テイルズオブレジェンディア
レビュー 結論から言うと、神ゲーとクソゲーが同居してしまったような感じでした。 ゲーム中同じ調子で進んでいくのでなく、良い場面と悪い場面がデコボコになってるような印象。 良い場面は本当に気に入ってるだけに、悪い場面があるのが非常にもったいない… なので、好きなゲームなのに他人になかなか勧めることができません(´・ω・`) |
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・ストーリー とにかく序盤が辛いです。 まずゲームスタート時に主人公を取り巻く状況がさっぱり分からない。 主人公の小船が巨大な船にぶつかったと思ったら、あれ?陸地にぶつかったの?遺跡船?え?とプレイヤーは何がなんだか。 シンフォニアの時もディザイアンやらエクスフィアやら、専門用語連発でわけの分からないスタートでしたが、 もう少し理解しやすい始まりにはできないものか… ゲームを始めてしばらくは主人公の身勝手さが目につきます。ふた言目には「あんたらには関係ないだろ!」と 他人の話を聞かずにやりたいほーだい、これにはもういい加減にしてくれ…とウンザリです。 クロエ・ノーマ・モーゼスが参加してからは、パーティの雰囲気が大分まともになってくるので、 それまではまだゲームは始まってないんだと自分に言い聞かせたほうがいいかも。 中盤になるとそんなワガママ主人公も何度か挫折を経験し、 しだいに性格もまともになってくるので安心してプレイできますが、 終盤のクライマックスでは話のまとめ方がグダグダに…こんな終わり方しかなかったんだろうかと気が抜けてしまいます しかし、はっきり言ってこのゲームは本編をクリアしてからが勝負です。 クリア後はキャラクタークエストというシナリオに入ることになり、 これはオマケシナリオみたいな名前ですがそうではなく、要するに本編後の第二部のことです。 本編はセネルが主役のストーリーなのに対して、キャラクエは仲間たちが主役のストーリーになっており、 そのボリュームは本編と同じかそれ以上。 キャラクタークエストでは、本編のシナリオは一体なんだったんだと思うくらい話の質が高いです。 ウィル、ノーマ、クロエ、モーゼス、ジェイ、グリューネと各キャラに焦点を当てながら話を進めて行くわけなんですが、 特に最初のウィル編は至高。このシナリオだけは私も絶賛です。諸手を揚げて絶賛です。 当時の私は、ウィル編のプレイ前に某掲示板で「とにかく泣ける」という話を聞いていたので、 「やれやれ、テイルズで泣けるなんて幸せな連中だぜ」と半分バカにしながら 心の準備もきっちりした上でプレイしてみたんですが、ウィル編が終わった瞬間はもう 号泣につぐ大号泣。 完膚なきまでにメッタクソのボロクソに泣かされました。涙が止まらなくてティッシュ箱をあさったなんて生まれて初めてですよ! 正直、ゲームや漫画等の二次元でこれほどボロボロにされる日はもう二度と来ないでしょう。 他のノーマ編、モーゼス編、ジェイ編、グリューネ編もグッと来るシーンが必ず用意されているので必見です。 クロエ編は…まあ…:;y=_ト ̄|○・∵. ターン |
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・戦闘 これも序盤が辛いです。難易度が高いわけではなく、 最初のうちは主人公がロクな特技を覚えないので、必然的に通常攻撃の繰り返しになって戦闘が単調でつまらない。 それと主人公の勝ちポーズもなんだこりゃ、という感じ。ラジオ体操みたいな勝ちポーズされても困るよ…('A`) ただし、終盤になると強力な技を習得するので戦闘も面白くなってきます。 竜凰天駆をからめれば空中コンボなどもできるので、今までのテイルズよりハデに上下に飛び回る戦闘が新鮮でした。 それと前作のリバースからそうですが、戦闘後の掛け合い勝利の種類が豊富なのも好印象。 私はパーティ変更なんて他のゲームでは面倒くさくてとてもやらないんですが、 この掛け合い勝利が見たくて、レジェンディアではどのキャラもまんべんなく使用していました。 ただ、全体的にダンジョンの広さは異常。 例えば、ダンジョンの途中でボスへの道と宝箱への道と分かれている時に、 宝箱への道を選んでも全然宝まで辿り着きません。一体どれだけ走れば宝が見えてくるんだよ! リレミトみたいな脱出方法もないので、ダンジョンから早く帰るにはとにかくホーリィボトルで走るだけです。 |
