■ヴァン復活編・その3■

・レムの塔、階段行き止まり
アニス「あれ!?階段ここで終わっちゃってるよぅ」
ジェイド「どうやら、この塔はまだ建設途中のようですね」
ガイ「建設途中で放棄されたってことか。こんな時でもなきゃ、色々調べてみたいが…」
ナタリア「リフトがありますわ。作業用のものかしら?」
ルーク「よし、これに乗っていこう」
ジェイド「どこまで上がれるんでしょうね。そろそろ楽をしたいものです」
ティア「大佐が一番疲れていないように見えますけど」
ジェイド「いえ、生まれつき体が弱いので…げほげほ」
全員「……」
・レムの塔、作業用リフト行き止まり
アニス「あう〜、階段もリフトもない…さすがにこれ以上はマジきっついよぅ」
ルーク「くそっ!ここまで来たのに…」
ジェイド「うん。この装置で、昇降機を覆っているガラスを破壊しましょうか」
ナタリア「そんなことをしては、昇降機まで壊れてしまうのではありませんか?」
ジェイド「ですから、覆っているガラスだけを破壊するんです。ガイ、できますよね?」

ガイ「そう言われたら、できないとは言いたくないねぇ。うーん…見たところ装置は動きそうだが、動力源がないと…
   …やれやれ。芸がないって言われそうだな」
ルーク「どうしたんだ?」
ガイ「メジオラ高原の時と同じさ」
ティア「また、何かから動力を奪うってことね」
ガイ「ご名答。どうにかしてこの動力装置を充填させたいんだがな」
ジェイド「下の階にいたゴーレムあたりですか?」
ガイ「そうだな、その辺りが無難だろう。ゴーレムから核を奪い取って、動力装置を充填してみるか」
ルーク「じゃあこれは持っていくんだな」
ナタリア「ガイ、それを運んで…」
ティア「ナタリア!」
ナタリア「あ、あら、いけない!あなたはもう使用人ではありませんでしたわね…」

ガイ「結構ですよ、ナタリア様。ご命令とあらば運びましょう」
ジェイド「マルクトでも陛下にこき使われていますからね」
ガイ「言うな…自分でも情けないんだから」

ガイ「よし、これで起動するはずだ」
(ロボットがガラスを壊す)
ルーク「…すげぇ!」
ジェイド「さすが音機関博士」
ガイ「あんたに誉められるとうさんくさいなぁ…」
・レムの塔、昇降機にて
マリィ「我々はホドを目指す。モース様はきっと受け入れてくださる」
ディスト「ふははははははっ!たとえ何万年待とうと、そのようなことは有り得ませんよ!」
(レプリカに機銃を乱射するカイザーディスト)
ティア「やめなさい!」
ディスト「そうは行きませんよ。ここの邪魔なレプリカ共を始末しないと、ネビリム先生復活の作戦に着手できませんからねぇ」
ジェイド「…監獄から逃げ出したと思えば、まだそんな愚かなことを。もう諦めなさい!」
ディスト「そうは行きません!ネビリム先生を甦らせれば、あなたも昔のあなたに戻るでしょう。
     先生と共に、もう一度あの時代を…!」
ジェイド「…今まで見逃してきた私が甘かったようですね。さようなら、サフィール」
ディスト「…本当に私を見捨てるんですね!ならば…ならば私も本気で行きますよ!レプリカ共と一緒に滅びるがいいっ!!」

