■大正野球娘。 第9話「誤解の多い料理店」
「むにゃむにゃ…”3番岩崎荘介、打席では慎重…初球からは手を出さない”…すかー…」
「小梅ー!もう8時を回ったわよ!」
「はっ!?わわっ、い、行ってきまーす!!」
ある日の朝、今までの偵察で集めた朝香中の打者データをうつらうつらと読んでいた小梅。
しかしうっかりぐーすか寝こけてしまったところを小梅母に叩き起こされ、遅刻ギリギリで慌てて自宅を飛び出していきます
関係ないけどこの打者データ、口では「3番岩崎」って言ってるのに紙では「4番岩崎」って書いてありますよ!
スタッフまで一緒に寝ぼけてどうする!(えー
「まったくもう、あの子ったら布団も上げずに…あら?」
ところがドタバタと慌ただしく家を出て行った小梅は、資料から写真が1枚抜け落ちてしまったことに気づきませんでした
小梅の部屋に残されていたその写真…なんとそれに写っているのはよりによって高原!
それを見つけた小梅母は、「あのスットコドッコイと小梅が交際してるなんて!?」と眉をひそめてしまいます
「こいつ…前にウチに来た野郎じゃねえか!」
「ええ…」
「小梅の奴…!許婚が出来た早々何考えてんだ!!」
そんな高原の写真を見せられた小梅父は、やはりというか大激怒。
小梅が三郎さんを差し置いて、高原とよろしくやってるものと思い込んでしまいます
こりゃ小梅が帰ってきたら物凄いカミナリが落ちそうですな…
「1対5で桜花会の勝ち!」
「ありがとうございましたー!」
「くっそー…!姉ちゃん達やるようになったなあ。でも俺達に勝ったぐらいで
喜んでちゃいけねーぜ!朝香とやるんだからもっと使える魔球を覚えねーとな」
そしてその日の午後に行われた練習試合では、とうとう桜花会がバシンチームを危なげなく撃破していました
桜花会も大分安定した実力がついてきたようです、やはりバシンチームとの試合はそろそろ卒業して
これからは富士見中あたりと戦うべきだな:;y=_ト ̄|○・∵.
ターン
「皆さん!本日ただ今、私はあなた達の監督として
朝香中に正式な試合を申し込むことに決めました!」
「「「わぁー!!」」」
な、なんですって!?バシンチームの次はもうラスボス朝香中との決戦!?
そんなに急がずとも富士見中とゆっくり試合をして(以下略)
ともかくアンナ先生から見て、桜花会の実力は朝香中と試合らしい試合ができるまでに成長しているようです
小梅達も今度こそやってやるぜーと燃えに燃えてそれぞれの自宅へと帰りますが…
「小梅…お前、俺達に何か隠してることがあるんじゃねえのか」
「えっ!?な、何のこと?」
「これは一体どういう事だッ!!」
「ああっ!?」
しかし小梅が家に帰りついた途端、高原の写真を差し出しながら怒鳴りつける小梅父!
「よくもこんな奴と隠れてこそこそ付き合いやがって」と怒りの収まらない小梅父でしたが、
小梅の方は「くっそー私が野球やってることがバレちまったか」と全然違う勘違いをしてしまいます
「そ…その…今まで黙っていてごめんなさい!お願いだから、何も言わずに許して下さい!」
「冗談じゃねえ!親をなんだと思ってやがる!!」
「隠していたのは謝ります、でももう決めたんです!だからお願い!!」
「こんな大事な事を勝手に決められてたまるかッ!!」
「お父さんの分からず屋ァァッ!!」
「なんだとォォォッ!!」
「私は絶対野球やめねーから!!」「あんな奴と絶対結婚させねーから!!」と
2人はお互い勘違いしたまま物凄い大ゲンカに!うわああああああなんてこった
これで険悪になってしまった小梅と父親は、翌日になっても目を合わせようともしなくなってしまいます
そこで今度はガミガミ言うのではなく、なんとか小梅をなだめようと母親が話しかけますが…
「小梅…もう一度胸に手を当ててよく考えてごらんなさい」
「…」
「お父さんがどんな気持ちでいるか考えてごらんなさい、それにそんな事をしたら世間様が…」
「私の気持ちは変わらないわ!説得しようとしても無駄よ!!」
「小梅!」
ぐわー小梅暴走!!ついに母親にすら「私の野球魂を止めることはできないぜ」と吐き捨ててしまう!
