■大正野球娘。第4話「これから」
「ごめんなさいっ!これ以上野球を続けるのは無理…!」
「ええええ!?」
「根性ないな〜…」
「あのねえ!幽霊部員のあなたと違って、私は新聞部の活動もあるの!
だから掛け持ちはどうしても無理なのよ…!」
前回は岩崎達にメッタクソにやられてしまった桜花会、さて今回はどう立ち直るのかなーと思ったら
なんといきなり仲間が一人抜けてしまいました。おいおいマジですか!誰かと思えば新聞部から引っこ抜いてきた記子ですか…
そういえば元々新聞部は人手が足らなくてヒーヒー言ってたし、これ以上記子を桜花会に縛りつけていたら
新聞部が滅びる事は確実でしょうから、ここは泣く泣く手放すしかないのかもしれませんな…
「また人探しね…」
「なんとしても探すしかないだろう、8人じゃ野球は出来ないからな」
「晶子さん…今日も来なかったわね」
「うん…」
「ねえ、鏡子ちゃんはどうしたのかしら」
また8人からやり直しかーと思ったらドッコイ、なんと試合の日以来ピッチャーの晶子とレフトの鏡子が
自室に引きこもったまま全く姿を現していないようです。この上さらに2人再起不能ですか!?
ううむ、晶子は一回すら抑えられずにKOされたこと、鏡子は最初にかましたエラーのことを気にしてるんでしょうか…
エラーなんてみんなしてるんだしそんな落ち込まなくても…と思いましたが、考えてみれば鏡子のエラーは0対0ツーアウトからだったんでしたね
あそこで鏡子がきちんとアウトを取っていれば、少なくとも一回裏で試合終了なんて無惨な負けはなかったわけか…それを考えると辛いな…
多分今の鏡子には、桜花会のみんなの顔が怒り狂った阿部に見えてると思います(えー
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ク・ソ・レ・フ・トォォォ〜〜ッ!! |
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ザアアアアアア
「ねえ、この雨じゃ練習は無理よね」
「う、うん…」
「じゃあ姉さん、帰るわよ」
「ほ〜い…」
↓次の日
「まったくこの季節とは思えん気候だな…」
「ねえ、練習はどうするの」
「これ(グチャグチャのグラウンド)では無理だな…」
「そ。じゃあこれで解散ね、姉さん帰るわよ」
「う〜ん…」
「ほら姉さん」
人数が足りないうえに晶子達のメンタルケアまでしなきゃならんのか…と小梅達が頭を悩ませていると、さらに追い討ちをかけるように
酷い悪天候のせいでグラウンドが使えない日々が続きます。その間毎日練習をせずみんなそのまま帰ることに…
「おい早く帰らせろよ」「早く帰らせろよ」って静は全然やる気ないし
桜花会完全に空中分解じゃねえか!1度の敗戦でここまでガタガタになるとは…
室内での練習法なんていくらでもあるのに、とっとと帰っていく一同を見てアンナ先生も苦い表情です
「お嬢様、鈴川様をお連れしました」
「ご苦労様。どうぞ、空いているわよ」
「お、お邪魔しま〜す…」
「いらっしゃい、心配かけてごめんなさいね。ちょっと熱が出ただけだから大丈夫よ」
そんなある日、学校を休み続けている晶子が心配になってお見舞いをすることしにた小梅。
晶子の自宅を訪れますが、晶子の家はとんでもない大金持ちだったようですな…物凄い豪邸のうえに使用人もぞろぞろと…
こぢんまりした食堂の娘の小梅には、少々刺激が強すぎるようで無駄にビクビクしております
「よかったあ…これ、お見舞い!」
「あ…気を使わなくていいのに。でもいい匂い…」
「うちの商店街の名物なの。美味しいわよ!」
「じゃあいただこうかしら」
晶子の休んでいる原因は本当にちょっと体調を崩したからのようで、それを知った小梅はとりあえず一安心です
そしてお見舞いに持ってきた包みを取り出しますが、その中身はなんとたい焼き。早速2人でもふもふと食べ始めますが…
(C)PEACH-PIT・講談社/ エンブリオ捜索隊・テレビ東京
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たい焼きの原料は卵、小麦粉、水、
小豆に砂糖…糖分と炭水化物の比率が
大きすぎる無駄の多い食べ物だ。
そして分かったんだ、
おやつなんて必要ないもの、
要らないものだって。 |
しゅごキャラのたい焼き回と同じ週に再びたい焼きだなんて!