ディスト「…どうせ、モースは永遠に迎えになど来ない…エルドラントの対空迎撃装置が起動すれば…
     塔ごと消し炭にされる…ククク…はーっはっはっはっ!」
(自爆装置を起動するディスト)
ディスト「ネビリム先生…今、そちらに向かいます!」
ルーク「させるか!」
(ディスト、烈破掌で空の彼方へ吹き飛ばされて自爆)
・スキット368、「さよならディスト」
ルーク「ディスト…死んじまったな…」
ジェイド「…馬鹿な男です。最期まで叶いもしない夢を追いかけて」
ルーク「夢…?」
ジェイド「遠い昔、馬鹿な子供が2人で交わした約束です。人の死を超越しようとした、愚かな夢ですよ」
ルーク「ジェイド…それは…」
ジェイド「ルーク。約束したはずですよ、誰にも言わないと」
ルーク「いいのか、それで」
ジェイド「はい。ディストの――サフィールの死は、私が受け止めましょう」
ルーク「かつでの友として?」
ジェイド「いえ、飼い主として」
ルーク「……」
・ダアト、レムの塔からアッシュを追って
ピオニー「おまえたちか!今、アッシュからの手紙を見ていたところだ」
ルーク「アッシュからの手紙!?アッシュ本人はどこに行ったんですか?」
テオドーロ「ローレライの宝珠を探すとかで、この教会からセフィロトへ向かった」
ナタリア「手紙にはなんて?」
インゴベルト「障気を中和する方法を発見したと書いてある。それに伴って、レプリカに協力を依頼する代わりに、
        彼らの保護をしろと言ってきているな」
ルーク「あいつ…自分が死ぬことは書いてないんだな」
ピオニー「どういうことだ?」
ジェイド「ガイっ!説明をお願いします」
ガイ「…また俺かよ!まあいいや、実は…」

テオドーロ「…アッシュは何を考えているのだ。何千というレプリカと共に心中するとは!」
アニス「当然、許可しませんよね?そんなの駄目ですよね?」
インゴベルト「レプリカとはいえ、それだけの命を容易く消費するわけにはいかん…しかし…」
ナタリア「お父様!しかしではありませんわ!」
ピオニー「…ジェイド。おまえは何も言わないのか?」
ジェイド「私は…もっと残酷な答えしか言えませんから」
ティア「…大佐、まさか!」
ルーク「……俺か?ジェイド」
全員「!!」
ジェイド「…」
ガイ「てめぇっ!アッシュの代わりにルークに死ねって言うのか!ふざけるな!」
ナタリア「だめですわ!そのようなことは認めません!わたくしは、ルークにもアッシュにも生きていてもらいたいのです!」
ジェイド「私だってそうです。ただ、障気をどうするのかと考えた時、もはや手の施しようもないことは事実ですから」
ルーク「俺は…」
ティア「みんなやめて!そうやってルークを追いつめないで!
    ルークが自分自身に価値を求めていることを知っているでしょう!安易な選択をさせないで…」

ジェイド「失礼。確かにティアの言う通りですね」

ルーク「…少し、考えさせてくれ」
・ダアト、アッシュの身代わりについて考えるルーク
ガイ「俺は、認めないぞ」
ルーク「ガイ…」
ガイ「おまえはまだ七年しか生きてない!たった七年で悟ったような口を利くな!
   石にしがみついてでも、生きることを考えろ!」
ルーク「だけど、瘴気はどうにもならないんだろ?俺だって…死にたくないけど…」
ガイ「だったら!瘴気なんてほっとけ!」
ルーク「ガイ…」
ガイ「…悪い。そんな風に、簡単に言える問題じゃないんだよな。それが分かるぐらい、おまえも成長したってことだもんな。
   だけど俺は…おまえに生きていて欲しいよ。誰がなんて言ってもな」
ルーク「ガイ、ありがとう…」

ガイ「ジェイドの言うことだって頭では分かってるんだ、でもな…」
・ダアト、アッシュの身代わりについて考えるルーク
ジェイド「恨んでくれて結構です。あなたがレプリカと心中しても、能力の安定したオリジナルが残る。
     瘴気は消え、食い扶持を荒らすレプリカも数が減る。いいことずくめだ」

ルーク「…ジェイド…あんたは俺に…」
ジェイド「死んで下さい、と言います。私が権力者なら。友人としては…止めたいと思いますがね」
ルーク「…ジェイドが俺のこと、友達だと思ってくれてたとは思わなかった」
ジェイド「そうですか?――そうですね、私は冷たいですから。……すみません」
・ダアト、アッシュと再会
ナタリア「アッシュ!」
アッシュ「…レムの塔から追いかけてきたのか」
ルーク「…どうしても死ぬつもりなのか?」
アッシュ「そんなことはどうでもいい、結局セフィロトを全部回ってもローレライの宝珠はなかった。
      このままでは、ローレライを解放できない。おまえは宝珠を探すんだ」