この親不孝ものめー!まあお互いに勘違いしてるからもしょうがないんですけどね:;y=_ト ̄|○・∵.
ターン
しかし母親達にしてみればこいつは大変です、小梅が他の男に走ったとなれば三郎さんに合わせる顔が…
「ったく…親の決めた許婚の何が気に入らねえってんだ!
おい八重、小梅が帰って来たらもう一度話してみるから、当分の間三郎には…」
「…」
「ど、どああああっ!?」
志村うしろー!!なんとか秘密裏に小梅と話をつけようとする父親でしたが、その一部始終は三郎さんに丸聞こえ!
ついに三郎さんまでも小梅に別の男がいることを知ってしまうことに…これは思わぬところで三角関係勃発ですな…
「今日から皆さんには心がけてもらいたい事があります、それはプレー時間の短縮です!」
「じ、時間短縮?」
「そうよ、あらゆるプレーの時間短縮」
そんな一方で桜花会の練習は、今日から完全に対朝香中を想定したレベルのメニューが組まれていました。
前回入手した朝香中の映像資料を穴が空くほど見返した乃枝は、誰が何秒でベースを回るかという時間までも調べ上げて、
それをきっちりアウトに出来るスピーディな守備を要求しているのです。まあ小梅があんな酷い目に遭って入手した映像なんだから
これくらいは役に立ってもらわないとな:;y=_ト ̄|○・∵.
ターン
ダダダダダダダ!
「セーフ!」
「ダメよもっと速く!朝香中は全員が胡蝶ちゃん並みに速いと思ってちょうだい!
中でも一番の俊足は、自称あなたの恋人さんね」
「もう…やめてよぉ〜」
朝香中の全員が胡蝶並の速さ…マジですか!胡蝶の脚力っていうと泥棒騒ぎの時のアレで完全に超人レベルというイメージなんで
朝香中がとてつもないバケモノ集団に思えてならないな:;y=_ト ̄|○・∵.
ターン しかもその中で最速なのは意外なことに高原!
あいつそんなに凄い奴だったのか…そういえば記子が偵察した時の原稿用紙にも「高原が韋駄天のような快足を飛ばして〜」とか
書かれてたっけなあ。ダテに1番バッターを任されてるわけじゃなかったのか…
「ごめんなさい、遅くなって!」
「いえ…こちらこそ、こんな時間にすみません」
そしてとっぷりと日が暮れたその日の晩、三郎さんと小梅は映画の練習をした神社で待ち合わせをしていました
どうやら三郎さんが高原の事できっちり話をつけようと、小梅をここに呼び出したようですが…
「今日は、どうしてもお嬢さんの口からお聞きしたいことがあって…」
「なあに?」
「今朝、偶然女将さんとのやり取りを耳にしてしまったんです」
「…あ…。あの、黙っていてごめんなさい…あんな事する女の子って、やっぱりおかしいかしら…」
「あ…いえ、お嬢さんが浅い考えで物事をお決めになる方でないのはよく知っています。
そんなお嬢さんがお決めになった事なら、僕は…!僕はただ…
お嬢さんが本気かどうか、それだけが知りたいんです!」
自分ではなく他の男に恋してしまった小梅、三郎さんはそんな小梅の意志を尊重すべきと思っているようですが
頭でそう思っても心が納得出来るわけありません。ただ、小梅の口から本気の恋だという言葉を聞いたその時は、
自分の心を押し殺してでも身を引く覚悟を固めようと…
「本気です」
「!!」
ぎゃあああああああ!!言っちまったよ小梅!それもまったく迷いのない表情です、やめろー!
言うまでもなく小梅は野球の話と勘違いしてるだけなんですが、三郎さんにとってこれほど受け入れがたい現実はありません
「もう後へは引けません、この先どんな苦難の道が待ち受けているか
分からないけど、必ずやり遂げるつもりです」
必ず添い遂げるつもり!?(えー そこまで言うか小梅!好きな相手の口からこんな言葉を聞いてしまったら、
三郎さん受けたショックは一体どれほどか…
「…そうですか…分かりました、そこまでおっしゃるのでしたら…影ながら応援します。だから…!
頑張ってください…!」
「三郎さん…!私がんばる!絶対に負けない!
