:極上!めちゃモテ委員長
第51話「委員長誕生!涙のミラクルチェンジですわっ」
「えーっと、オシャレっていうのは確か、自分からどんどん動いて
バンバン挑戦するんだったよな!ふっふっふ…もっと!もっと可愛くなってやるぜ!」
川原で出会ったジャージ男に恋してからは心機一転、不良人生とおさらばしてついにモテ子への道を歩み始めた委員長。
しかしその第一歩はご覧の通りのスーパー厚化粧でした。いつぞやの化粧を大失敗したりかっちさんと同レベルのギトギトな顔!
ま、まあ化粧するのも生まれて初めてみたいですからな…加減の仕方がさっぱり分からないのも仕方のないことか…
「うんうん!イケてる!」
(や…やりすぎっちゅ…)
「まあ!頑張ってオシャレを続けてるのね、なかなか根性あるじゃない!」
「ユージ!ああ!でもまだまだ、もっと可愛くならないと!」
って、そんな格好で委員長が町をねり歩いていると、偶然にもあのユージと再会!
「なによその化粧ふざけてるの?」とか顔のことを何か言われるかと思いきや、そんなことよりユージは
委員長がオシャレの努力を始めたことが何より嬉しいようです。すっかり気をよくしたユージは、
委員長を喫茶店に連れて行き可愛くさアップのアドバイスをすることに…
「ふふ、もっと可愛くなる秘訣ってなんだと思う?」
「うーん…思いっきりオシャレする事かな!」
「それだけ?」
「いや、オシャレって何か勇気をもらえるんだよな。
自分が可愛くなる自信っていうか…自信が生まれると、
自分で自分のことが好きになって、もっともっと可愛くなろうと思うんだ!」
「へえ…!分かってるじゃない!自分で自分を好きになること、それが始まりよ!」
ところがユージがアドバイスするより先に、一番大事なことに自然と気がついていた委員長。
それは「自分を好きになること」…ふむ、これはちょっとマジメな話をすると、オシャレに限らず人生訓としても大事なことですな
私もそういうのはかなり気にしてる方で、例えば誰も見ていないところでも
ゴミをポイ捨てしたり、仕事をサボってみたり、誰かの陰口叩いたりっていうモラルに反することはしたくないんですよ
なんでかっていうと、例え他人の目がなかろうがそんなことやってると自分に負い目ができるから。
そんな負い目が増えていくと自分を嫌いになっていくんですよね。そうなるとどんどん気分が下向いていってどんどん毎日がつまらなくなる。
人生を楽しむ秘訣はやはり自分を好きになることですよ
私の将来の夢は「我が生涯に一片の悔いなし!!」って自分を好きなまんま安らかに死ぬことです(えー
「(さわさわ)うーん、髪だいぶ痛んでるわね…タオルドライはどうしてます?」
「えっ?そりゃ普通にバスタオルでちゃちゃっと」
「ダメよ、それってキューティクルを剥がしてるようなものよ」
「そ、そうなの…?」
「髪は拭くんじゃなくて、地肌や髪の毛の水分をそっと取るような感じでね。
こうやって、優しく優しく押さえるように…ドライヤーは地肌を乾かすつもりで、根元から当ててね」
「ふむふむ…優しく優しく…」
それからの毎日、ユージの経営する美容院に通っては、ユージと客のやり取りから美容のテクニックを学び始めた委員長。
髪をゴシゴシ拭くっていうのはキューティクルをどんどん引っぺがしちゃってるのか…そう言われるとなんか恐いな…
まあ私はキューティクルってのがどういうもんなのか全然分かってないんですけど:;y=_ト ̄|○・∵.