ルーク「おまえっ!自分が死ぬってことが、どうでもいいことな訳ないだろっ!
     大体、宝珠が見つかってもおまえがいなきゃ、ローレライは解放できねぇだろーがっ!」
アッシュ「おまえこそ馬鹿か?おまえは俺のレプリカだぞ!こういう時に役立たなくてどうする!」
ティア「そんな言い方はやめて!」
アッシュ「おまえは引っ込んでろ!」
ティア「!!」
アッシュ「おまえがやれ、ルーク!俺の代わりにな!」

ルーク「アッシュ、待てよ!おまえを死なせる訳には…!いや、死なせたくないんだ!」
(すがりつくルークを振り払い、剣を向けるアッシュ)
アッシュ「くどいっ!!」
ルーク「アッシュ…」
アッシュ「もうこれしか方法がねぇんだ!他の解決法もないくせに、勝手なこと言うんじゃねぇよっ!」
ルーク「だったら…だったら俺が!俺が代わりに消える!」
ティア「ルーク!?」
ガイ「馬鹿言うんじゃない!」
アッシュ「代わりに消えるだと…!?ふざけるな!!」
(アッシュの剣を受けるルーク。2人の間で超振動が起きかける)
ジェイド「やめなさい!消すのははダアトの街ではない。障気です!」
アッシュ「フン…。いいか、俺はおまえに存在を喰われたんだ!だから俺がやる」
ナタリア「アッシュ!本当に他の方法はありませんの?わたくしは…わたくし達はあなたに生きていて欲しいのです!
      お願いですからやめて下さい!」

アッシュ「俺だって、死にたいわけじゃねぇ…死ぬしかないんだよ」

ルーク「駄目だ、あいつを失う訳にはいかない!」
ガイ「ルーク!!」
(ルークを殴りつけるガイ)
ルーク「…ってぇ…」
ガイ「…死ねば殴られる感触も味わえない。いい加減に馬鹿なことを考えるのはやめろ!」
ルーク「…ガイ…ごめん」
ガイ「ルーク…」
ルーク「もう、決めたんだ。怖いけど…だけど…決めたんだ」
ナタリア「ルーク!あなたという人は…」
アニス「…ルークも、イオン様みたいに消えちゃうの?」
ルーク「…」
ジェイド「あなたが本気で決心したなら私は止めません。ただレムの塔に向かう前に、陛下たちへの報告だけはしておきましょう」
ルーク「みんな…ごめん…」
・レムの塔、瘴気を消しに
アッシュ「俺がやると言っただろう!何故ここに来た!?」
ルーク「アッシュ!だからそれは俺が…」
アッシュ「レプリカ共!俺が心中してやる、来い!」
ナタリア「アッシュ!馬鹿なことはおやめになって!」
ルーク「そうだアッシュ!やめるんだ!」
アッシュ「偉そうにぐだぐだ言ってないで、てめぇはさっさとどこかに失せろ!
      おまえもレプリカだ、ここにいれば巻き込まれて消えるんだぞ!そうなったら誰がローレライを解放するんだ!」
ルーク「ローレライの解放はおまえがやれ!この場は…俺がやる!」
アッシュ「そんなに死にたいのか!」
ルーク「…違う!俺だっておまえと同じだ、死にたくない!だけど俺は、レプリカで能力が劣化してる…
    ローレライを開放するには、宝珠を預かることもできなかった俺じゃなくて、おまえが必要なんだ!
    それならここで死ぬのは…いらない方の…レプリカの俺で十分だろ!」

