■断髪ルーク編・その2■
・アスターの屋敷、ケセドニアの崩落の話
ルーク「くそ、どうする?今からでもセフィロトツリーを復活させれば…」
ジェイド「いえ、それは無理だとテオドーロさんも言っていました。ですが…」
アニス「大佐、何か考えがあるんですか?」
ジェイド「いえ、ツリーは再生できなくても、セフィロトが吹き上げる力はまだ生きているはずです。
それを利用して、昇降機のように降ろすことはできないかと」
ティア「パッセージリングを操作できるでしょうか…」
ジェイド「こればかりは分かりません」
ルーク「行くだけ行ってみよう、このままだと崩落を待つだけだろ」
アスター「お話が見えないのですが…」
ルーク「ケセドニアの崩落を防ぐ方法があるかもしれないんだ」
アスター「どういうことです?」
ガイ「実は…」
アスター「魔界ですか…にわかには信じがたい話です。しかしどのみち、私たちにはあなた方を信じるより他に方法はない…
住民への通達はお任せください。ケセドニアをお願いします」・スキット210、「それぞれの悩み」
(イオンにフォンマスターガーディアンを解任されたこと、王女じゃないと言われたこと、ヴァンのことで悩む三人)
「……」「……」「……」
ガイ「やれやれ。みんな考え込んじまってるな」
「だってイオン様が…」「わたくし…どうしたらいいのか…」「兄さんは何を考えているのか…」
ガイ「そうだなぁ、イオンはイオンなりの考えがあってモースのところに行った。
信じてやるべきさ。それがアニスの仕事でもあるんじゃないか?」
アニス「うん…」
ガイ「ナタリアのことは、まだ何も確証が得られていない。
それに真実が何であれ、俺はキミがしてきたことこそが王女の証だと思うよ」
ナタリア「ガイ…」
ガイ「ヴァンの思惑は確かによく分からないな。イオンを誘拐してダアト式封咒を解放していたのも、
外殻の崩落が目的なんだとしたら、ケセドニアだけが危険なわけじゃない」
ティア「ええ…兄さんはまさか…全世界を…」
ガイ「三人の悩みは、今結論の出ることじゃない。真実はいずれ分かる。今できる最善の事はなにかと言うと…」
アニス「…休むこと?」
ガイ「そうさ、悲しい顔ばかりしていると悲しいことしか起きないんだ。今はゆっくりお休み、よい夢を」
ナタリア「…あれで女性が苦手なのですから、詐欺のようなものですわね」
ティア「ふふ…そうね、でもガイの言う通りだわ」
アニス「そうだね、ゆっくり休も」・ザオ遺跡のパッセージリング、ケセドニアを無事に降下させて
ティア「…」
ルーク「ティア。んな顔しなくても俺、もう暴走しねーって」
ティア「ううん、そうじゃないんだけど…」
アニス「きっと疲れたんだよ、なんだかんだで降下に丸一日以上かかってるもん」
(突然その場に倒れるティア。しかし硬直してしまって動けないガイ)
ルーク「おい、大丈夫か!?」
ティア「ごめんなさい、大丈夫よ」
ガイ「…」
ティア「体調管理も出来ないなんて、兵士として失格ね」
ナタリア「兵士とかそんなことを気にするより、もっと体の心配をなさい。本当によろしいんですの?」
ティア「あ、ありがとう。でも本当に平気よ」
ジェイド「それなら外に出ましょう、魔界に辿り着いているのか確認したほうがいいですから」
(バツが悪そうに頭をかくガイ)
ジェイド「…弊害が出ていると考えるなら、原因を探った方がいいですよ」
ガイ「えっ?ああ…そうだな…」・バチカル、インゴベルトの説得
ナタリア「お父様…いえ、陛下。わたくしを罪人とおっしゃるならそれもいいでしょう。
ですが、どうかこれ以上マルクトと争うのはおやめください」
イオン「あなた方がどのような思惑でアクゼリュスへ使者を送ったのか、私は聞きません。知りたくもない。
ですが私はピオニー九世陛下から和平の使者を任されました。私に対する信を、あなた方の為に損なうつもりはありません」