小梅とあむを演じる伊藤かな恵は、一週間に2度も商店街で買ったたい焼きを「上手いから食べな」とやったのか!
なんと不思議なたい焼きの縁…かな恵がしゅごキャラ以外で主役を張るなんてそれだけでも珍しいのに、なんとも不思議なシンクロですなあ
「ふふ、ベッドで食べるなんて、なんだかはしたないわね」
「内緒にしてあげるから大丈夫っ」
「ふふふ、美味しい。さすが名物ね!」
「でも思ったより元気そうで安心したわ」
「もう、どんな想像をしていたのよ。私は大丈夫よ、心配しないで」
そして和気あいあいとたい焼きをほお張る2人。もっとどんより落ち込みムードなのかと思いきや、
この様子を見る限り晶子は大丈夫そうですな。それを確認して安心した小梅は、晶子の家の車に送ってもらい帰っていくのでした
「じゃあ松坂、よろしくね」
「はい、お嬢様」
「じゃあまた!」
「気をつけてね」
ブロロロロロロ
「ふふ、あれなら明日には学校に来られそうですね!」
「…」
「…?」
「お嬢様は…昨夜からお食事をなさっておりません。一昨日お帰りになってから、すぐに寝込んでしまわれて…」
「え…!?」
ところが帰りの車の中で、使用人のおじさんから意外な事実を知らされる小梅。
なんと晶子が明るく振る舞っていたのは全て演技で、実際はご飯も喉を通らないほど思い悩んで寝込んでいたそうです。
「こんな事は初めてですので、訳をお尋ねしたのですが…お嬢様は『大丈夫よ松坂、心配しないで』と…
ああいうお方ですから、辛い事があってもそれを口になさいません…ですから、ああいう風におっしゃる時は…」
「…」
実際は晶子が辛さを溜め込んでいたことに気づかず、楽観的に「明日は元気に学校くるだろ、うはは」なんて考えていた
自分の愚かさを恥じる小梅。そして次の日、またも晶子は引きこもったまま学校を休んでしまいます
またお見舞いに行ってもおそらく今度も誤魔化されるだけ…こんな時どうしていいか分からない小梅は、
ずーんと落ち込みながら家の食堂の支度を手伝っていましたが…
「お嬢さん、元気がないみたいですけど…どうかなさったんですか?」
「へっ?あ、ああ、なんでもないの!」
「そうですか…?もし悩みがあるなら、友達に相談した方がいいですよ」
「え?」
「一人でモヤモヤを溜めていちゃ、(胸の)中で腐ってしまいますから」
「三郎さん…」
そんな小梅に声をかけてきたのは、小梅の食堂で料理修行をしている青年・三郎でした。
どうやらこの食堂では小梅ママが接客を、小梅パパと三郎さんが料理を、小梅が雑用を担当しているようですな
というか三郎さんマジイケメンすぎる!100年近く前の人間がこんなにカッコいいなんて!
小梅も三郎さんの助言で少し気が楽になったみたいだし、性格もよくて言うことなしじゃないですか
こんな美形かつ気立てのいい男と家族同然に暮らしているなんて…小梅マジ勝ち組すぎる!!(えー
「小梅〜、お客さんよ」
「あ、はーい!どなた…げっ!!」
「やあ小梅さーん!!」
その時小梅が母親に呼ばれてみると…ってあいつはーー!!店先にはなんとあの告白野郎・高原の姿が!
まさか自宅まで直接やってくるなんて…そこまで本気で小梅をモノにするつもりですか!さては高原め、小梅の親から先に説得して
小梅と家族ぐるみの付き合いをしようってこんたんで…(えー
「な…なぜここが!?」
「交番所さ!君の名前を出したらここだって」
「一体何の御用ですか!」
「用があるのは僕じゃなくて、こいつさ」
「あっ…!?」
「岩崎荘助と言います、突然申し訳ありません…今日は、鈴川さんにご相談があって参りました」
「そ、相談…?」
って、そんな高原の影からひょっこり顔を出したのはなんと岩崎!小梅に相談って…そりゃもちろん晶子の事なんでしょうなあ
それにしても岩崎、高原と違って礼儀正しくて好感が持てますね。なんか男女差別の事以外では岩崎ってほんと良い奴なんですけど
なんであそこまでケチョンケチョンに嫌われなくちゃならないんだろう:;y=_ト ̄|○・∵.