アッシュ「…いい加減にしろ!いらないだと!?
     俺は…いらない奴のために全てを奪われたっていうのか!俺を馬鹿にするな!」
(アッシュにしがみつくルーク)
アッシュ「放せっ!」
ルーク「駄目だ!おまえを死なせる訳には行かない!」
アッシュ「…これは?剣が反応している…宝珠がどこかに…?」
(アッシュを蹴り飛ばすルーク。戻ろうとするアッシュをジェイドが押さえる)
アッシュ「放せっ!」
ジェイド「私はルークの意見に賛成です。…残すならレプリカよりオリジナルだ」
ティア「ルーク!やめてぇっ!」
ルーク「みんな…俺に命を下さい!俺も…俺も消えるからっ!」
(ティアがルークに駆け寄る)
ルーク「来るなっ!」
(ガイがティアを押さえる)
ルーク「…ガイ…ありがとう…」

ガイ「…馬鹿野郎が!」
ルーク(…死にたくない、死にたくない!死にたくない!俺は…俺はここにいたい!
     誰のためでもない…俺は生きていたいんだよっ!だけど…っ!)
(フォニムが乖離し、体が透けていくルーク)
ルーク「だ、駄目か…」

ジェイド「おかしい…!集まりかけたセブンスフォニムが拡散していきます、このままでは障気は消えない!」
アッシュ「……宝珠か!宝珠の拡散能力が邪魔してやがるんだ!
     くそ!あの馬鹿が宝珠を持っている事に気付いてなかっただけか!」
(ルークに手を貸すアッシュ)
アッシュ「どこまでも手のかかるレプリカだっ!」
ルーク「アッシュ!?」
アッシュ「…心配するな。心中する気はない、おまえの超振動に少し力を貸してやるだけだ。おまえは一人で消えろ!」
ルーク「…ありがとう…アッシュ…」

ルーク「…くうっ!」
アッシュ「う…っ!?」
マリィ「約束だ…生き残ったレプリカたちに生きる場所を与えてくれ、我々の命と引き替えに…」
ナタリア「わたくしが、キムラスカ王女であるこのナタリアが、命をかけて約束しますわ!」
ガイ「俺もだ、レプリカたちを見殺しにはしない。姉上と同じあなたの命のために」
アニス「わ…私だって…あなたたちとイオン様は同じだもん…」
ルーク「俺…生きてるのか?どうして…」
ティア「よかった…!私、もうあなたが消えてしまうと思ってた…」
ルーク「こ、これは…?」

アッシュ「…ローレライの宝珠だ」
アニス「これが!?どうして?どこ探してもなかったんでしょ!?」
アッシュ「こいつは宝珠を受け取ってたんだよ。ただ後生大事に、宝珠を構成するフォニムを
     自分の中に取りこんじまってたのさ。体が分解しかけるまでそのことに気付かなかったとは、とんだ間抜け野郎だぜ」
ナタリア「お待ちになって!どこへ行きますの!?鍵はそろったのですわ。一緒に…」
アッシュ「…一緒にいたら六神将たちに狙われる。ヴァンの居所を突き止めて、ローレライを解放する直前まで別行動を取る」
ジェイド「…ルーク。生き残ったとはいえ、本来なら消滅しかねないほどの力を使った。
     非常に心配です。ベルケンドで検査を受けてください」

ルーク「…う、うん」
ルーク(…腕が透けて見えた…あれは一体…)
・ベルケンド、瘴気を消し精密検査を受けるルーク
ティア「どうだったの?」
ルーク「う、うん。ちょっと血中フォニムが減ってるけど、平気だってさ」
ガイ「そうかぁっ!よかったな!」
アニス「ルークってしぶとーい!」
ナタリア「安心しましたわ」
ジェイド「…」
ジェイド「まあ、とりあえずは安心ですね。ただ疲れたでしょう。瘴気に関する報告も兼ねて、バチカルへ行って
     公爵家のお屋敷で休みなさい。いいですね、ルーク」

ティア「そうね。陛下たちも会議を終えて、城へ戻られている筈ですものね」
ナタリア「ええ。それにまだ、ローレライの解放という仕事も残っていますもの。体力を取り戻さなければ」

