■長髪ルーク編・その3■

・バチカル港に到着
ゴールドバーグ「皆様のことは、このセシル少将が責任をもってお連れいたします」
セシル「セシル少将であります。よろしくお願い致します」

(逃げ腰になるガイ)
セシル「…?どうかしましたか?」
ガイ「お…いや私は…ガイと言います。ルーク様の使用人です」
ティア「ローレライ教団オラクル騎士団情報部第一小隊所属、ティア・グランツ響長であります」
アニス「ローレライ教団オラクル騎士団フォンマスターガーディアン所属、アニス・タトリン奏長です」
ジェイド「マルクト帝国軍第三師団師団長、ジェイド・カーティス大佐です。陛下の名代として参りました」
セシル「!! 貴公があのジェイド・カーティス…」
ジェイド「ケセドニア北部の戦いでは、セシル将軍に痛い思いをさせられました」
セシル「ご冗談を…私の軍はほぼ壊滅でした」
ゴールドバーグ「皇帝の懐刀と名高い大佐が名代として来られるとは…なるほど、マルクトも本気というわけですか」
・バチカルに到着
ノワール「へぇ〜、そちらのおぼっちゃまが導師イオンかい」
アニス「何なんですか、おばさん!」
ノワール「つるぺたのおチビは黙っといで!楽しみにしといで、坊やたち 行くよ!」
ヨーク「へいっ!」

アニス「何なのあいつら!サーカス団みたいなカッコして!」
ガイ「そういやあいつら、どことなくサーカス団の『暗闇の夢』に似てるな。昔一度見たきりだから自信はないが…」
ルーク「なんだよ!おまえ俺に内緒でサーカスなんか見に行ってたのかよ」
ガイ「あ、ああ、悪い悪い…」
・バチカル、謁見の間にて
兵士「ただいま大詠師モースが陛下に謁見中です。しばらくお待ちください」
ルーク「モースってのは戦争を起こそうとしてるんだろ?伯父上に変なことを吹き込まれる前に入ろうぜ!」
兵士「おやめ下さい!」
ルーク「俺はファブレ公爵家のルークだ!邪魔をするならお前をクビにするよう申し入れるぞ!」
イオン「ルーク、いいのでしょうかこんな強引に…」
ルーク「いいんだよ」

モース「マルクト帝国は首都グランコクマの防衛を強化しております。エンゲーブを補給拠点としてセントビナーまで…」
アルバイン「無礼者!誰の許しを得て謁見の間に…」

ルーク「うるせぇ、黙ってろ!」
インゴベルト「そのほうは…ルークか?シュザンヌの息子の…!」
ルーク「そうです、伯父上」
インゴベルト「そうか!話は聞いている、よくマルクトから無事に戻ってくれた。すると横にいるのが…」
ルーク「ローレライ教団の導師イオンと、マルクト軍のジェイドです」
イオン「ご無沙汰しております陛下。イオンにございます」
モース「導師イオン…!?お、お探ししておりましたぞ」
イオン「モース、話は後にしましょう。陛下、こちらがピオニー九世陛下の名代、ジェイド・カーティス大佐です」