ターン
「実は今日うかがったのは…晶子さんの事なんです」
「…」
「なぜ彼女は、あんな無謀なことをしたんでしょうか…」
「…無謀、ですか」
とりあえず店に客も来ていないので、空いてる席に座って話を聞くことにした小梅。
しかし岩崎の口からは、いきなり「あんな無謀ことして何がしたいの?」と小梅が眉をひそめる一言が…
ううむ、岩崎が晶子と仲直りしたくて心底困ってるのはひしひし伝わってくるんですが…もう少し言葉を選べないもんかなあ
「女のやる事ではないでしょう…そうは思いませんか?」
「”女は家庭に入るべき”ですものね」
なんてこった、とうとう小梅も皮肉で返し始めてしまいました。女は家庭に入るべき…その通りだよ最高だろ!!(えー
確かに岩崎は空気読めてないところがありますが、だからと言って平成の世に生きる少年達でさえ憧れてやまない「家庭的な妻」を、
「男女差別すんなふざけんな」と斬って捨てる小梅ときたら…これは男女差別なんかじゃねー!男のロマンですとも!
それが全く理解されないなんて嘆かわしいったらないぜ…(えー
「あ…!それ、晶子さんも言ってました。もしかして僕が原因ですか…!?」
「…」
「鈴川さん、もし僕のせいで晶子さんを怒らせてしまったのなら、ぜひ直接会って謝りたい…何とかなりませんか?」
「謝るのは良い事だと思います。でも原因が分からないのに頭を下げても、
晶子さんは納得しないのではないでしょうか」
「…」
「あの…もし私達が正式に試合を申し込んだら、どうなさいます?」
「え…?何度やっても、結果は同じだと思いますが…こっちは全国大会を目指す男たちが、
毎日泥にまみれて練習しているんです」
晶子との関係をどうにかしたいと悩んではいても、なかなか自分が無意識に作り上げている男女の壁に気づかない岩崎。
というか岩崎達の野球部は全国レベルのチームだったのか…そのへんの平凡な野球部だったら桜花会にも勝ち目あるかと思いましたが、
こりゃ望みが薄くなってきましたな…それに「泥にまみれて練習してる」ってことは、ここ数日の悪天候の中でも必死に練習してたんだろうしなあ
「今日天気悪いから帰ろう」なんて言ってる桜花会じゃ勝てるわけがないぜ…(えー
「それをたかが…あっ」
「…私達の経験不足をお笑いになるのであれば、それは事実ですから構いません。
でも女だということをお笑いになるのであれば、聞き捨てなりません!!」
「…」
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またも「たかが女」と無意識に女を見下すような発言をしてしまい、そこを小梅に手ひどく突っ込まれてしまう岩崎。
小梅も意外と強気な性格してますなあ、しかし岩崎の差別的な考え方は相当根が深いようで…
でもこれは岩崎が悪いと言うより、当時の常識的な物の考え方でしょうからなんとも…
多分岩崎にしてみれば、女が野球を始めるなんて事は現代にたとえると
いきなり男子トイレの中に女がズカズカ乗りこんできて
「ちょ、ちょっ!ここは女の来る場所じゃねーだろ!」と叫んだら
「お前なに男女差別してんだよふざけんなよ」とイチャモンをつけられた気分なんでは…
そう考えると岩崎が可哀想すぎる…岩崎がんばれ超がんばれ:;y=_ト ̄|○・∵.
ターン
「そうだぞ岩崎!レディに対して失礼だぞ!小梅さん達だって、
女だてらに頑張ったんじゃないかぁ!」
「は、はぁ!?」
そこに突然口を挟んだ高原でしたがこいつは話の何を聞いとったんだ−!!
「男も女も関係ないんだよ、分かったかコノヤロー」って言われた次の瞬間「そうだね女の子にしてはよく頑張ったね!」って
どんだけ的外れなこと言ってんですか!お前はもう黙っとれ!アホすぎる高原に話の腰を折られてしまった小梅でしたが…
「話の途中で悪いけど、そろそろ混んでくる時間なの。今日はこれくらいでお引き取り願えません?」
「は、はい、今日は失礼しました」
ところがその時、岩崎達は小梅ママに商売の邪魔になるからと退店を命じられてしまいます
混んでくる時間じゃしょうがない…と思いきや、見てみれば他の客といえばカレー食ってるオッサン一人だけで
思いっきり店の中はガラガラです。こ、これのどこが混んでくる時間!?