ありがとう三郎さん、私必ずやり遂げてみせるから!」
アイナと添い遂げるー!!2回言っちゃったよこの子は…
もはや悲しいなんて言葉ではまるで足りないほどにショックを受けてしまった三郎さん、
心情的にはもう「自分は死に場所を見つけてしまいました」という感じでしょう(えー
それでも自分の落ち込んだ姿を見せまいと、必死に涙をこらえる姿がなんとも胸を打ちます。
そんな一方で、「わーい三郎さんが野球認めてくれたよー^^」とゴキゲンな小梅は…
「ええいっ!」
スパアアアン!
「小梅さん、今のボール曲がったかしら!」
「う〜ん!とってもいい感じよぉ〜♪」
「…?」
「とってもいい感じだよ〜♪ほ〜んと!すご〜くいい感じ!さあ、もう一球いってみようか!」
「…???え、ええ…」
翌日もルンルン気分なスーパーハイテンションになっていました。
そんなに三郎さんに認めてもらって嬉しかったのか小梅!まあ岩崎も高原も最初は「女が野球することないじゃん…」って感じだったし
小梅父に至っては「許さん許さん絶許さん!」って全面否定でしたからな…唯一「頑張ってください」と応援してくれた男が
三郎さんだったというわけか。まあ勘違いですけど:;y=_ト ̄|○・∵.
ターン 一方その頃、そんな三郎さんはというと…
「おーい三郎、そろそろ盛り付けの用意を…うおっ!?さ、三郎オオオーッ!!」
「…」
(C)渡辺保裕/新潮社
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壊レテシマイマシタ…(えー |
なんと小梅に振られてしまったショックで三郎さん完全に精神崩壊!
フライパンを火にかけたまま、ぼけらーと虚空を見据えて料理を丸焦げにしてしまいます。うわあああ
小梅は天国、三郎さんは地獄!早いとこ誤解を解いてもらいたいところですが…
「満を持しての再挑戦かぁ!向こうも相当な自信があるんだろう」
「俺達の試合を毎回偵察している子もいるしな」
「受ければ晶子さんも納得してくれるんじゃないか?仲直りするいい口実になるぞぉ!」
「ぐぐ…し、しかしだな!」
一方その頃、朝香中の面々に届いていた桜花会からの挑戦状。それを見た部員たちは
「よっしゃー岩崎の仲直り作戦のためにも一肌脱いだるか」と、かなり前向きなようです。相変わらず気持ちのいい奴らだなあ
そして柳曰く「記子は毎試合偵察に来てる」そうですが、あれからも2人は仲良くお喋りしたりしてるんでしょうか
「東邦星華学園から挑戦状が届いたそうじゃないか」
「はあ、今度は正式な申し込みでして」
「ふむ…公式試合ともなると、事は学校間の問題だ。軽はずみな返答は我が校の沽券に関わるからね」
「はい…確かに」
「どうだろう、この件は私に預からせてもらってもいいかね?」
「それはもう、校長のよろしいように」
ところがその頃校長室では、「あんまりホイホイ試合するのはよくないね」と校長と顧問の先生が話していました
ぬう…確かに全国クラスの一流男子野球部が、年下の女子に負けたとあってはメンツ丸潰れでしょうからな
そこで校長に考えがあるようですが、メンツを潰さずに双方丸く収まるような条件でもつける気なんでしょうか?
見た感じおっとりした性格の校長のようだし、悪いようにはしないと思いますが…
「学院長ー!朝香中からお手紙がー!」
「…………!?」
「どうしました学院長?お顔の色が優れませんが…」
そんな朝香中の校長から、小梅達の学院長に向けて送られて来た手紙。さっそく試合についての返事を書いたようです
ところがそれを見た学院長は、明らかに不快な表情を浮かべてアンナ先生にも手紙を見せることに…
「なっ…!”神聖なグラウンドに婦女子を入れること、これすなわち
ベースボールへの冒涜である。本件に関しては、賢明なる貴公の御明断を
強く希望する”…!?」
「えっ…!?」
「な…何よそれ…!」
ゲェーッ!?なんなんだこの最悪な手紙は!!
なんとあの校長が送ってきたのは「女が野球なんてやってんじゃねーよクソして寝ろ」という完全に女を見下した試合拒否の手紙!
あ、あのクソ校長、てっきり良識のあるおっさんなのかと思っていたらとんだ食わせ物じゃないか!
断るにしても言い方ってもんがあるだろうに…「軽はずみな返答は我が校の沽券に関わるからね」って
どの口で言ってんだあのスカタンは!(えー
「う、嘘でしょ?ねえ嘘でしょお!?」
「あ、晶子さん…」
「…」
ジリリリリリン!ジリリリリン!