ジェイド「御前を失礼致します。我が君主より、偉大なるインゴベルト六世陛下に親書を預かって参りました」
ルーク「伯父上、モースが言ってることはでたらめだからな。俺はこの目でマルクトを見てきた。
     首都には近づけなかったけど、エンゲーブやセントビナーは平和なもんだったぜ」
モース「な、何を言うか!私はマルクトの脅威を陛下に…」
ルーク「うるせっ!戦争起こそうとしてやがるんだろうが!おまえマジうぜーんだよ!」
インゴベルト「ルーク、落ち着け。こうして親書が届けられたのだ、私とてそれを無視はせぬ。
        皆の者、長旅ご苦労であった。まずはゆっくりと旅の疲れを癒されよ」
・バチカル、城のメイドの部屋にて
ティア「…」
メイド「あ、あの…私に何か?」
ティア「(赤面)ち、違うわ!ただ可愛い制服だなって…べ、別に着てみたいわけじゃないの!に、似合わないし、私っ!」
アニス「へー、ティアって案外カワイイもの好き?」
ティア「違うわ!違うの!だって似合わないもの!だから違うの…」
メイド「あら、きっとお似合いだと思いますわ」
ガイ「俺もそう思う」
ティア「え!?」
ルーク「まあ、そうかもな。黙ってりゃ大人しそうだし」
ティア「…」
・バチカル、ルーク邸にて
メイド「ルーク様、お帰りなさいませ!ガイもお帰りなさい!」
ガイ「…あ、ああ。ん?泣いてたのか…?目が赤いぞ」
メイド「え?ああ、ルーク様がやっと戻ってくださったから、つい嬉しくって…。ガイったら相変わらず優しいわね」
ガイ「だ、だから近づくなって!!」
メイド「ガイったら、素でキザなのよね」
・バチカル、ルーク邸にて
ラムダス「お帰りなさいませ、おぼっちゃま」
ルーク「ああ」
ラムダス「ところでその動物…は?」
ルーク「チーグルだよ」
ラムダス「ああ、ローレライ教団の聖獣…」
ミュウ「ミュウですの!よろしくですの!」
ラムダス「しゃべ…っ!コホン。よろしくお願いします、ミュウ…様」
ルーク「俺に押し付けられた。ペットみたいなモンだ」
ラムダス「は…。左様でございますか…」
・バチカル、ナタリア登場
ナタリア「ルーク!」
ルーク「げ…」
ナタリア「まあ、何ですのその態度は!わたくしがどんなに心配していたか…」
ガイ「いや、まあ、ナタリア様…ルーク様は照れてるんですよ」
ナタリア「ガイ、あなたもあなたですわ!ルークを探しに行く前に、わたくしの所へ寄るようにと伝えていたでしょう?
      どうして黙って行ったのです!」
(ガイに詰め寄るナタリア)
ガイ「お、お、俺みたいな使用人が城に行けるわけないでしょう!」
ナタリア「何故逃げるの!」
ガイ「ご存知でしょう!?」
ナタリア「わたくしがルークと結婚したら、お前はわたくしの使用人になるのですよ。少しは慣れなさい!」
ガイ「む…無理です〜〜っ!!」
ナタリア「おかしな人…こんなに情けないのに、何故メイドたちはガイがお気に入りなのかしら…」
・バチカル、ナタリアと会話後
ティア「ナタリア様って綺麗な人…可愛いドレスも似合うし…」
ルーク「そうかぁ?ぎゃあぎゃあうるせーだけだよ」

ガイ「それに、ティアだって綺麗じゃないか」
ティア「(赤面)あっ…ありがとう…」
(ガイの方を向くティア、途端におびえるガイ)
ティア「ご、ごめんなさい。うっかりしてたわ」

ガイ「いや、こっちこそ…スマン」
ルーク「おまえさ、さらっとそういうこと言うから女に惚れられるんだよ」
ガイ「思ったことを言っただけなんだがなぁ…」
・バチカル、ペールと会話
ペール「何かご用ですか?」
ジェイド「私はジェイドと申します。失礼ですが…どこかでお会いした事がありませんか?」
ペール「!! き、記憶にありませんな…」
ジェイド「そうですか…」
・バチカル、みんなと別れた後ガイの部屋で
ガイ「おまえを探しに行ってる間に仕事がたまってたよ…こうなるとかったるいなー」
・バチカルに到着して次の日、謁見の間で
ファブレ公爵「陛下は、ありがたくもお前をキムラスカ・ランバルディア王国の親善大使として任命されたのだ」
ルーク「俺ぇ!?嫌だよ、もう戦ったりすんのはごめんだ!」
インゴベルト「ナタリアからヴァンの話を聞いた、ヴァンが犯人であるかどうか我々も計りかねている。
        そこでだ、お前が親善大使としてアクゼリュスへ行ってくれれば、ヴァンを解放し協力させよう」

ルーク「ヴァン師匠は捕まってるのか!?」
ナタリア「城の地下に捕らえられているわ」
ルーク「…わかった。師匠を解放してくれるんなら…」
ジェイド「ヴァン謡将が関わると、聞き分けがいいですね」
ルーク「…うるせぇ」
・スキット77、「素敵なお屋敷」
アニス「ルーク様のお屋敷、すごいじゃないですかぁ!こんな素敵な所にあってぇ〜」
ルーク「そうか?俺はこんな高い場所にあるなんて知らなかったからな」
アニス「場所もそうですけど〜、建物も立派じゃないですかぁ〜!」
ルーク「普通だろ、こんなの」
アニス「あ〜ん!もう、ご謙遜してぇでもそういうところも素敵ですぅ、アニスもこんなお家に住んでみたいな〜?
ミュウ「ミュウはチーグルの森がいいですの、チーグルの森のほうが素敵ですの〜!」
ルーク「だーもう勝手に話に入ってくんな、このブタザル!」
ミュウ「みゅう…」
アニス「ちっ、邪魔しやがって…」
・バチカルからアクゼリュスへ
ヴァン「では私は港へ行く。ティア、ルークを頼むぞ」
ジェイド「こちらは少人数の方が目立たなくてすみます、これ以上同行者を増やさないようにしましょう。
     話を通しておきますので、街の出口で待っていてください」

