木さんは…
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「それでは今年のバレンタイン企画案を発表させていただきます。
今年もバレンタインデーに合わせてイベントを行い、山百合会の皆様にご協力をいただくことは、
すでにロサ・キネンシス、ロサ・フェティダのお2人に承認していただいております」
そしてあれよあれよという間に時間は過ぎていき、気がついたらすでに月日は2月の中旬。
目前に迫ったバレンタインデーのために、祐巳達は新聞部の真美からイベントの企画内容を聞かされていました
バレンタインのイベント…確か去年やったのは、当時ブゥトンだった3人(祥子・令・志摩子)が学校内に隠したカードを
一般生徒が探し出すゲームでしたね。見事にカードを発見した生徒には、ブゥトンとの半日デート権が与えられるっていう…
「えーお手元の資料をご覧ください」
「ん?ちょ、ちょっと真美さん、これ去年の企画そのまんまじゃないの!?」
「人気企画ですから!もちろん同じ企画でも、今年はパワーアップしています。
前回はロサ・キネンシスのカードだけ時間内に発見されませんでしたが、
今年はそれを回避するために敗者復活戦を設けたいと思います。
細かいことは皆さんの意見もお聞きして、おいおい詰めていくということで…」
「ふぅ〜ん…」
「では、何かご質問があれば…」
「はい!ここの企画意図ですが、”来期薔薇さまとなるブゥトン達と、一般生徒達の交流”とあるけれど」
「え?ま、まずっ…!修正するの忘れた…!」
しかし去年の企画の丸パクリとか細かいことは決まってないとか主役が薔薇さまなのかブゥトンなのか分からないとか…
めちゃめちゃテキトーじゃないですかこの企画!(えー
見切り発車にもほどがあるわ!
ひとまず”来期薔薇さまとなるブゥトン”って説明だと”今期も来期も薔薇さま”の志摩子と”今期も来期もブゥトン”の乃梨子の
どっちが参加したらいいのか分からないので、そこだけはハッキリさせておかないと…
でも肝心の真美は「や、やべー考えてなかったどうしよう」とオロオロうろたえるばかり。
誰を参加させるかも考えてなかったんかい!すでに始める前から終わってますよこの企画!(えー
「来期の薔薇さまは志摩子さんだけど、ブゥトンは乃梨子ちゃんでしょ。どっちがやるの?」
「それは…」
「お姉さまが」
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「乃梨子が」
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「「え……ええ!?」」
「だ、だってブゥトンと言えば乃梨子のことだわ」
「で、でも来期のロサ・ギガンティアはお姉さまではありませんか」
「でもここにブゥトンとはっきり書いて…」
「薔薇さまとも書いてあります」
お互いに「お前がやれ」「お前がやれ」となすり合いを続ける白薔薇姉妹、なんてgdgdな企画!
まあ自分がカードを隠す立場になると、どこの誰かも分からないような生徒と半日デートをやらされるハメになるので
できればそんなのやりたくないと思うのが当たり前でしょうけど…
「あ、あのう、申し訳ありません…混乱させた張本人としては無責任に聞こえるでしょうが、
皆さんのご意見をうかがっては…」
「意見ねぇ…」
「でも私は去年やっているので…」
「その理屈は通らないわよ、志摩子が言った理由でいいなら乃梨子ちゃんも来年拒否できるわ」
「で、でも来年の選挙しだいでは、乃梨子がロサ・ギガンティアになるとは限らないわけですし」
乃梨子はきっと来年選挙落ちるから今やらせようよ!とメチャクチャなことを言い出した志摩子
それはお姉さまとしてはあんまりですよ志摩子!「うちの妹マジ人望ないんで選挙受かりません」ってこれはひどい
どうにも平行線を辿り続ける白薔薇姉妹の議論。それを眺めていた祥子たちは、ここは年長者の志摩子が折れることを勧めますが…
「志摩子…どう、引き受けたら?」
「2年連続だっていいじゃない。志摩子のファン、多いよ」
「…」
しかし、優しく背中を押すような祥子達の言葉を聞いても、納得がいかずに黙ったままの志摩子。
一体どうしたんでしょう、いくらなんでもここまで「絶対やだ」という姿勢を見せるなんて…それも物分かりのいい志摩子が…
何かよっぽどこのイベントをやりたくない理由があるんでしょうか
「ど、どうしたの、やろうよ」
「…」
「もしかして、出来ない理由でもあるの…?」
「私…カードを隠すのが嫌なのではないの、ただ…」
「ただ…?」
「乃梨子の隠したカードを…探したかっただけで」
「「「は…?」」」
おま…自分が乃梨子とデートしたかっただけかー!!
なんじゃそりゃああああああ!!!あんたらいつも2人一緒にいるじゃないですか!デートなんざいつでも好きに行けるじゃないですか!