ルーク「わかったよ」

ルーク「…何だよ」
ジェイド「悪い子ですねぇ、また嘘をついて」
ルーク「!!」
ジェイド「…あなたの嘘に、私も乗せられておきます。でも無理は禁物ですよ」
ルーク「…ジェイドに隠し事はできないな」
ジェイド「あなたが下手なんですよ。それと一つ忠告しておきます、今のあなたはフォニムの乖離が早まっているはずです。
     これ以上、むやみに力を使わないでください」

ルーク「…うん。ありがとう、ジェイド」
・バチカル、ルークの寿命をティアに教える
ミュウ「ティアさんっ、ティアさんっ」
ティア「ミュウ?どうかしたの?」
ミュウ「ティアさんに秘密のお話ですの」
ルーク「なんだよ、秘密の話って…」
ミュウ「ご主人様には秘密ですの!」
ルーク「なんだと!」
ティア「ふふ。じゃあお話を聞いてあげるわね、ルークは休んでいて」
ルーク「わかったよ!俺は邪魔者だよ!」
・スキット374、「残酷な事実」
ティア「どうしてこんなことに…」
ミュウ「ティアさん…辛そうですの…」
ティア「ううん。辛いのは私じゃないわ、ルークよ…」
ミュウ「ティアさんが助かったみたいに、ご主人様は助からないですの?」
ティア「…わからない。だけど…大佐が何も言わないなら…きっと…」
ミュウ「…」
ティア「私には何もできないの?助けてあげられないの?私は…私は…」
ミュウ「ボクも悲しいですの…ボクはご主人様が大好きですの…。
    ボクはご主人様に助けられたですの。だから、ボクが代わりに消えてもいいですの…」
ティア「ミュウ…馬鹿なこと言わないで。みんなで…少しでも長くみんなで一緒にいたいの。
    その為の力が欲しい…私は…無力だわ…」
・レムの塔、セシルとフリングスイベント
ルーク「セシル将軍!こんなところで何を…」
セシル「ここにあの人が…アスランがいるという話を聞きました。あの人に届けたいものがあって…でも、もう誰もいませんね」
ルーク「…ごめん…」
ガイ「…ルークを責めないでくれ。ここにいたフリングス将軍はレプリカだ、あなたの愛した人じゃない」
セシル「…分かっているんです、あの人はもう死んだ。ここで瘴気と一緒に消えたあの人は違うって。だけど…
     こんなことになってしまうなら、どうして私…あの時彼の申し出を受け入れてしまわなかったのかしら。
     過去だの汚名だの、そんなことに拘らず、すぐにでもあの人の元に行っていればよかった!」
ナタリア「…セシル将軍、帰りましょう。いつまでもここにいては…」
セシル「…いいえ!私に帰る場所はありません!あの人のいない世界で、私はどうしたらいいのですか!」
ガイ「…フリングス将軍は最期に言っていました、『ユリアよ、彼女に祝福を』と。それはあなたのことだ、違いますか?」
セシル「アスラン…」
ガイ「帰りましょう。フリングス将軍は最期まであなたの幸せを祈っていた。
   ここで魔物に襲われ朽ちることが、将軍が望んだ幸せとは思えません」