ルーク「で、残ったのが冷血女と女嫌いか…」

ガイ「誤解を招く言い方するな!女性は大好きだ!」
ティア「女好きだと声高に言うのもどうかしら…」
ガイ「そうじゃないっ!そうじゃなくて!」
ティア「さあ、行きましょう」
ガイ「人の話を聞け〜っ!!」
・バチカル港にて
一般人「兄の仇!」
(ジェイドに襲いかかる一般人。ジェイドが槍で攻撃をいなし、ティアが一般人をおさえつける)
ルーク「おまえ!どういうつもりだ!」
一般人「港で話を聞いていた…!お、おまえがネクロマンサージェイドだな!兄の仇だ!」
ガイ「話を聞いていたならわかってるだろう、こちらの方々は和平の使者としておいでだ!」
一般人「…わかってる。だけど兄さんは死体すら見つからなかった、ネクロマンサーが持ち帰って
     皇帝のために不死の実験に使ったんだ!」
兵士「た、大変失礼致しました!すぐにこの男を連行します!」

ルーク「なんだあいつ、馬鹿じゃねえの?」
ガイ「ルーク…そんな言い方はやめろ。あの人のしたことは許されることじゃないが、馬鹿にしていいことでもないだろう」
ルーク「ふん、そんなもんかねえ。それよりジェイド、前から聞きたかったことがあるんだけど」

ジェイド「…なんですか?」
ルーク「お前の槍って何もないところから突然出てくるよな。どうなってるんだ?」
ジェイド「コンタミネーション現象を利用した融合術です」
ルーク「こんたみ…?」
ティア「コンタミネーション現象。物質同士がフォニムと元素に分離して融合する現象よ」
ガイ「ああ、合成なんかに使われる物質の融合性質か」
ジェイド「ええ、生物と無機物とではフォニムはもとより構成元素も違います。その違いを利用して
     右腕の表層部分に一時的に槍を融合させて、しまっておくんです」
ルーク「へぇ、それで必要な時に取り出すのか。便利だな」
ティア「自分もやりたいなんて言い出さないで。普通は拒絶反応が出て、精神崩壊を起こしかねないんだから」
ガイ「そうだな、このおっさんだから出来てるんだろうよ」
ジェイド「はい。使いこなせるように努力するうちにおっさんになってしまいました、はっはっはっ。さあ、行きましょうか」

ガイ「なあ、さっきの奴が言ってた噂…」
ティア「そうね、軍人達の間では有名な話よ。戦場で死体を回収して死者を甦らせようとしているって」
アニス「マルクト軍の第三師団は、死人の軍だって噂があったぐらいだもんね。実際会ってみたら違ってたけど」
ガイ「…死者を、ねえ…」
・バチカル廃工場、ナタリア参入
ルーク「ナタリアに来てもらうことにした」
ナタリア「よろしくお願いしますわ」
ティア「ルーク…見損なったわ」
ルーク「う…うるせーなっ!とにかく親善大使は俺だ!俺のいうことは絶対だ!いいな!」
・スキット79、「お姫様のお守り」
ナタリア「早くここを抜けてしまいましょう!」
ガイ(小声)「なあルーク!いいのか?このまま連れていっちまっても…」
ルーク(小声)「しょうがねえだろ?ここでうだうだしててもしょうがねーしよ…」
ジェイド(小声)「お守り役は大変でしょうねえ、同情します」
ガイ(小声)「あんたはお守りしないって口ぶりだなぁ…」
ジェイド「あっはっはっはっはっは!」
ジェイド(小声)「当然じゃないですか。謹んで辞退しますよ」
ナタリア「何をこそこそやっているんですの?殿方ならこそこそせずに堂々となさい、それが紳士のたしなみではなくて?」
ジェイド「おや、怒られてしまいました。はっはっはっはっは!」
・バチカル廃工場、アッシュとの対決
ルーク「イオンを返せぇぇーーっ!!」
アッシュ「…お前かぁっ!」
(斬り合うルークとアッシュ)
イオン「アッシュ!今はイオンが優先だ」
アッシュ「分かってる。いいご身分だな!ちゃらちゃら女を引き連れやがって!」
・砂漠のオアシスにて
アッシュ(応えろ!グズ!)
ルーク「誰だ…おまえは…」
アッシュ(わかってるだろうよ、そっくりさん)
ルーク「おまえ、アッシュか…!?」
アッシュ(どこをほっつき歩いてんだ、アホが。イオンがどうなっても知らないぜ)
ルーク「おまえ…っ!う、一体どこに…」
アッシュ(ザオ遺跡…おまえには来られないだろうな。グズのお坊っちゃん)
・スキット89、「アクゼリュスへ急ごう」
ルーク「アクゼリュスは大丈夫かな?」
ナタリア「救助活動が必要なぐらいですもの…」
ジェイド「今しばらくは保つでしょう、救援物資は届いているはずです。
     まあ安全な所まで避難しないと、根本の解決にはなりませんが」
ルーク「…ちっと急ぐか。これ以上師匠を待たせるわけにはいかないからな」
ジェイド「私たちはアクゼリュス救援のための使節団なのですよ?」
ルーク「いちいち口出しするな、俺が親善大使なんだぞ!」
ジェイド「これはこれは失礼しました。親善大使殿」