それでも「ヤダヤダ私も乃梨子のカード探したいよー」と…まるで予想もしなかった志摩子のしょうもない答えを聞いて、
祐巳と由乃はすっとんきょうな大声をあげてしまいます
「「ええええええええ!?」」
「うぅ…」
「わ、私も…クラスメイトから去年の様子を聞いて…私もお姉さまのカードを探したかったなって思っていて…
そしたら、ブゥトンか来年の薔薇さまかって話になったので、これはチャンスかと…」
「の、乃梨子…!」
「ごめんなさい…」
「私こそ…」
乃梨子も同じ理由だったんかよ!まったくこいつら姉妹は…このまま2人で手を取り合ってデートでもなんでも行ってしまえ(えー
さっきまでギャーギャー言い合いしていた姿はどこへやら、すっかりいつも以上の仲良し姉妹に戻ってしまいました
「ふふ、志摩子は自分の後のロサ・ギガンティアに不安があって?」
「いいえ、乃梨子が立派に引き継いでくれると信じています」
「だったら、あなたが働く姿を妹に見せてあげなさい。
それが来年の乃梨子ちゃんの仕事に繋がることなんだから」
「分かりました…!」
「お姉さま…!」
「いいのよ…」
「…お茶、入れ替えまーす!!」
もうこのキラキラ空間に耐えられませんと、ついに2人の百合百合時空に音をあげて
でかい声で紅茶の入れ替えを宣言する由乃。よくやってくれた由乃、私もこの百合すぎる雰囲気に耐えかねてたところです(えー
そして志摩子は、来年のロサ・ギガンティアは乃梨子が立派に引き継いでくれると言い切ります
いやーでも来年の選挙しだいでは、乃梨子がロサ・ギガンティアになるとは限らないという可能性が:;y=_ト ̄|○・∵.
ターン
「祐巳さんさ、落ち着いてるよね。どうして?」
「何が?」
「瞳子ちゃん、どうするつもり?」
「どうするって言われてもねえ…どうしようもないよね」
そして台所でお茶を淹れ直しながら、こっそり祐巳にドリルのことを尋ねてみる由乃。
しかし祐巳の態度は冒頭の時と相変わらず、慌てず騒がず何もしないつもりのようです
「スールにしないの?」
「だって相手が『うん』って言わなくちゃダメでしょ」
「そうだけど…」
「私が落ち着いて見えるんなら、それは焦らなくなったからじゃないかな」
「焦らない…?」
「うん、お姉さまの卒業までに妹を作らなきゃとか、なんとしてでも瞳子ちゃんを妹にしたいとか…
不思議とそういう焦りがなくなったっていうか」
「何かきっかけでも?」
「きっかけって言っていいか分からないけど…しいて言うなら選挙かな?」
あの選挙で何を感じたのかいまいち分かりませんが、なんだかすっかり達観してますなあ祐巳…
あれほどドリルのことで毎日悶々としていたのが嘘のようです
なんだかアスランに自爆された途端いきなり悟り開いて帰ってきたキラ准将みたいだな:;y=_ト ̄|○・∵.
ターン
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「ご苦労さま」
「あっ、ご、ごきげんよう」
「ごきげんよう、偉いねいつも」
それからまた日が変わったある日のこと、乃梨子が早出して薔薇の館をきれいにしていると祐巳が姿を現します
はからずも薔薇の館で2人きり…冒頭の祐巳の言葉がずっと引っかかっていた乃梨子にとって、
もう一度あの意味を聞き直すまたとないチャンスです。そして話を切り出す前に乃梨子が心の準備をしていると…
「あのさ、乃梨子ちゃんにちょっと話があるんだよね」
「え!?」
「志摩子さんや由乃さんが来てからでもいい話なんだけど」
「あ…そ、そういうことですか…」
「そっちから話を振ってくれるとはラッキーだぜー!」と思わず祐巳の話に飛びついてしまう乃梨子でしたが、
残念ながら祐巳の話はドリルと何の関係もありませんでした。がっくりと肩を落としてしまう乃梨子…
それを見て、祐巳も乃梨子の心情に気がついたようで…
「どうしたの…?瞳子ちゃんの話だと思ったの?」
「はい…」
「別に何も進展してないから、特に話す事はないんだけど…乃梨子ちゃんが聞きたいことがあるならいいよ」
(聞きたいこと…私が今祐巳さまに聞きたいことって…なぜ瞳子を放っておくのか?
見捨てないと言った言葉を信じていいのか?瞳子が選挙に負けたことをどう思ってるのか?
瞳子に再びロザリオを渡す気持ちがあるのかどうか…?)
乃梨子をすっきりさせてあげようと質問タイムを始めた祐巳、ところが乃梨子はいざ質問するとなると
聞きたいことが多すぎて頭の中がグチャグチャになってしまいます。そして、整理のつかないうちにポロッと一言こぼれてしまい…
「瞳子のこと、好き…ですか?」
「好きだよ。大好き」
ぎゃああああああなんという百合展開…乃梨子の問いに対して祐巳は思いっきり曇りのない目で答えます
あまりにも澄んだ祐巳のその表情を見て、もはや細かい疑問はすべて吹き飛んだ乃梨子。
ドリルのことは祐巳に委ねようと腹を決めるのでした、次回に続く
それにしても今回サブタイの「キーホルダー」ってなんだったんだろう…何かそれを連想させるような部分ってありましたっけ?(・ω・;)
それと蓉子さまの制服姿は相変わらずハァハァですね:;y=_ト ̄|○・∵.
ターン
やっぱりこの人は私服だと一気に10歳くらい老けちゃうから、セーラー服着てるぐらいがちょうどいいと思うんだ…
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