ターン
要は髪が痛むっていうことですよね、男みたいな短髪でも気にした方がいいのかなあ
キューティクル剥がしすぎると将来ハゲるとか言われたら、俺も今日からタオルでこするのやめるけど…(えー
「うんうん、合格!最近はお手入れもよく行き届いてるわ」
「ほ、ほんとか!?」
「ふふふ、言葉遣いはまだまだだけどね」
「やったぁ!めちゃモテになるためにミラクルチェンジだ!いや…ミラクルチェンジですわ!」
そんな毎日をずっと送っているうちに、とうとうユージから太鼓判を押されるほど自分を磨き上げた委員長。
そしてこの時から、今までのガサツな自分とは決別して、現在のような丁寧語で話す性格になったという…
なるほどミラクルチェンジ大作戦の第一号は、他でもない委員長自身のチェンジだったんですなあ
「…」
そんな様変わりした委員長の日課とは、あのジャージ男と出会った川原でひたすら再会の日を待ち続けることでした。
委員長にはこの場所以外にジャージ男との繋がりがないので、出来ることと言ったらここでずっと待つしかないんですな…
タッタッタッタッ
「はっ…はっ…はっ…」
「あ…あぁ…!?」
って、一体何ヶ月かかるんだろうと思ったらわりかし早くジャージ男と再会の時が!(えー
なんという僥倖…ラッキーとしか言いようがない偶然ですが、ともかく委員長にとってこんなに嬉しい事はありません。
今の自分の姿を見たら、ジャージ男も自分のことを好きになってくれるんだろうか…
そんな思いを胸いっぱいに抱えながら、委員長はジャージ男へと駆け寄りますが…
「ふがふがふが…」
「ゲェーッ!?」
うわああああああああああ!!そ、そんな!ジャージ男の正体はこんな爺ちゃんだったのか!!
委員長を助けてくれた時も顔は見えてませんでしたが、まさかこんなシワシワのじーちゃんだったとは…これほどの年で
あんな切れ味鋭いシャイニングウィザードかましてたのかこのじーちゃんは…まったく生涯現役とはこのことですな:;y=_ト ̄|○・∵.
ターン
(あ…諦めませんわ…!いつか必ず、あの人に会えますわ!)
ってバカな冗談は置いといて、今の爺ちゃんは似たようなジャージを着ていただけのまったくの別人でした
やはりジャージ男との再会は、そう簡単には叶わないようで…しかし、それでも委員長は決して諦めようとはしませんでした
ジャージ男を再会できることを一途に夢見て、来る日も来る日もひたすら川原で待ち続けることに…
「…今日も…会えませんでしたわ…」
タッタッタッタッ
「はっ…はっ…はっ…」
「え…!?あ…あれは…!」
そんなある日の夕暮れ、数え切れないほどの日々を川原で待ち続けた委員長の前に、ついに現れた念願のジャージ男!
委員長にもさすがに悲壮感が漂い始めていただけに、この再会の喜びといえば一体どれほどでしょうか
背格好、髪型、そして若さからしてあの時の男に間違いはないようで…(えー
「あ…あの人…ですわ…!」
(リップOK…髪型OK…服装OK…北神未海、今日もパーフェクトですわ!)
念願の再会に気が動転しながらも、ジャージ男が駆け寄ってくるわずかな間に、身だしなみの最終確認をする委員長…って
こ、このセリフは!「オッスオラ悟空!」みたいに毎回話の最初で委員長がささやいてるセリフ!?
な、なんと…毎回この「リップOK、服装OK」で番組が始まるのって、
いつでもどんな時でも、ジャージ男と再会した時に最高の自分を見せられるように、常に委員長は自分を確認してるっていう
そういう意味でのセリフだったのか…なんだかそう思うと、このセリフにも50話分の重みを感じるなぁ
「あ…あのっ!」
「ん?」
「いつかは…ありがとうございました!」
「え…?」
そしてついにジャージ男に勇気を出して話しかける委員長!しかし、ジャージ男の反応はなんとも微妙というか…
ま、まさか、委員長を助けたことをすでに忘れてしまっているのか!?「ごめん覚えてない」とかそんなことを言われそうな予感が…
「あの…私…あれからずっと、あなたの事が好きでした!つき合ってください!」
「えっと…悪い、僕つき合ってる子がいるんだ」
「え…!?」
「同じクラスの委員長なんだ。可愛くてさ…それに優しくてしっかり者、パーフェクトな委員長なんだ」
「…」
「ごめん、じゃあね!」
って普通に振られたー!!うわあああああああああ!!
そ、そんな…予想とは違いましたが、なんとも報われない結果になってしまったというか…
すでに彼女持ちで委員長のつけ入る余地などなかったジャージ男。今まで一途に待ち続けていたのがなんてことに…
しかし…気になるのはこのジャージ男の声が潮とは違うということでしょうか
最初は単に中学時代だから今と声が違うのかと思ってましたが、
委員長が助けられた時は確かに潮の声をしていたわけですから、このジャージ男というのもやはり…?