ジェイド「恐れながら陛下。年若い者にたたみかけられては、ご自身の矜持が許さないでしょう。
後日改めて陛下の意思を伺いたく思います」
ルーク「ジェイド!」
ガイ「兵を伏せられたらどうするんだ!」
ジェイド「その時はこの町の市民が、陛下の敵になるだけですよ。先だっての処刑騒ぎのようにね。
しかもここには導師イオンがいる。いくら大詠師モースが控えていても、
導師の命が失われればダアトがどう動くかお分かりでしょう」
インゴベルト「……私を脅すか、ネクロマンサージェイド」
ジェイド「このネクロマンサーが…周囲に一切の工作なく、このような場所に飛び込んでくるとお思いですか」
(書状を渡すジェイド)
ジェイド「この書状に、今世界へ訪れようとしている危機についてまとめてあります」
インゴベルト「…これを読んだ上で、明日謁見の間にて改めて話をする。それでよいな?」
ルーク「伯父上、信じています」
ナタリア「失礼致します…陛下」
ルーク「今日のところは町の宿屋に泊まろう。そういやジェイド、この短い時間にどんな手を回したんだ?」
ジェイド「何がですか?」
ルーク「城で伯父上を脅してただろ」
ジェイド「ああ、はったりに決まってるじゃないですか」
ルーク「…」・イニスタ湿原、足取りの重いナタリア
ナタリア「…」
ガイ「…ジェイド、休憩!」
ジェイド「やれやれ、あなたもお人好しですね。さっきのこともありますから周りには気をつけてくださいよ」
ガイ「ああ。こんな所でナタリアが怪我でもしたら、バチカルのみんなが泣くからな」
アニス「そうだよね、ナタリアって愛されてたんだぁってびっくりしたもん」
ルーク「ナタリアは公共事業を取り仕切ってるんだ、その収益を病気の人とかに施したりとか…尊敬されてんだよ」
ガイ「ルークが王子だったら、ただ王室で贅沢三昧だなぁ」
ルーク「…」
ティア「為政者も個人の資質が重要ってことね」
ガイ「そう。バチカルのみんなは、キムラスカの王女じゃなくてナタリアが好きなんだよな」
ナタリア「でもお父様は…」
ガイ「陛下がどうしてもキミを拒絶するなら、マルクトにおいで。キミなら大歓迎さ」
ナタリア「(赤面)……あなた、よく真顔でそんなことを言えますのね」
ルーク「おーい、ガイにたぶらかされてマルクトに亡命するなよ」
アニス「それよりインゴベルト陛下に退位してもらって、ナタリアが女王様になれば?」
ナタリア「ふふ……ごめん……なさい…いやですわ、泣くつもりでは…」
ガイ「いいんだよ。色々あって、びっくりしたよな」
ナタリア「…ごめんなさいみんな、もう大丈夫ですわ。ガイも…ありがとう」
ガイ「ナタリアの笑顔を取り戻す手伝いができて、嬉しいよ」
ナタリア「(赤面)なんだか照れてしまいますわ…」
(ガイに歩み寄るナタリア。逃げるガイ)
ナタリア「…忘れてましたわ、ごめんなさい」・ベルケンド、アッシュと再会
ナタリア「アッシュ…バチカルでは助けてくれてありがとう」
ルーク「そうだ、お前のおかげだよ。ここまで逃げてこれたのは」
アッシュ「勘違いするな、導師に言われて仕方なく助けてやっただけだ」
アニス「イオン様が!?」
アッシュ「お前達に渡すものがある。宿までこい」
ルーク「ノエル!無事だったのか!」
ノエル「はい、アッシュさんに助けて頂きました」
ルーク「アッシュに…?」
ミュウ「よかったですの!」・ベルケンド、宿での会話
ジェイド「セフィロト暴走の原因がわからない以上、液状化を改善して外殻大地を降ろすしかないでしょう。
もっとも、液状化の改善には禁書に書かれている音機関の復元が必要です。この街の研究者の協力が不可欠ですね」
アッシュ「だが、この街の連中はみんな父上とヴァンの息がかかっている」
ルーク「ち、父上ぇ…!?」
アッシュ「…な、なんだ、何がおかしい!」
アニス「へぇ〜、アッシュってばやっぱ貴族のおぼっちゃまなんだぁゥ」
(無言で去ろうとするアッシュ)