ルーク「フン!」
・ザオ遺跡、フォニムの集まる場所にて
ミュウ「族長が言ってたですの!フォニムを染み込ませるとリングが強力になるですの!」
ルーク「ふーん、強力にねえ…」
アニス「で、実際どんな感じ?」
ミュウ「みゅうううぅぅ!力がみなぎってくる!…ような、そうでないような感じですの」
ルーク「なんだそりゃ…くだらねぇ」
ミュウ「みゅ、みゅ、みゅ、みゅ、みゅう!力が…みーなーぎーるーでーすーのー!!」
(近くの岩を壊すミュウ)
ミュウ「すごいですの、何でも壊せそうですの!」
ティア「ソーサラーリングが強力になったことで、装備者のミュウが新たな力を得たということかしら?」
ジェイド「ミュウ、ソーサラーリングを見せてください」
ミュウ「はいですの」
ジェイド「なるほど…」
ガイ「どうした?」
ジェイド「おそらく結晶体となったフォニムがリングを削ったのでしょう。文字が刻まれています」
ガイ「文字?なんて刻まれてるんだ」
ジェイド「譜ですね…これが新たな力となっているようです」

ルーク「そのリング、前からなんか書いてあったよな?」
ティア「多分それは、今までミュウが使っていたフィフスフォニムの力よ。今回新たに譜が刻まれたことで、新しい譜術を得たのね」
ミュウ「新しい力ですのー!」
ルーク「うぜっつーの、このブタザル!」
ジェイド「このリングを見ると、もう一つぐらい譜が刻めそうですね」
アニス「へぇ〜…じゃ、またフォニムが集まるところを見つけたら試してみるしか!」
ミュウ「ボク、がんばってもっともっとお役にたつですの!」
・ザオ遺跡、シンク・ラルゴ戦後
シンク「くっ…」
ラルゴ「ぬぅっ…!」

アッシュ「二人がかりで何やってんだ、屑!」
(斬り合うアッシュとルーク。同時に双牙斬を撃つ)
ルーク「今の…!?今のはヴァン師匠の技だ! どうしてそれをおまえが使えるんだ!」
アッシュ「決まってるだろうが!同じ流派だからだよ、ボケがっ!俺は…」
シンク「アッシュ!やめろ!ほっとくとアンタはやりすぎる。剣を収めてよ、さあ!」
・デオ峠に到着
ルーク「ちぇっ、師匠には追いつけなさそうだな…砂漠で寄り道なんかしなけりゃよかった」
アニス「寄り道ってどういう意味!……ですか」
ルーク「寄り道は寄り道だろ。今はイオンがいなくても、俺がいれば戦争は起きねーんだし」
アニス「あんた…バカ…?」
ルーク「バ、バカだと!?」
ティア「ルーク。私も今のは思い上がった発言だと思うわ」
ナタリア「この平和はお父様とマルクトの皇帝が、導師に敬意を払っているから成り立っていますのよ。
      イオンがいなくなれば、調停役が存在しなくなりますわ」