セシル「…はい」


(バチカルに帰還)
セシル「もう、ここで結構です」
ルーク「だけど…」
セシル「…大丈夫です。まだ心の整理はつきませんが、アスランが私に望んだ幸せを…考えてみようと思います。
     そうだわ、これを…ガイラルディアに」
(ガイに服を渡すセシル)
セシル「私が嫁ぐ時に、アスランに渡そうと思っていた騎士の服です。
     せめてレプリカにと思って、レムの塔へ持っていったのですが…」
ガイ「そんなものを俺がもらうのは…」
セシル「もう引き取り手のない服です。アスランのお墓にとも考えましたけど、彼とは婚姻も済ませていませんし。
     あなたは私の従弟だし、それにアスランを知っている。彼も喜んでくれると思います」
ガイ「…わかりました」
セシル「それでは、これで失礼致します」
・ユリアシティ、再びアブソーブゲートを目指して
ティア「アブソーブゲート。兄さんと戦った場所ね…」
ガイ「ティア、プラネットストームを止めればエルドラントに近づくことができるんだ。辛いかもしれないが、頑張ろうぜ」
ティア「ええ」
ルーク「…ナタリアも大丈夫か?」
ナタリア「ありがとう。大丈夫ですわ」
アニス「あー、私は?」
ミュウ「ミュウもですの」
ルーク「あーあーあーあー。わーかったよ!みんな、準備はいいか」
「はーい「はーい「はーい「はいですの
ルーク「よし、アブソーブゲートへ……ん?今、変なの混じってなかったか?」
ジェイド「まあまあ。細かいことは気にせず行きましょう」
・スキット378、「ティアを想う」
ルーク「ティアも…ナタリアと同じ立場なんだよな。あいつ意地張ってばっかだから、つい忘れちまうけど…」
ミュウ「ティアさん、優しいですの。だからご主人様に辛いところを見せないんですの」
ルーク「…うん…分かってはいるんだけどさ…」
ミュウ「なら、優しくしてあげるですの」
ルーク「うるせっつの、ブタザル。オメーに言われなくても分かってるよ」
ミュウ「みゅうぅぅぅ。ご主人様、一つ聞いていいですの?」
ルーク「な、何だよ」
ミュウ「ボクはどうしてブタザルですの?」
ルーク「な、なんだ、そんなことかよ。んー…なんとなく、豚とサルを足して2で割った感じ?」
ミュウ「みゅうぅぅぅ。よくわかんないですの…」
ルーク「いいだろ。とにかく…ティアのことは…その、ちゃんと気にかけるから」
・ケテルブルク、岩斬滅砕陣習得イベント
旅人「80000ガルド、確かに頂戴しました。こちらが奥義書です、いやはやあなたも大した財産家ですな」
ルーク「……はあ。父上たちに旅の資金援助してもらいたいなぁ」
ジェイド「はっはっはっ。私が仲間にいる限りは無理でしょうね」
ルーク「……はぁ。父上はマルクト人が嫌いだもんな」
・グランコクマ、エルドラント決戦前
アッシュ「…プラネットストームが止まったようだな」
ルーク「よかった!そのことをおまえに伝えようと思ってたとこだったんだ!」
アッシュ「いや、すぐにわかった。だから俺はおまえに…」
(アッシュにローレライの宝珠を渡すルーク)
アッシュ「? なんだこれは…」
ルーク「前に言っただろ、ローレライを解放できるのはオリジナルのおまえだけだって」
アッシュ「…」
ルーク「俺はみんなと一緒に、全力でおまえを師匠の元へ連れて行く。おまえはローレライを…」
アッシュ「………ろう」
ルーク「…え?」
アッシュ「馬鹿野郎!!誰がそんなことを頼んだ!」
ルーク「何を怒ってるんだよ、一緒に師匠を止めないっていうのか?俺がレプリカってことがそんなに…」
アッシュ「うるせぇっ!大体いつまでも師匠なんて言ってるんじゃねぇっ!」
ルーク「…アッシュ」
アッシュ「しかもこの期に及んでまだ止めるだぁ?いつまでもそんなことを言ってる奴に何が出来る!おまえ甘過ぎなんだよ!
     あの人は…本気でレプリカの世界を作ろうとしてるんだ、それが正しいと思ってる。確信犯なんだよ!
     俺が馬鹿だった。もしかしたら…こんなレプリカ野郎でも、協力すれば奴を倒す力になるかもしれねぇって…
     おまえは俺だ!そのおまえが、自分自身を劣ってるって認めてどうするんだ!俺と同じだろう!
     どうして戦って勝ち取ろうとしない!どうして自分の方が優れているって言えない!どうしてそんなに卑屈なんだ!」
ルーク「違う、そんなつもりじゃない!第一、俺はおまえとは違うだろ」
アッシュ「…な、何…」
ルーク「俺はおまえのレプリカだ、でも俺は…ここにいる俺はおまえとは違うんだ。考え方も記憶も生き方も」
アッシュ「…ふざけるな!劣化レプリカ崩れが!俺は認めねぇぞ!」
ルーク「おまえが認めようと認めまいと関係ない、俺はおまえの付属品でも、代替え品でもない」
(ルークに宝珠を投げつけるアッシュ)
ルーク「アッシュ!何をする…」