ナタリア「アッシュ、どこへ行きますの!」
アッシュ「…散歩だ!話は後で聞かせてもらうから、おまえらで勝手に進めておけ!」
アニス「ありゃ、怒っちゃった。えへ〜、失敗失敗ゥ」
ジェイド「可愛いところがあるじゃないですか」
ナタリア「もう!彼をからかうのはおやめになって!」・スキット226、「アッシュと一緒に…」
ルーク「アッシュのやつ、敵なのか味方なのかホントはっきりしねぇなあ」
ミュウ「でも、いっぱいご主人様を助けてくれたですの」
ルーク「まーそうだけどよ…あいつ、ちっとも自分のやってること話さないから」
ミュウ「謎ですの〜…」
ルーク「これから一緒に来んのかなぁ、あいつ」
ミュウ「ご主人様はその方がいいんですの?」
ルーク「ジョーダン!!って言いたいとこだけど…俺達のやろうとしてることを考えると、一緒の方がいいのかもしれないなぁ」
ミュウ「じゃあご主人様、友達になってって言えばいいですの」
ルーク「それこそジョーダンじゃねぇ!!」・ベルケンド、ヘンケン達とビリジアン知事を説得に
ビリジアン「ルーク様!」
キャシー「安心しなさい、知事は協力してくれるそうよ」
ビリジアン「私はファブレ公爵のご命令通り、ルーク様とナタリア殿下を探しているが見つからない、それだけです。よろしいですな」
ヘンケン「よく言う。禁書の内容に興味津々だったくせに」
ジェイド「結構です、では簡単に今までのことをご説明いたしましょう。さあガイ」
ガイ「俺かよ!?まあいいや…」
ビリジアン「なるほど…大変な話だ。にわかには信じがたい…」
キャシー「何言ってるの、現にルグニカ大陸が消滅してるじゃない」
ヘンケン「まずは近くの振動周波数を計測する必要があるな」・ダアト、イオンにセフィロトの情報を聞きに
イオン「皆さん、ご無事でしたか!」
ルーク「イオンがアッシュを寄越してくれたおかげでな」
イオン「いえ、アッシュが迅速に動いてくれたからですよ。ところで何故またここに戻ってきたんですか?」
アニス「イオン様の力が必要なんですよぅ」
ジェイド「詳しい説明は、ガイがします」
ガイ「…また俺ですか」
イオン「地殻の振動周波数測定ですか…僕が知っているセフィロトと言うと、アブソーブゲートとラジエイトゲートですね」・ダアト、アリエッタの強襲
アリエッタ「イオン様は渡さないんだからっ!」
パメラ「イオン様!危ない!きゃぁっ!」
イオン「パメラ!」
アニス「ママ!?」
ジェイド「さあ、お友達を退かせなさい」
アリエッタ「う…!だけど…」
イオン「アリエッタ!パメラを巻き込むのは筋違いでしょう!」
アリエッタ「…イオン様…みんな、やめて…!」
ジェイド「ナタリア、パメラさんを!」
ナタリア「分かりましたわ!」
パメラ「イオン様…怪我は…」
イオン「僕なら大丈夫です、ありがとうパメラ」
パメラ「イオン様を守れたなら本望です…」
マリィ《ガイ!危ない!》
マリィ《ガルディオス家の跡取りを守れたなら、本望だわ…》
ガイ「……思い……出したっ!」
ジェイド「パメラさんは?」
ルーク「もう大丈夫みたいだ」
アニス「アリエッタの奴は?」
ジェイド「イオン様に言われた通り、トリトハイム詠師に引き渡しておきました。
まあ六神将の誰かが戻ってくれば、すぐ解放されるでしょうが」
アニス「ったく、あの根暗女…」
ルーク「ガイは…大丈夫なのか?何か思い出したみたいだったけど…」
ガイ「…ああ、すまないな。あんな時に取り乱して」
ティア「なにを思い出したか聞いてもいいかしら」
ガイ「俺の家族が…殺された時の記憶だよ」
マリィ《いいですか、ガイラルディア。お前はガルディオス家の跡取りとして生き残らねばなりません。
ここに隠れて…物音一つたてては駄目ですよ》
ガイ《姉上!》
マリィ《しっ!キムラスカ軍が来たようです、静かになさい。いいですね》
ファブレ公爵《女子供とて容赦はするな!譜術が使えるなら十分脅威だ!