イオン「いえ…両国とも僕に敬意を持っているわけじゃない、ユリアの遺したスコアが欲しいだけです。
     本当は、僕なんて必要ないんですよ」

ガイ「そんな考え方には賛成できないな、イオンには抑止力があるんだ。それがユリアのスコアのおかげでもね」
ジェイド「なるほどなるほど、みなさん若いですね〜。じゃ、そろそろ行きましょう」
ガイ「この状況でよくあーいうセリフが出るよな…食えないおっさんだぜ」
ガイ(しかしルークお坊ちゃんよ、さっきのはかなりマズかったな…)
・デオ峠、山道の途中で
イオン「はぁ……はぁ、はぁ」
アニス「イオン様!」
ティア「大丈夫ですか!?少し休みましょうか」
イオン「いえ…僕は、大丈夫です」
アニス「駄目ですよぅ!みんな、ちょっと休憩!」
ルーク「休むぅ?何言ってんだよ、師匠が先に行ってんだぞ!」
ナタリア「ルーク!よろしいではありませんか!」
ガイ「そうだぜ、キツイ山道だし仕方ないだろう」
ルーク「親善大使は俺なんだぞ!俺が行くって言えば行くんだよ!」
アニス「あ…アンタねえ!!」
ジェイド「では少し休みましょう。イオン様、よろしいですね?」
ルーク「おい!」
イオン「ルーク、すみません…僕のせいで」
ルーク「…ちぇっ。わかったよ、少しだけだぞ」
イオン「ありがとうございます」

ティア「ルーク。何を焦っているのか知らないけど、そういう態度はやめた方がいいわ」
ルーク「んだよ…何がだよ」
ティア「…もういいわ」
ルーク「…何なんだよ!くそっ!」
・デオ峠、リグレットとの戦闘後
リグレット「ティア…その出来損ないの傍から離れなさい!」
ルーク「出来損ないって俺のことか!」
ジェイド「…そうか、やはりお前たちか!禁忌の技術を復活させたのは!」
イオン「ジェイド、いけません!知らなければいいことも世の中にはある」
ジェイド「イオン様…ご存知だったのか!」
ルーク「な…なんだよ?俺を置いてけぼりにして話を進めるな!何を言ってんだ、俺に関係あることなんだろ!?」
ジェイド「…誰の発案だ。ディストか?」

リグレット「フォミクリーのことか?知ってどうなる、采は投げられたのだ。ネクロマンサージェイド!」
(閃光とともに姿を消すリグレット)
ジェイド「…くっ。冗談ではない!!」
アニス「大佐…。珍しく本気で怒ってますね…」
ジェイド「――失礼、取り乱しました。もう…大丈夫です。アクゼリュスへ急ぎましょう」
ルーク「ふざけんな!俺だけ置いてけぼりにしやがって、何がなんだか分かんねーじゃんか!」
ミュウ「ご主人様、怒っちゃ駄目ですの…」
ルーク「どいつもこいつも俺をバカにして、ないがしろにして!俺は親善大使なんだぞ!」
ミュウ「ご主人様…」
ルーク「師匠だけだ…。俺のこと分かってくれるのは師匠だけだ…!」
・アクゼリュスに到着
ルーク「こ…これは…」
ジェイド「想像以上ですね…」
ルーク「お、おい、ナタリア。汚ねぇからやめろよ、伝染るかもしれないぞ」
ナタリア「…何が汚いの?何が伝染るの!馬鹿なこと仰らないで!…大丈夫ですか?」
・スキット109、「今、自分にできる事」
ルーク「…」
ガイ「ルーク。俺たちまで元気がなくなっちまったら、街のみんなが不安になるぜ。しっかりしようや」
ルーク「元気にったって、親善大使の俺がここでやることなんて何もねーじゃん」
ガイ「おいおいやることは山ほどあるだろう、病人を運んだり荷物を運んだり…」
ルーク「だから、どうして俺がそんなことしなきゃいけねーんだよ」
ガイ「ルーク…」
ルーク「な、なんだよ」
ガイ「おまえ……本当に、本当にそう思うのか?もう少しちゃんと考えてみろ…!」
ルーク「まったく、1人ずつ助けてもラチがあかねーじゃんか。俺の超振動なら瘴気を一気に消せるんだ、
     さてと…ますは師匠を探さねーとな」
・アクゼリュス崩落後、タルタロスにて
ルーク「お、俺は知らないぞ!俺はただ瘴気を中和しようとしただけだ!
     あの場所で超振動を起こせば、瘴気が消えるって言われて…」
ティア「あなたは兄に騙されたのよ。そして、アクゼリュスを支える柱を消してしまった」
ルーク「そんな!そんなはずは…」
イオン「…ヴァンはあなたに、パッセージリングの傍へ行くよう命じましたよね。柱はパッセージリングが作り出している…
     だからティアの言う通りでしょう。僕が迂闊でした、ヴァンがルークにそんなことをさせようとしていたなんて…」