やっぱりこれは明らかに「小梅に変な虫をつけたくない」というママの妨害工作でしょうな…
「いやどう見ても店ガラガラじゃないっすか」とか、本当の事を言わずに空気読んだ岩崎はいい奴だよ(えー
「小梅さん、今日のところは僕に免じて許してくれないか?こいつには僕からよく言っておくから」
「(ニコニコ)あなた達?嫁入り前の娘の家に、いきなり訪ねて来るなんてぶしつけは
2度となさらないでね?(ニコニコ)」
そして店から去ろうとする岩崎達に「てめえら2度と来るんじゃねー」と思いっきり釘を刺す小梅ママ。
やっぱり小梅ママは、いきなり家にやってきた岩崎達が相当気に入らなかったようですな…
もはやこの世に岩崎をよく思ってくれる人間はいないのか…(えー
「すいませんでした…!」
「じゃあ小梅さん、またねー!」
「は…はぁ!?」
「…少しはあの空気を察しろっ!」
「なにが?」
そして最後まで一発かましていった高原。お前はどこまで人の話を聞かんのだー!
「2度と来んな」と言われた次の瞬間に「じゃあまた来ます!」と言い出すとは…まったく面白い奴だよ高原は
「なんでぇあいつは、小梅さん小梅さんって馴れ馴れしい野郎だ!」
「はい、まったくです!」
「…お母さん、私ちょっと行ってくる!」
「え?小梅!」
そんな高原の印象は小梅パパ達からしても最低だったみたいです。
でも「あの野郎小梅さんなんて呼びやがって」って怒ってますけど、三郎さんが「小梅さん」って呼んでるのは許してるあたり
三郎さんと小梅は親公認の仲ってことですか!?こりゃ高原の入り込む余地はないな…(えー
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「あ、あの晶子お嬢様、お客様が…あっ」
「(ずかずかずか)」
「こ、小梅さん?」
「さっき家に、岩崎さんが来たの」
「え…?」
そして「ちょっと行ってくる」と小梅が向かった先は、引きこもったままの晶子の部屋でした
今の岩崎との会話の中で、小梅は晶子を奮起させる何かを掴んだってことなんでしょうか?
「無関係な人の家を訪ねていくなんて、なんと無礼な…!」
「無関係じゃないわ。友達だもの、違う?」
「え…あ、そうよ」
「なら何故話してくれないの?モヤモヤを溜め込んで病気になったんじゃ、しょうがないじゃない」
「病気だなんて…そんな大げさなものじゃないわ、私は大丈夫よ」
「大丈夫な人がどうして学校を休むわけ?」
「あ…」
「友達だったら遠慮するなんて変よ…一人で溜め込んでいたんじゃ、しまいにここ(胸)で腐っちゃうよ」
いつになく強気にビシビシ話を進める小梅、晶子も「なんか今日の小梅さん雰囲気違う…」と少々困惑気味です。
そして小梅は、さっき三郎さんに言われたのと同じジェスチャーで同じ言葉を晶子に…
これは…晶子を立ち直らせるために三郎さんの言葉を使うなんて、小梅の三郎さんへの信頼度の高さがうかがえますね。
親だけでなく小梅本人も三郎さんを気に入ってるなんて、ますます高原の入り込む余地は:;y=_ト ̄|○・∵.
ターン
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「…この前の試合…あんな無様に…」
「悔しかった?」
「…あの人達に、全然相手にされてなかった。選手として未熟だからならまだ許せたけど、そんなのではなかったわ」
ここまで小梅に踏み込まれて、ようやく心の内を少しずつ明かし始めた晶子。
悩みの内容はやはりこの前の試合のことでしたが、腕前がどうとか以前に女という時点で相手にされてなかったと…
いや…そう言われても未熟な部分が酷すぎてそんなの全然分かんなかったよ!(えー
ド素人丸出しのエラーがあまりにも多すぎたしな…「腕前はともかく」って言われても、いやまず腕前をなんとかしろよ…と
突っ込んでしまうのは俺だけでしょうか
「私のせいで…皆さんにあんな惨めな思いをさせてしまって…」
「きっとみんな惨めだなんて思ってないわ。悔しいはずよ…だって相手にされていないのは、チーム全員だもの」
「あ…」
「この悔しさを晴らす方法は、きっと一つしかないと思うの。あの人達に私達のことを、人として対等だと
認めさせるのよ。そのためには甘い考えじゃダメなのよ、相手は全国大会を目指している年上の男子よ。
だからこちらも相当な覚悟で臨まないといけないの、でないとこのまま馬鹿にされるだけだわ」
晶子の抱えている悩みを解決するには、今度こそ岩崎達をギャフンと言わせて男と女が対等だと認めさせるしか…
って、岩崎達って小梅達より年上だったんですか!?設定を調べてみると小梅達は14歳、岩崎達は17歳だとか…ゲーッ!!