「はい、岩崎でございます。はっ…少々お待ち下さい」
「はい代わりました、荘介です。まさか晶子さんの方から電話をもらえるなんて…」
《卑怯者ッ!!》
「!?」
う、うわああああああ!!この手紙に激怒して即座に岩崎への電話攻撃を開始した晶子!そ、そんな!
何も知らない岩崎に向かってなんてことを…(´・ω・`)この間も「最近晶子さんは電話にも出てくれない」って寂しがってたし、
やっと久々に晶子と電話でお喋りできると思って、相当嬉しかったろうになぁ…見てくださいよこの岩崎のにこやかな顔を
それがいきなり第一声がこれだなんて…ううっ
「な、何のことですか…?」
《公式試合の申し込みを断った事、お忘れになりまして!!》
「え…!?ちょ…ちょっと待ってください!あの件は受けると返事を…!」
《舌の根も乾かぬうちによくも抜け抜けと!!》
「本当です…!受けると返事をした事は、本当なんです!」
《私には、今のあなたの言葉は信じられませんッ!!(ブツッ!!)》
「あ…」
うあああああああ岩崎いいいいいいい!!(号泣)
あああああ!!なんという可哀想な真似をするんだよ晶子は…話をロクに聞いてもらえず、一方的に電話を切られる岩崎が
あまりにも哀れすぎます。なんでいつも岩崎ばかりがこんな目に!
ある日突然許婚が口を聞いてくれなくなり、話をしようとしても電話に出てくれず、
わけの分からない野球勝負を挑まれて、受けてみたら「相手にされてなかった!見下された!」と逆ギレされ、
どうしていいか分からず小梅に相談したら、冷たくあしらわれて「二度と来んな」と母親に釘を刺され、
また試合を挑まれて「よし受けよう」と答えたら、「なんで試合受けねえんだよチキン野郎!」と罵倒され…
何も悪いことしてないのになぜこんな…私ならその場に崩れ落ちて号泣するレベルです(えー
これだけ酷い目にあって自暴自棄にならない岩崎は強い子。頑張れ岩崎、頑張れ!超頑張れ!
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ズカズカズカズカズカ!
「い、岩崎待て!ちょっと待たんか!岩崎!」
バタアアアアン!!
「校長ッ!!野球部に相談もなく試合を取り消すなんて…!
横暴じゃありませんか!!」
そして次の日、学校へやって来るなり校長室へ乗り込み猛抗議を開始する岩崎!
おおお…桜花会のためにここまでやるなんて…本当岩崎は、見てるともう応援したくてしたくてたまらなくなってくるぜ
(C)LEVEL-5/FCイナズマイレブン・テレビ東京
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「100パーセント!!
絶対に勝てると
言い切れるのか!!」(えー |
今の岩崎の立場って、総帥に抗議した時の鬼道さんに似てるよな…:;y=_ト ̄|○・∵.
ターン
「練習試合ならともかく、公式試合なら立派な学校行事だ。
クラブに相談する必要などない」
「しかし!意見くらい聞いてくれてもいいんじゃないですか!!」
「職員会議で決定したことだ。諦めてもう帰りたまえ」
「…く…!」
しかし岩崎がどれほど熱意を伝えても、校長はまるで話を聞こうともしてくれません
話にならない校長の態度に、わなわなと体を震わせる岩崎。ところがその時、新たに校長室へ入ってきた人物が…
「入らせてもらうぞ」
「お、小倉様!?きょ、今日は一体…!」
な、なにぃぃぃ!?ちょっ…この人は辻打ちの時の人質ジイさん!?
なんであんたがここに!話を聞けばなんとこのジイさん、実は朝香中の後援会長で、辻打ちの時に小梅達に助けられて以来
桜花会のことを温かく見守っているようです。このジイさんも岩崎と同じで、校長に抗議をするためにやってきたようですな…
「ふうむ…つまり”女子の野球などままごと同然、相手にする事はない”と…
そう言いたいのじゃな?」
「は、はい、そもそも女は家庭に入り家事に精を出せばよいのです。
それを男の真似をして野球など…!まったく分をわきまえぬ
滑稽な行為としか思えません。それにこちらも、
お嬢様の相手をするほど暇ではありませんから」
こ、これは!?桜花会をコケにしながらかつての岩崎とまったく同じ言葉を吐く校長!