兵士《そこをどけ!》
マリィ《そなたこそ下がれ!下郎!》
兵士《ええいっ!邪魔だ!》
マリィ《きゃあ――っ!!》
ガイ《姉上!》
マリィ《ガイ!危ない!》
ガイ《うわぁ――っ!!》
ガイ「…斬られそうになった俺を、姉上がかばってくれた。姉上だけじゃない、メイド達もみんな俺をかばおうとして…
いつの間にか俺は、姉上達の遺体の下で血まみれになって気を失っていた。
ペールが助けに来てくれた時には、もう俺の記憶は消えちまってたのさ」
ジェイド「あなたの女性恐怖症は、その時の精神的外傷ですね」
ガイ「情けないねぇ。命を賭けて守ってくれた姉上の記憶を『怖い』なんて思っちまうとは…」
ルーク「そんなことねぇよ、おまえ子供だったんだろ?軍人が攻め込んできて、目の前でたくさんの人を殺されて。
怖いって思うの当たり前だよ」
ナタリア「そうですわ。それなのにわたくし、あなたが女性を怖がるの面白がっていましたわ…ごめんなさい」
アニス「…ごめんなさい」
ティア「私も謝らないといけないわ、本当にごめんなさい」
ガイ「ははっ、何言ってるんだよ。そんなの俺だって忘れてたんだ、キミ達が謝る事じゃないだろ?気にしないでくれ」
ジェイド「ガイ、気分は?もう動けますか?」
ガイ「もちろん」
ジェイド「ならそろそろダアトを離れましょう。また六神将と鉢合わせては具合が悪い」・スキット232、「ガイの過去」
ルーク「ガイのやつ、あんな辛い過去があったんだな」
ティア「そうね…肉親を目の前で亡くしていたら、心に傷を負っても不思議ではないわ」
ナタリア「わたくし…それを慣れろだなんて言ってしまっていたなんて…」
アニス「面白がっていじっちゃって、悪いことしちゃったな…」
ガイ「そんな神妙に考えることないって。俺自身、忘れてたことだって言っただろ?気にしないでくれよ」
ジェイド「そうですよ、本人は女性が大好きらしいですから」
ガイ「そうそう!」
ジェイド「これからもどんどんいじっちゃって構いませんよ」
ガイ「いや、どんどんは困る…」・シェリダン、め組とい組が集結
タマラ「おや、あんたたち!」
キャシー「聞いたかしら?スピノザのせいで…」
ルーク「ああ、話は聞いてるよ」
ガイ「キャシーさんは…怪我もないようですね。ご無事で何よりです」
キャシー「あ、あら、イヤだわ。こんないい男に心配されるなんて…」
タマラ「なんだいキャシー、隅に置けないねぇ」
ガイ「…いや、そういうわけじゃ…」
ティア「ところでお2人はここで何を?」
キャシー「ああ…ちょっと『い組』と『め組』の対立に嫌気がさしてね」
タマラ「入れば分かるよ」・タタル渓谷、フォニムの集まる場所で
アニス「あ、あれって…」
ルーク「ザオ遺跡でも見たな。確かフォニムが集中してるフォンスロットだっけ」
ミュウ「ここにもあったですのー!」
ジェイド「ええ、高濃度のフォニムです」
ティア「この辺りだとサードフォニムかしら」
ジェイド「ええ、そうでしょうね」
ルーク「おいミュウ、今回はどうなんだ?」
ガイ「確かソーサラーリングに譜が刻まれるんだったな」
ミュウ「みゅううぅぅ、来ーたーでーすーのー!!」
アニス「……と、飛んでる」
ルーク「すげぇっ!」
ティア「(赤面)かわいい…」
ミュウ「ご主人様!ボク、飛んでるですの!やったですの!」
ルーク「なあ、ちょっとつかまらせ……へ!?」
ナタリア「まぁ」
ガイ「ははっ、なんだか絵になるな〜」
ルーク「ティア!ずりーぞ!」
ティア「ご、ごめんなさい。だけど…楽しい…」
アニス「いいなー!私も!私も!」
ナタリア「わたくしも飛びたいですわ!」
ミュウ「みゅううぅぅぅ…」
ガイ「おいおい、かわいそうだろう?」
ジェイド「いいんじゃないですか?あれはいじられて伸びる性格ですよ」
ガイ「…何が伸びるんだよ、何が」・タタル渓谷の途中で