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・BGM やはり最初のうちが辛い… まずは戦闘の音楽。はっきり言って盛り上がりに欠けます。戦闘なんだからもう少し激しくてもいいのに… それと最初に動けるフィールドの音楽。('A`)ウィ〜ウィアウェアウィ〜とかこのセンスは理解不能。 正直どんな電波ゲーだよ、とコントローラー投げそうになりました。 ただし中盤以降からは、かなり質の高いBGMが用意されています。 特に『今宵もよい夢を』 『勝利を求めて』 『引けない思い』あたりは何度もサウンドテストで聴き直しました。 |
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・キャラクター まず全体的に声優の演技にかなり力が入ってます。どれもよく知っている声優でしたが、 「え、この人こんな上手かったっけ?」と思わされる場面が多々ありました。 他のゲームみたいに一人ずつ声を録ったのではなく、数人まとめて録ったそうですがそのせいかな? 特にノーマ(水橋かおり)とモーゼス(中井和哉)の2人はよくぞここまでと拍手したいくらい。 キャラの印象も、声のおかげでかなりプラスに働いてる部分があると思います。 ・セネル(主人公) シスコン、他人の話を聞かない、声が鈴村健一、劇中にステラというキャラが登場するので「ステラァァーーー!!」が聞けたりと どう考えても某ガンダムのシン・アスカを狙ったとしか思えないキャラクター。 最初のうちは妹(シャーリィ)が無事なら他人も世界もどうでもいい、という感じの協調性ゼロな性格ですが 人々の信用を得られずに様々な挫折を繰り返し、最終的にはまっとうな主人公っぽい性格になります。 ・シャーリィ セネルの妹。てっきりファンタジアで言うミントのように、最初から戦闘に参加する回復キャラかと思っていたら ゲーム開始と同時にさらわれて、いつまで経ってもパーティに合流できません。 最終的にはパーティの一員となるわけですが、すでにこれまで何度もぶつかり合って絆を深めてきた仲間達の中に ぽーんと放り込まれても、なんだか一人だけ浮いているように思えます。 例えて言うなら卒業式間近の高校3年のクラスにいきなり転校してきたようなもの。 そのせいで、シャーリィが友情めいたことを仲間に言っても、プレイヤーにはうすら寒いものに聞こえてしまうということに… ・ウィル パーティのまとめ役。意外性の少ないキャラなので、最初のうちは「なんだ、つまらんキャラだな」と思いがちですが 終盤になると非常に熱い台詞が飛び出してきます。 そしてキャラクタークエストでは、人間的魅力をまざまざと見せ付けて凄い勢いでウィル株が急上昇。 ウィル編のキャラクエを終えてからは、気づかないうちにウィルの動きを目で追うようになってしまいます。 ・クロエ 一見マジメな女騎士。中身は相当な天然なので、仲間になってからしばらくは可愛らしいボケの連発でパーティの和ませ役に。 しかし、ストーリーが進むと天然度がどんどん薄くなり、それと同時に魅力もどんどん薄くなっていく哀れなキャラクター。 最初のままだったら良かったのに… ・ノーマ パーティのムードメーカー。すっとぼけた発言を連発するので、ノーマが入ってくると会話の雰囲気がだいぶ柔らかくなる。 文章だけ見ているとただのパーにも見えてしまうが、水橋かおりの演技のおかげでちょうどいい味付けになっている。 正直水橋かおりがここまで演技のできる人とは思ってなかっ:;y=_ト ̄|○・∵. ターン ・モーゼス ギャグ、シリアス両方で盛り上げてくれる貴重なキャラ。私も最初のうちは「よくいるおバカさんキャラか、はいはい」としか 思ってませんでしたが、どっこいただのバカでは終わらない熱すぎるキャラクター。 VSカッシェル、VSソロン、キャラクエモーゼス編では熱すぎて脳みそが爆発しそうでした。 ゲームを進めれば進めるほど愛着の湧いてくるキャラクター。私は今ではたぶん一番好きかも。 ・ジェイ、グリューネ 特に語ることはないかな…嫌いではないんですけど |
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まあ不満点をあげればキリがないんですが、私としてはそんなことよりウィル編が最高だった というのが最終的な感想です。ウィル編のおかげで私にとっては一生忘れられないゲームになるでしょう。 非常に長いゲームなのでクリアするまで時間がかかりますが、 一度手をつけたなら、途中どんなにつまらなくてもウィル編までやってみましょう。 ウィル編がつまらないと思った人には、もうごめんなさいとしか:;y=_ト ̄|○・∵. ターン |
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個人評価:74点 |