この展開はまさか…このクソジジイの愚かな振舞いを見て、岩崎も自分の言ってしまった失言に気づくという伏線でしょうか。
とりあえず今はまだ、岩崎もそのことに気づいていないようですが…
「そこの小僧、貴様はどう思う」
「僕は校長のお考えには反対です」
「岩崎…!」
「彼女達が真剣に挑んで来ている以上、それにしっかりと応えるべきだと思います」
「ほほぉ…」
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岩崎マジかっけぇすぎるだろ…小梅達の気持ちを本物だと認めた今、すでに女だからどうとかいう差別意識は
かなりのところまで薄まってきているようです。もうほとんど晶子の不満は解消されたようなもんですね
あとはそれを誤解なく晶子に伝えることが一番の問題なんだが…:;y=_ト ̄|○・∵. ターン
あの暴走機関車みたいな人に、一体どうやったら分からせることができるんだろう…(えー
「しかし岩崎君…!」
「校長!おぬしまさか…女子から逃げているのではなかろうな」
「は…?ま、まさか」
「では何故試合を受けぬ!」
「そ、それは先ほども申しました通り…」
「紋切り型の女子像など聞き飽きたわい!
この小倉矢八郎、敵の挑戦を受けて逃げ回るような中学の
後援会長をしていたとは…!情けなくて涙が出るわ!!
おぬしとの付き合い、これまでにさせてもらうぞ!」
「ひ、ひええええ!?」
「それだけはお許しをー!」というわけで、岩崎と桜花会のためにボケナス校長を説き伏せた小倉じいさん!
こうして朝香中との試合は認められることになり、その知らせは瞬く間に桜花会へも飛んで行くことになります
「みんなぁー!グッドニュースでぇーす!!
朝香中が試合を受けてくれました!夏休みが終わったら試合でーす!!」
「「「「ええ!?やったあああああ!!」」」」
「一度は拒否したのにどうしたのかしらぁ!」
「理由なんてどうでもいいわ!こうなったらじゃんじゃんホームランを打っちゃうからぁ!」
「バンザイやったー試合だー!誰が説得してくれたのか別にどうでもいいけど」っておいイイイイイ!!
ちょっと待てお前らー!!そこはもっと気にしなきゃいけないところだろ!!
一生懸命校長に抗議してくれたナイスガイが一人いるというのに、誰にも知られずに終わるなんて…うっうっうっ
せめて晶子にだけは知っておいて欲しかった…そうでないとしても、卑怯者発言についての謝罪の電話くらいは…
するわけないかあのお嬢様が:;y=_ト ̄|○・∵.
ターン 岩崎マジ報われねえ…もうほんと試合の勝ち負けはなんでもいいから
最後には岩崎にハッピーエンドが用意されてることを祈るよ…
「ふふふ、ら〜めちゃんたらぎっちょんちょんで〜♪ぱいのぱいのぱ〜い♪パリコとバナナで〜♪」
「ふらいふらいふら〜い♪やあ!マイスニートハニー!」
「えうっ!?」
そしてすっかりゴキゲンで東京節を歌いながら帰る小梅でしたが、いきなりそこにトラブルメーカー高原が出現!
今日は一体どうしたのかと思いきや、いきなり「今度の試合でウチが勝ったら僕とランデブーね!」などと
小梅に一方的な賭けを持ちかけてしまいます。ちょっ、それであんた小梅が勝ったら何してくれるんですか!?賭けの成立になってねー!
「あ、あの…!」
「じゃあ夏休みが明けたら、ランデブー楽しみにしてるからねー!!」
「…!」
って、ああああああ!?さ、三郎さんがなぜここにー!!
なんと偶然会話中の小梅達の近くを通りがかり、「僕とランデブーねー!」という高原のバカでかい声を耳にしてしまった三郎さん!
三郎さんからしたらどう見ても愛し合う2人がデートの約束をしてるようにしか見えません。ぐああー!!
激しくいたたまれない気持ちになってしまった三郎さんは、逃げるようにその場から駆け出してしまうのでした。あああ…
それにしても三郎さん、その仕草といい表情といいこのシチュエーションといい、
どっからどう見ても乙女なヒロインなんですがどうしてこんなことに:;y=_ト ̄|○・∵.