ジェイド「…せめてルークには事前に相談して欲しかったですね
     仮に瘴気を中和する事が可能だったとしても、住民を避難させてからでよかった筈ですし。
     …今となっては言っても仕方のないことかもしれませんが」
ナタリア「そうですわね、アクゼリュスは…消滅しましたわ。何千という人間が、一瞬で…」
ルーク「お、俺が悪いってのか…?俺は…俺は悪くねえぞ、だって師匠が言ったんだ…そうだ、師匠がやれって!
     こんなことになるなんて知らなかった!誰も教えてくんなかっただろっ!俺は悪くねぇっ!俺は悪くねぇっ!」

ティア「…大佐?」
ジェイド「…ブリッジに戻ります。ここにいると、馬鹿な発言に苛々させられる」

ルーク「なんだよ!俺はアクゼリュスを助けようとしたんだぞ!」
ナタリア「変わってしまいましたのね…記憶を失ってからのあなたは、まるで別人ですわ…」
ルーク「お、おまえらだって何もできなかったじゃないか!俺ばっか責めるな!」
イオン「あなたの言うとおりです、僕は無力だ。だけど…」
アニス「イオン様!こんなサイテーな奴、ほっといた方がいいです」
ルーク「わ、悪いのは師匠だ!俺は悪くないぞ!なあガイ、そうだろ」
ガイ「ルーク…あんまり幻滅させないでくれ…」
ティア「少しはいいところもあるって思ってたのに…私が馬鹿だった」
ルーク「…ど、どうしてだよ!どうしてみんな俺を責めるんだ!」
ミュウ「ご主人様…元気出してですの」
ルーク「だ、だまれ!おまえに何がわかる!」
ミュウ「ボクも…ボクのせいで仲間たくさん死んでしまったから…だからご主人様の気持ち、わかるですの…」
ルーク「おまえなんかと一緒にするな!おまえなんかと…うぅ…」
・ユリアシティに到着
ティア「…いつまでそうしているの?みんな市長の家に行ったわよ」
ルーク「どうせみんな、俺を責めるばっかなんだ…行きたくねぇ」
アッシュ「とことん屑だな!出来損ない!」
ルーク「…お、お前!?どうしてお前がここにいる!師匠はどうした!」
アッシュ「はっ!裏切られてもまだ『師匠』か」
ルーク「…裏切った…?じゃあ本当に師匠は俺にアクゼリュスを…」
アッシュ「くそっ!俺がもっと早くヴァンの企みに気づいていれば…こんなことにはっ!お前もお前だ!
     何故深く考えもしないで、超振動を使った!」
ルーク「お、お前まで俺が悪いって言うのか!」
アッシュ「悪いに決まってるだろうが!ふざけたことを言うな!」
ルーク「俺は悪くねぇっ!俺は悪くねぇっ!俺は…!」
アッシュ「冗談じゃねぇっ!レプリカってのは脳みそまで劣化してるのか!?」
ルーク「レプリカ…?そういえば師匠もレプリカって…」
アッシュ「…お前、まだ気づいてなかったのか!はっ、こいつはお笑い種だな!」
ルーク「な、なんだ…何なんだよ!」
アッシュ「教えてやるよ、『ルーク』」
ティア「アッシュ!やめて!」
アッシュ「…俺とお前、どうして同じ顔してると思う?」
ルーク「…し、知るかよ」
アッシュ「俺はバチカル生まれの貴族なんだ…七年前に、ヴァンて悪党に誘拐されたんだよ」
ルーク「…ま…さか…」
アッシュ「そうだよ!お前は俺の劣化複写人間だ、ただのレプリカなんだよ!」
ルーク「う…嘘だ…!嘘だ嘘だ嘘だっ!」
アッシュ「…やるのか?レプリカ」
ルーク「嘘をつくなぁぁぁっ!!」
・ユリアシティ、ティアの部屋で寝込むルーク
ミュウ「ボクのご主人様はルーク様だけですの、ボクはずっとここにいるですの」
ルーク(ミュウ…)

 









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