アニス「あ〜〜〜〜っ!?」
ティア「どうしたの、アニス」
アニス「あれは幻の『青色ゴルゴンホド揚羽』!捕まえたら一匹あたり400万ガルド!!」
ガイ「おーい!アニス、転ぶぞ!」
アニス「あのねっ!私のこと子供扱いするのはやめてくれないかなぁ…きゃうっ!?」
(突然地震が発生。崖下に落ちそうになるアニス)
ティア「アニス!」
(アニスの腕を掴むティア。ガイも駆けつけるが、女性相手に一瞬ためらう)
(意を決して2人を引き上げるガイ)
ティア「ガイ!?」
ガイ「……くっ!」
アニス「ティア、ガイ…ありがとう」
ティア「私は…それよりガイ、あなた…」
ガイ「……さわれた……」
ミュウ「ガイさん!頑張ったですの!」
ルーク「よかったな、ガイ!」
ナタリア「偉いですわ!いくら過去のことがあっても、あそこでアニスを助けなければ見損なっていました」
ガイ「…ああ、そうだな。俺のせいでアニスに大事がなくて良かったよ」
アニス「や〜ん!アニスちょっと感動ゥ」
ジェイド「ガイはマルクトの貴族でしたねぇ。きっと国庫に資産が保管されていますよ」
アニス「ガイゥいつでも私をお嫁さんにしていいからねゥ」
ガイ「……遠慮しとくわ」・スキット236、「克服ガイはナイスガイ」
ジェイド「驚きましたね、あれほど女性に触れるのを怖がっていたのに」
ナタリア「忘れていた記憶が甦った事で、こんなにも変わるものですのね」
ティア「原因が分からなかったからこそ、今まで苦しんでいたのかもしれないわ」
アニス「うん〜。ともかくガイにお礼言わなくっちゃ」
ティア「これから徐々に女性恐怖症も治っていくといいわね」
ナタリア「そうですわね」
ジェイド「もしかしたら、さっきので一気に克服に近づいたかもしれませんよ」
アニス「どれどれ…ガイ〜〜」
ガイ「ん?呼んだ?」
「ぺたぺたぺたぺたぺたぺたぺたぺた…」「ぺたぺたぺたぺたぺたぺたぺたぺた…」「ぺたぺたぺたぺたぺたぺたぺたぺた…」
ガイ「な!うわぅおあ〜〜!!」
アニス「だめじゃん」
ジェイド「だめですねぇ」・グランコクマ、飛行譜石の在り処について
ルーク「くそ!なんだってディストの奴が飛行譜石を持ってるんだよ、面倒だな」
ジェイド「興味があるんでしょう、あれは譜業や音機関の偏執狂ですからね。ガイと同じく」
ガイ「だれが偏執狂だって?」
ジェイド「そうですよ、ガイとディストを一緒にしてはいけませんね、ルーク」
ルーク「俺は何も言ってねぇっつーの!」
ティア「…」
ジェイド「ほらほら、いつまでもふざけてないで。ティアがにらんでますよ」
ティア「…もういいです」・スキット250、「痩せすぎ?」
ルーク「こんなトコに悠長に泊まってていいのかな」
ジェイド「せっかく休めるんです、気にしないでおきましょう」
アニス「大佐って、相変わらず図太い…」
ジェイド「ん?そうですか?去年の健康診断では痩せすぎだと言われましたが」
アニス「そんな見えすいたボケはやめてくださ〜い」
ジェイド「アニスも痩せすぎですね〜」
ルーク「胸が」
アニス「う、う、うっさいなーっ!でかきゃいいってモンじゃないでしょ!
あんな脂肪のかたまり、三十過ぎればだっらーんとぶら下がってだっさいだけなんだから!」
ティア「…そんな…」
ルーク「あ…」
ジェイド「今のは酷いですね、ルーク」
アニス「ホント、ティア傷ついたよー」
ルーク「今の俺のせいか!?なあ、本当に俺のせいなのか!?」・ダアト、ディストからの手紙
ルーク「手紙だ、これは…ディストからだ!」
イオン「なんて書いてあるんですか?」
ルーク「憎きジェイド一味へ」
ナタリア「まあ、いつの間にかジェイド一味にされていますわ」
《飛行譜石は私が――この華麗なる薔薇のディスト様が預かっている。
返して欲しくば我らの誓いの場所へ来い、そこで決着をつけるのだ!