年齢も岩崎達が上、練習量も上、そして性別の差による能力も上…これに勝つとなると本当に死ぬほどの努力をしなければ…
小梅の言う通り「今日天気悪いから帰ろう」なんてぬるい覚悟を持ってるようじゃ全く話になりません(えー
「そんなの私は嫌…!あなたはどう?」
「…私も嫌…」
「覚悟できる?」
「…うん…」
「本当に?」
「女に二言はありませんッ!!」
「わっ…それなら私はあなたにずっとついていく、明日は学校で…」
「そんな悠長な事は言っていられませんわっ!!」
って、大人しく小梅の話を聞いていたかと思いきや、突然激しく燃え上がってしまった晶子!
「スッとろいことしてねーで今すぐ仲間の根性叩き直してやる!」と猛烈にやる気を出し、
今すぐに仲間達へ集合の連絡を始めてしまいます。そして小梅も、引きこもったままの鏡子を呼びに行かされますが…
「ねえ静、静ってば〜あ」
「嫌よ、宿題くらい自分でやりなさいよ」
「いいじゃない少しくらい見せてくれたって…丸写しなんかしないからさ〜」
「ちょ、ちょっとやめてよ…もう、しょうがないわねえ」
バタン!!
「(ずかずかずかずか)これから私の教える通りにして!」
「え…?え?」
なんと鏡子を呼びに行くその前に、「てめえらイチャイチャしてんじゃねーよ」と巴を引っぺがして一緒に連れて行く小梅!
鏡子をやる気にさせるには、巴の力が必要と踏んでのことでしょうが…しかし静…考えたくないことではありますが、こいつってやっぱり…
バアアアアン!!
「おおっとっとっ!?」
「巴お姉様!?」
「きょ…”鏡子、どうして練習に出て来なかったの?”」
「…だって…あの試合、私のせいで負けてしまって…」
「…ん〜…」
(そんなことないわよ!)
「”そんなことないわよ!”」
「ちょ、ちょっとこれってどういう…むぐぐぐ!?」
そして凄い勢いで鏡子の部屋に放り込まれてしまった巴。そこで鏡子を励ますために、小梅のセリフをそのまま言わされてしまいます
というか巴をどっかーんとブチ込んだり静を力づくで黙らせたり、今日の小梅は恐ろしくパワフルよのう
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「…私…巴お姉様のお役に立てそうもありません…」
「…う〜ん…」
(私にはあなたが必要なの!)
「んぐぐ!んぐっぐぐぐ!」
「”私にはあなたが必要なの!”」
「え…!?」
(もう一回!)
「んぐー!!」
「”私にはあなたが必要なの!!”」
「と…巴お姉様…!でも…私…」
小梅の口説きセリフが次々とヒットし、少しずつ心が動き始めた鏡子!しかし静の必死っぷりが笑えるなあ
それでもまだ最後の一押しが足りないようで、一瞬明るくなった鏡子の表情もすぐに元へ戻ってしまいます
「…むう…」
(抱き締めて!!)
「んぐ!?んんん!んんっんんんー!!」
「…」
「…えっ?」
「(がばっ)”私にはあなたが必要なの!!”」
(っしゃあああああ!!)
「んふぎゅんんんー!!」
ついに鏡子への最後の一押しをかました巴!熱烈ハグを受けて殺し文句を告げられた鏡子は、天にも昇る気持ちでついに陥落!