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というかこいつの声何か聞き覚えあるなぁと思ったら
上条さんじゃねーか!!
おま…委員長の告白は幻想だからぶち殺しに来た
とでもいうんですか!?お得意の幻想殺しですか!?
学園都市に帰れ!帰れよぉ!(えー |
(C)鎌池和馬/冬川基/アスキー・メディアワークス/PROJECT-RAILGUN |
ザアアアアアアアアア
「…」
「あ…!?」
そんな上条さんのせいで、失恋のショックに打ちひしがれてしまった委員長。
この日のために不良をやめて、人生を大きく変えたのに…あれほど努力を重ねたのに…長い時間ずっと待ち続けたのに…
その全てが無駄となってしまった今、委員長には雨の中カサをさすような気力もなく、とぼとぼとユージの美容院へやってくるのでした
「…私…やっぱり…無理なのかも…」
「…一度の失敗で諦めちゃうの?」
「…でも…もうめちゃモテになる意味も…なくなっちゃったし…」
「しっかりしなさい。やんちゃなレディ!」
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いいじゃないか…仮に負けても…!
何かをして…
仮にそれが失敗に終わってもいい…!
思うようにならず…傷つくっていうか…
イラつくっていうか…そういうの…
悪くない…!まるで悪くない…!
俺は、いつもそう考えてきた… |
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バ…バカなっ…!
メチャクチャ…!
どこがいいっていうんですか!?
そんな人生…
そんな失敗の人生の…! |
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無論…気持ちは分かる…!
誰だって成功したい…そういうものに
憧れる、欲する…!分かるか…?
成功を目指すな、と言ってるんじゃない…!
その成否に囚われ…思いわずらい…
止まってしまうこと…!
熱を失ってしまうこと…!
これがまずい…!
だから恐れるな…!失敗を恐れるなっ…! |
「一度の失敗が何よ、大切なのは自分を磨くことでしょう!」
アカギ先生お説教ありがとうございます!(えー
失恋してしまったショックのあまり、もうモテ子を目指していた足もここで止めそうになってしまった委員長。
しかし、確かに最初はジャージ男のためだけに始めたこのオシャレですが、
今では他にも大事なことがあると委員長は気づいていたはずです。自分に自信が持てる、自分が好きになる、毎日が楽しくなる…
そんな自分を磨くことの良さを、こんなところで手放してしまうのか…と、ユージは委員長をもう一度奮い立たせようとします
「…そう…ですわ…可愛くなるために、努力を続けなくちゃ…!
いつも自分の事が好きでいられるように、努力をし続けなくちゃ!」
「ええ!めちゃモテの道は一日にして成らずよ!」
そんなユージの言葉に揺り動かされて、足を止めそうになっていたモテ子道をもう一度歩き始める気になった委員長。
こうして今なおその努力を続けている委員長は、現在みなさんご存知のような生活を送っているわけですが…
(未海ちゃん…未海ちゃんは気づいていないっちゅ。
あの時告白した男の子は、人違いだったっちゅよ。
未海ちゃんが恋をしたのは、告白した彼じゃなく…)
ところが、失恋を吹っ切ってたくましく生きている委員長に向けて、テモテモから意味深な一言が…
初めてジャージ男が委員長を助けに入ったあの時、委員長からはジャージ男の顔がまったく見えませんでしたが、
テモテモはハッキリとその顔を目撃していたのです
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「これが俺の本体のハンサム顔だァ!!」(えー
やはりというか本当のジャージ男の正体は潮!さっき告白した相手は瞳の色が青でしたが、潮は黄色をしてるんだなあ…
やっぱり別人だったのか…って、テモテモはそのことに気づいてるんなら、なんで教えてあげないんだろう?
どうやらテモテモって、いつもあれだけ人の言葉をペラペラ喋ってるように見えて実はまったく人には伝わってないっぽいですね。
あれ全部一人言だったのかよ!な、なんと…第1話を見た時はなんで人語を解するハムスターがいるのか
まったくの意味不明でしたが、まさかテモテモのセリフは単なる一人言だったとは…
それにしてもこの川原、白い帽子に青いジャージでランニングしてる奴多すぎだろ:;y=_ト ̄|○・∵.
ターン
なんでみんなまったく同じ格好でランニングしてんだよ!次回に続く!
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