アッシュ「おもしれぇ!ならばはっきりさせようじゃねぇか!おまえが所詮はただの俺のパチモンだってな!」
ルーク「アッシュ、俺はおまえと戦うつもりはない!」
アッシュ「うるせぇっ!偉そうに啖呵を切っておいて逃げるつもりか?
     おまえはおまえなんだろう?それを証明してみせろ!でなけりゃ俺はおまえを認めない!認めないからなっ!」
ナタリア「アッシュ!待ちなさい!今のあなたは言ってることがめちゃくちゃですわ!」
アッシュ「うるせぇっ!」
ナタリア「アッシュ…」
ルーク「待てよ、ナタリアに八つ当たりするな!俺は…」
アッシュ「あいつの――ヴァンの弟子は俺だ。俺だけだ!てめぇはただの偽者なんだよ」
ナタリア「アッシュ!なんてことを!」
アッシュ「俺はあいつを尊敬してたんだ。スコアを否定したあいつの理想を、俺も信じたかった。
     俺の超振動を利用したいだけだってことはわかっていたが、それでもいいと思ったんだ。
     あいつが人間全部をレプリカにするなんて、馬鹿なことを言い出さなけりゃ…あいつの弟子であり続けたいって…」
ルーク「アッシュ、おまえ…」
アッシュ「エルドラントに来い!師匠を倒すのは弟子の役目だ。どちらが本当の弟子なのか、あの場所で決着をつける」
(去っていくアッシュ)
ルーク「あいつがうらやましいよ、あいつは…いつだって師匠に認められていた。
     俺だって、認められたかった。弟子でありたいって思ってたんだから…」
・ケセドニア、エルドラント決戦前
ガイ「待ち人来たらずって顔だな」
ナタリア「来るわけありませんわね…」
ガイ「ルークが自立した瞬間に、アッシュはレプリカを憎むことで保っていた存在意義を見失ったんだ。
   顔を見せることはないと思う。次に顔を合わせるときは…」
ナタリア「戦う時…ですか?でも、どうして戦わなければならないんですの」
ガイ「傷つけ合うためじゃない、互いの存在を確認するためだよ。もう違う存在なんだと認識するためだ」
ナタリア「わたくし…そうなった時どうすればいいのかしら」
ガイ「結果を受け入れる事じゃないか。キミがルークもアッシュも大切に思っているならね」
ナタリア「あなたは?あなたもそうするの?」
ガイ「ん〜、それが友達ってもんだろ」
ナタリア「アッシュも、あなたの友達?」
ガイ「…俺は、俺なりに過去にケリをつけたつもりだ。アッシュも過去と決別しようとしているんだと思う。
   そうなれば、あいつと俺は仇の息子とその使用人じゃない。人間アッシュと、人間ガイラルディアとして一から始めることになる。
   全てのしがらみを取り去ったら、あいつはあいつで面白い奴だと思うよ」
ナタリア「…ガイは大人ですわね。それとも男女の差なのでしょうか」
ガイ「ナタリアにとって、ルークは友達で仲間だろ」
ナタリア「ええ」
ガイ「なら今はそれで十分だ。全てにケリが付いた時、ナタリアの心に浮かんだ感情に素直になればいい」
ナタリア「…ええ、そうですわね。あれこれ考えても出ない答えもありますものね」
・ケセドニア、エルドラント決戦前
アニス「大佐、飲んでるんですか?」
ジェイド「もう少し気の利いた場所で飲みたかったのですが、この街では…ね。
     アニスは自由行動を満喫するんじゃなかったんですか?」
アニス「私はティアに気を利かせてあげたんです」
ジェイド「へぇ…酷なような気もしますが…」
アニス「…大佐、何か隠してるでしょ」
ジェイド「いえ、何も」
アニス「…まあいいや。大佐は、ヴァン総長を倒したらどうするんですか?」
ジェイド「軍人ですから、また軍属としての生活に戻りますよ。ただ…」
アニス「ただ、なんですか?」
ジェイド「おかしいですね。私は帰ったら、改めてフォミクリーの研究を再開したいと思っているんです。
     レプリカという存在を、代替え品ではない何かに昇華するために」
アニス「…うん、是非それやってください。イオン様も喜ぶと思う」
ジェイド「アニスは教団を立て直すんですね」
アニス「あ、気付いてました?こうなったら玉の輿は諦めて、自力で初代女性導師になりますよぅ」