怖いだろう、そうだろう。だが怖じ気づこうとも、ここに来なければ飛行譜石は手に入らない。
あれはダアトにはないのだ、絶対ダアトにはないから早く来い!六神将・薔薇のディスト》
ルーク「……なんかいかにもダアトにあるって手紙だな。アホだろ、こいつ」
ティア「大佐、どうします?」
ジェイド「ほっときましょう。ルークの言う通りです、きっと飛行譜石はダアトにありますよ」
イオン「ですがディストは僕たちに…」
ジェイド「約束の場所というのは多分ケテルブルクです、放っておけば待ちくたびれて凍り付きますよ」
ガイ「哀れな奴…」・スキット256、「ミュウは天才!?」
ミュウ「ご主人様、また日記をつけてるですの?」
ルーク「んー、まあな…ってそういえば!こーのーブーターザールぅー!」
ミュウ「ご主人様、く、く、苦しいですの〜〜!」
ティア「ルーク、何してるの!ミュウが可哀想じゃない!」
ルーク「うるせっ!こいつ、俺の日記に落書きしやがったんだぞ!」
ティア「あら、そうなの?」
ミュウ「ち、ちがうですの…。ご主人様が日記をつけなかった日を、ボクが代わりにつけておいたんですの」
ティア「…あら、本当だわ。ルークと同じような字だから気づかなかった」
ルーク「…ちょっと待て、それって俺の字が汚いってことか」
ティア「ミュウ!あなた天才だわ」
ミュウ「照れるですの〜」
ルーク「なんか納得いかねぇ…」・カイツール軍港、フリングスの求婚を受けたセシル
セシル「キムラスカとマルクトが平和条約を締結したようですね」
ルーク「ああ、これでもうセシル将軍がフリングス将軍を拒む理由はなくなったぜ」
セシル「…それは…」
ガイ「ジョゼット様、私はガイラルディア・ガラン・ガルディオス。ユージェニー・セシルの息子です」
セシル「!! ユージェニー伯母様の…!ではあなたは私の従弟のガイラルディア!?生きていたのですか!」
ルーク達「!!」
ガイ「ジョゼット様は私の母のことを考えて、フリングス将軍とのことを踏み出せないのですよね?」
セシル「私が軍を捨て、マルクトへ嫁ぐとなれば、セシル家は再び売国奴と蔑まれることになるのではと…」
ナタリア「そのようなことはありませんわ、マルクトに嫁いだ者がマルクトを守ろうとするのは当然です」
セシル「殿下は清廉でおられるから…ですが、世間はそうは考えません」
ルーク「…だったらさ、今度こそキムラスカとマルクトの平和の象徴になればいいんじゃないか」
ティア「セシル将軍とフリングス将軍の婚約を、象徴にするってこと?」
ジェイド「いい宣伝にはなりますね。平和条約も締結されたところですし、外殻降下後の人々の希望になるかもしれません」
ナタリア「そうですわ!セシル将軍がフリングス将軍を好いているなら、
わたくしがお父様にこの事をお知らせして、とりまとめますわ」
セシル「でも…!」
ガイ「ジョゼット様。私の母ユージェニーも、姉のマリィベル・ラダンも死にました…せめてあなたには幸せになってもらいたい。
あなたの面差しは亡くなった姉によく似ています」
セシル「…わかりました、指輪はお預かりします。ですが陛下のお耳に入れるのは、
この世界が落ち着きを取り戻してからにして下さい」
ガイ「お幸せに」
セシル「…ええ、ありがとう」・グランコクマ、漆黒の鍵イベント
チンピラ「邪魔だって言ってるんだよ!」
ノワール「おだまり!こっちは許可をもらって宣伝に来てるんだ」
チンピラ「何だと!生意気な奴だな!」
(ノワールを突き飛ばすチンピラ。ガイがそこへ割って入る)
ガイ「その辺にしておいた方がいいんじゃないか?相手は女性だ」
チンピラ「なんだとぉ?ならてめぇが殴られろ!」
(襲いかかってきたチンピラを返り討ちにするガイ)