再びやる気を取り戻してよかった…とはいえこの瞬間完全にハッキリした事が。
巴のイチャイチャシーンを見せられて号泣しまくりの静は、やっぱりただのシスコンガチ百合女だったんだな…ちくしょうちくしょォォォ
実を言うと今まで80%くらいの割合で「こいつただの百合女なんじゃ…」とは思ってました、
でもそんな事実は私の繊細な心が耐えられないから必死に80%から目をそらして、残り20%にしがみついてきたんだよ!(えー
結局その希望は粉々に打ち砕かれました。ちくしょおおおおおおおお!!
「心配をおかけして…申し訳ありませんでした!」
「小笠原…お前は馬鹿か?一人でくよくよしおって、今度何かあったら必ず皆に相談しろ」
「そうよ、悔しい思いをしたのは一緒だもの。だから覚悟くらい出来ているわ」
「本当にそうかしら?みんな表に出なさい」
そして部室に全員集まって、「よーしこれからまた頑張るぞー」と決意を固めていた一同。
ところがそこにアンナ先生が現れると、いきなり「お前ら表に出ろ」と…
どうやら小梅達の覚悟が本物かどうかを試すつもりのようですが…
「いい?あなた達が戦おうとしてるのは17歳の男子よ。
あなた達より体が大きくて力が強い…彼等に勝つには彼等以上の練習が必要よ。
その意味が本当に分かるかしら」
「…」
「その覚悟がある者だけが、このラインを越えなさい」
全国レベルの猛練習をしている男子高校生を相手に、平凡な女子中学生の小梅達が勝つ…
それには本当に血へドを吐くようなすさまじい特訓を乗り越えなければならないでしょう
単なる仲良しこよしのぬるい覚悟では到底やっていけません、それほどの強靭な意志が全員にあるのかどうか、そのテストの結果は…
「ふふふ」
「うふふふ」
ぞろぞろぞろ
ぞろぞろぞろ
え!?ちょ…な、何コレ!?すぐにおてて繋いで仲良く小梅・晶子がラインを越えたかと思いきや、
「2人が行くなら私もー」とばかりにキャッキャと笑いながら全員がラインを突破!
ウダラ何ニヤついてんがァーーッ!!(えー
お前らふざけんな!そんなお花畑みたいな軽いノリでこの先やって行けるのかよ!
そもそも小梅と晶子が手を繋いで行ってる時点でダメだよな…この時ばかりは自分自身の覚悟を示すべきだろうに…
鏡子なんかは行こうかどうか迷ってるところを、巴に手を引かれて連れて行かれる始末です。
こんなんで本当にいいんですかアンナ先生ーッ!!
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うふふふ
あははは
「…あら?静さん?」
「…」
「静、どうしたの?」
「どうした、早くこっちへ来い!」
「…」
ところが、全員ラインを越えたかと思いきや、まだスタート地点に留まったままのメンバーが!それはなんと静でした
もしや他の奴らと違って、しっかり自分の覚悟を問い直しているのかも…と思ったら
静は巴を鏡子に取られてヘソを曲げていたのです。ど…どうしようもねえー!!
見苦しい、見苦しすぎる!この先の激しい特訓に躊躇するならまだしも、「お姉ちゃんが私に構ってくれないからやる気なくした」って
お前なんなんだよ!そんなんで岩崎達に勝とうだなんてヘソで茶を沸かすぜ!(えー
「なんで私が野球なんかしなくちゃいけないのよ…!」
「静さん、こっちへ来て!」
「静さん、一緒に野球をやりましょう!」
「静お姉様!」
「静さーん!」
「…」
「どうしたのよ静、一緒にやろうよぉ!ねえ静、静ってば!」
「…ああもうっ!」
最後はお姉ちゃんが振り向いてくれたので渋々続けることにした静
なんだこれは…なんだこの茶番はー!!こんな取ってつけたような覚悟でオッケーだなんてそりゃねえよ!
考えてみれば静って、最初は巴の野球に賛成してたのに巴が小梅とイチャついた途端に必死な妨害工作を始めたり
それでも巴の入部が決まってしまったら、あっさり手の平返して自分も入部してきたり
雨の日には「はい練習無理だから姉さん帰ろう」と巴を独占するようにとっとと帰ったり
巴が鏡子と仲良くしただけでヘソを曲げてやる気なくしたり…
あまりにも見苦しすぎる…今回のことで静の株が恐ろしいほどに大暴落したな…
私の好感度的には三郎さん>岩崎>>>>>小梅達>>>>>静って感じですよ、
まあ来週からは三郎さんと岩崎のために見るか…(えー
次回に続く
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