ターン
「それじゃ、お先に失礼します…」
「お疲れ様ー!」
「あっ三郎さん!お疲れ様でした!」
「あ…はい…お嬢さんも…」
「…?」
そして今日の夜遅く、仕事を終えた三郎さんは玄関で小梅と出くわしてしまいますが、
もうこの世の終わりみたいな顔をして、目を合わせる気力もなくそそくさと帰ってしまいます。三郎さん…生きろ…
そんな様子を見て、さすがに今日の三郎さんがおかしい事に気づいた小梅。そのことで母親に話を聞いてみますが…
「ねえお母さん、三郎さんどうしたのかな?元気ないみたいだけど」
「あきれた…この子ったら自分のしでかした事が分かってないのね」
「何が?」
「あなた彼に会ったでしょ。高原さんよ、おまけにランデブーの約束までしたっていうじゃない」
「え…!?」
「全部あんたが浮気したせいじゃない」と母親から聞かされて、ついにお互いの誤解に気づいた小梅!
そしてすぐにでも本当の事を話そうと、凄い勢いで店を飛び出し三郎さんを必死に追いかけ始めます
「はあ、はあ、はあ…!」
「…」
汗だくになりながらついに三郎さんの背中を見つけた小梅、乱れた息をはあはあと整えながら、すうーっと大きく深呼吸をすると…
「三郎さんのばかああああああああああ!!」
「…!?お、お嬢さん!?」
「大っ嫌い!!」
「えっ!?」
「高原さんのこと!好きでも何でもないの!あんな鈍感な、
人の迷惑も考えない唐変木!好きになるわけないじゃない!」
バ、バカなうえに大嫌いだとー!?(゜д゜;)って、大嫌いなのは高原のことで三郎さんのことじゃないのか…
こんな時まで紛らわしい言い方しないでくださいよもう:;y=_ト ̄|○・∵.
ターン
「で、でもランデブーの約束は…」
「あれは試合に負けたらという賭けなの!」
「試合…?」
いきなりバカやら大嫌いやら唐変木やら試合やら聞かされて、きょとーんと話について行けない三郎さん。
そんな三郎さんに小梅は一から全てを説明し、ついに誤解を解かれた三郎さんはこれまでのいきさつを理解するのでした
「なるほど野球ですか、じゃあ旦那さんも奥さんも…」
「そうなの、みんな誤解しすぎよ!私には…そ、その、三郎さんっていう…」
そして「許婚の三郎さんがいるのに浮気なんてしない」と真っ赤になってうつむいてしまう小梅!うおー!!
本日のニヤニヤタイムですよ!!前回から期待していた小梅→三郎さんの描写がついに!
やっぱり小梅もちゃんと三郎さんのことが好きだったんだなあ。いやあよかった
相思相愛ってのはいいもんですね、三郎さんがかわいそうな片思いロリコン男にならなくて本当よかった:;y=_ト ̄|○・∵.
ターン
「ふふ、いいと思いますよ。野球」
「え?」
「元気のいいお嬢さんらしい」
「あは…お父さんとお母さんにはまだ内緒ね!」
「はい…そうだ、今度の試合なんですけど、僕と賭けをしてもらませんか?」
そして誤解が解けてもやっぱり小梅の野球を認めてくれた三郎さん。理解ある旦那でよかったのう
しかしその時、今度は三郎さんも朝香中との試合で賭けがしたいと言い出しました。なんだか分かりませんが、
今までニコニコ喋っていたのがちょっと神妙な表情に…それだけマジメな話なんでしょうかね
「もしお嬢さんが勝ったら…」
「勝ったら?」
「こ…小梅さんと呼んでもいいですか!?」
「えっ…!」
こ、これは!要は形式だけの許婚じゃなくて本物の恋人同士になりたいということか!言うなあ三郎さん
そんな三郎さんのプロポーズ的な言葉を受けた小梅は、真っ赤になりながら恥ずかしそうにぼそぼそ答えます
「さ、三郎さんの意地悪…私に負ける気がないこと知ってるくせに」
「賭けになりませんか…?」
「ううん…その勝負、受けた!!」
勝って三郎さんと添い遂げる!!三郎さんと真のカップルになるために、今度の試合での勝利を誓う小梅!
いやはやこいつは試合が終わった後のラブラブ展開に期待が高まるってもんですね
ところで以前岩崎と高原が小梅家に押しかけてきた時に、「三郎さんは『小梅さん』って呼んでるのに親父は怒ってないよねー」とか
見当外れな感想を書いてましたがスマンありゃウソだった:;y=_ト ̄|○・∵. ターン
次回に続く!
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