ガイ「さあ、やるかい?悪いが本気で行かせてもらうぜ!」
ルーク「よーし、暴れるなら俺も手伝うぜ!」
(チンピラを全員なぎ倒すガイ&ルーク )
ティア「…何があったのか想像がつくわね」
ナタリア「まあ、血の気の多い…」
イオン「お二人は強いんですねぇ」
アニス「イオン様、感心してる場合じゃありません!」
ノワール「…礼は言わないよ、助けてくれなんて頼んじゃいないんだ」
ルーク「なんだと!ガイはお前を…」
ガイ「まあまあ、俺だって別にお礼を言ってほしくて助けた訳じゃないさ。それより…」
ノワール「な、なんだい…」
ガイ「唇の端が切れてる。拭ってあげたいが、俺はご存知の通りの体質なんでね」
ノワール「あ、あらん…」
(ノワールにハンカチを渡すガイ)
ガイ「あんた達の公演、昔見たことがある。頑張れよ、泥棒よりそっちの方が似合ってる」
ヨーク「うるさいぞ、お前」
ウルシー「俺たちは俺たちの自由に…」
ノワール「あんたたち、お黙り!…フフ、坊やはやっぱり可愛いねえ」
2人「ノワール様!?」
ノワール「ハンカチは頂いておくよ、代わりにこいつを持っていきな」
(漆黒の鍵を渡される)
ガイ「これは…?」
ノワール「あはん、あたしの心のカ・ギ・さ。大切にしとくれよ。行くよあんたたち!」
アニス「うわ、あんなババアからもらった鍵なんて捨てちゃいなよ」
ガイ「まあ持ってて困るものじゃないし、いいんじゃないか?」・ナム孤島、漆黒の鍵イベントその2
ノワール「おや、坊や(ガイ)じゃないか?わざわざここまで来てくれるとはねぇ」
ルーク「ここの鍵を渡したのはお前じゃないか」
ノワール「あらん。あたしは坊や(ルーク)にあげたつもりじゃないんだけどね」
(ガイの方を見つめるノワール。冷や汗をかくガイ)
ルーク「誰だっていいさ、俺は話を聞きに来たんだ。この街…ナム孤島について教えてくれないか?」
ノワール「この街の何を聞きたいのさ」
ルーク「なんでこの街を作ったのか」
ノワール「あはん…どうしようかねぇ?」
アニス「おばさん、ガイと引き換えで教えてよ〜」
ガイ「おいおい、アニス!人を勝手に…」
ノワール「それも悪くないねぇ…間抜け面した部下たちには嫌気がさしてたし、アンタみたいないい男と組むのも楽しそうだ」
ガイ「い、いや、俺はよくない…と思う!キミにはもっと相応しい男が…」
ノワール「あはは!冗談さ。でもまあ、あんたのしどろもどろのカワイイ顔に免じて、話をしてあげるよ」
ヨーク&ウルシー「ノワール様っ!」
ノワール「おまえたちは黙っといで!」・スキット261、「今ごろアッシュは…」
ルーク「…」
ナタリア「眠れませんの?ルーク」
ルーク「いや、あいつと話できないか試してみたんだけど、やっぱダメだった」
ナタリア「アッシュ…ですわね?」
ルーク「ああ、あいつから話しかけてこないと全然つながんねぇ」
ナタリア「そうですの…彼、今何をしているのかしら…」
ルーク「…ナタリア、あいつに話したいこと、あるだろ?」
ナタリア「え?」
ルーク「伯父上とのこととか…これからのこととか…」
ナタリア「そう、ですわね…随分彼とは会っていませんし…」
ルーク「ったく、勝手なヤツだぜ」
ナタリア「ルーク、もしかしてわたくしのために彼に接触しようとしましたの?」
ルーク「ち、ちがうって!あのむかつくヤローが今何してるか、気になっただけだっつの!別におまえのためじゃないからな!」
ナタリア「ふふ、そうですのね」
ルーク「ったくよ、もう俺寝るから!」
ナタリア「こういうところはそっくりですのね」・メジオラ高原のセフィロトにて
ガイ「はぁ〜ん。こんなところにこんな音機関があるとはな!」
ルーク「嬉しそうだな、おまえ…」
ガイ「キムラスカで暮らすようになってから、すっかり譜業に目覚めちまったからな」
(あちこち駆け出してはしゃぐガイ)
ガイ「やっぱ、創世暦時代の音機関はできがいいなぁ!」
ナタリア「殿方って、こういう物が好きですわよね」
アニス「うちのパパも模型大好き。ばっかみたい」
ガイ「いいんだよ、女には分からないロマンなんだから。さ、奥に行ってみようぜ!」
ルーク「あいつ、剣なんて習わないで譜業使いになればよかったのに…」
ガイ「おおっ!すっげー!機械人形だぜ!」
ティア「待って!何か攻撃してきたら…」
ガイ「こいつは別に戦闘用の機械じゃないよ、多分ここらの音機関を整備する為にいるんじゃないか?」
イオン「というと、パッセージリングの整備を彼が行っているとか?」
ガイ「うん、そうかも知れないな。世界中のパッセージリングは繋がってるんだから、深刻な故障の場合はこいつが出張していくのかも」
ルーク「だけど、結局パッセージリングは壊れちまったじゃんか」
ガイ「……まあ、な」
ジェイド「セフィロトの暴走がスコアに詠まれていれば、ここの機械人形に対処方法が入力されていたかも知れませんね」
イオン「パッセージリングはこの下にあるようですね」
ジェイド「…昇降機が動きません、動力が死んでいます」
ルーク「マジかよ!階段とかねーの?」
アニス「見た感じではなさそうだけど…」
ルーク「じゃあ、ガイかジェイドがちょちょっと…」
ジェイド「すみません。私は譜術が専門なのでお断りします」
ルーク「フォミクリー作ったの、おまえじゃん」
ジェイド「理論だけですよ、音機関を組み立てたのはディストです」
ガイ「…」
ナタリア「浮かない顔ですわね」
ガイ「直すには、壊れた動力を新しいのに変えればいいんだ。けど…」
ティア「替えの動力がないのね」
ガイ「…あいつ以外にはな。あいつの動力を取り上げてここに取り付ければいい、多分それでなんとか動く」
アニス「えーっ!?あのコから動力取ったら、あのコ動かなくなるよ?」
ガイ「まあね、でもそれしか方法はない」
ミュウ「一生懸命働いてるのに可哀想ですの…」
ジェイド「仕方がありません、それしか方法がないのですから」
(機械人形を撃破)
ジェイド「頼みましたよ」
ガイ「…ああ」
イオン「ルーク…」
ルーク「…わかってる。行くよ」・スキット269、「スピノザ、許せん!」
ガイ「スピノザめ、ようやく追いつめた!」
ナタリア「ええ、手間取ってしまいましたがもう逃がしませんわ!」
ガイ「ああ、とっ捕まえてやる!」
ナタリア「あらガイ、珍しく怒ってますの?これまでのスピノザの所行を思えば当然ですけれど」
ガイ「貴重なアルビオール3号機をキズモノにされたからな…!浮遊機関は夢の譜業機関だってのに!」
ナタリア「そこに怒ってますのね…」・スキット274、「恐怖!ディストの呪い!?」
ルーク「ダアトのパッセージリングは比較的楽だったよな。たまにはこういうのがあってもいいよな」
アニス「だけど、後でどーんとしっぺ返しが来るかもよ」
ルーク「しっぺ返しってどんなのだよ」
アニス「うーん、ルークのお腹の腹筋に顔が現れるとか」
ルーク「…あほか」
アニス「わかんないじゃん。ルークが生まれた技術って、あの大佐が作ったものだよ」
ルーク「よ…よせよ、変なこと言うなよ」
アニス「どうする?お腹にディストの顔とか出てきたら…」
ルーク「そ、それはマジきっついな」
ジェイド「そうなったら、あなたとは一生口を利かないと思います」
ルーク「…なあ、ジェイドとディストってどんな因縁があったんだ?ただの幼なじみにしては…」
アニス「うーん、ピオニー陛下とは割と仲よさそうなのにねー?」
ルーク「ネビリム先生がらみなのかな…」
アニス「なんか言った?」
ルーク「な、なんでもないよ。はは…」