ジェイド「さて、アニス。そろそろ宿に戻ってください」
アニス「えー、大佐はまだここで飲むんでしょう」
ジェイド「ここからは大人の時間です。お子様は早く帰りなさい」
アニス「ぶーぶー。けちー」
・スキット392、「今までのことを振り返る」
ミュウ「なんだか大変なことになってきたですの…」
ルーク「そうだな。最初はなんてことない旅だったのに、気付いたら世界の危機だもんな?」
ミュウ「ボク、森を出る時こんなことになるなんて思ってなかったですの」
ルーク「それを言ったら、俺だって屋敷から飛ばされて、いつの間にかこんなことになって…」
ミュウ「ご主人様…」
ルーク「色々あったな。俺はルークじゃないって分かって、アクゼリュスを消滅させて、瘴気を中和して……そして……」
ミュウ「ご主人様!」
ルーク「はは、心配すんなよ。俺にはまだやらなきゃいけないことがある!
     アッシュと…それに、ヴァン師匠との決着をつける!」

ミュウ「ご主人様、頑張ってくださいですの!」
・スキット394、「かつての友」
ガイ「ヴァンデスデルカ…馬鹿な奴だな、おまえは…」

ティア「ガイ…?」
ガイ「…あ…悪い、聞こえちまったか」
ティア「…ううん、それはいいけれど…」
ガイ「ヴァンは俺の幼なじみだからな、俺のことを弟みたいに可愛がってくれた。冷静で、頭が切れて、優しい奴だった」
ティア「…ええ」
ガイ「本音を言えばな…戦いたくない。多分ティアだって同じだろう?」
ティア「…私は…」
ガイ「…あいつは本当に真面目な奴だったんだな。真面目すぎて、とんでもない道を突っ走りはじめた。
   だから俺は、あいつの幼なじみとして言ってやらなきゃいけないんだ。帰って来いって」

ティア「私も…そうしたい。それで兄さんがこの計画をやめてくれるなら…だけど…」
ガイ「分かってるよ、ただ俺の気がすまないってだけの話さ。あいつが聞く耳を持つとは思わんが、それでもな」
ティア「…ありがとう、ガイ。兄さんのこと思ってくれて」
ガイ「…いや、無力で情けないよ」
・エルドラントにて、落とし穴にはまった2人
アッシュ「くそ!時間がねぇ!もう…間にあわないってのか!」
(扉を蹴り続けるアッシュ。落下してくるルーク)
アッシュ「おまえは…」
ルーク「アッシュ!おまえ、どうしてここに!」
アッシュ「フン、こっちの台詞だ…ファブレ家の遺伝子ってのは余程間抜けらしいな、
     レプリカまでそろって同じ罠にはまるとは…胸くそ悪い」
ルーク「…そんな言い方するなよ!」
アッシュ「本当のことだろうが」
ルーク「ここを出る方法はないのか?」
(譜陣で扉を開けるアッシュ。しかしすぐに再び閉じてしまう)
アッシュ「…どちらか一人はここに残るって訳だ」
(アッシュに手を差し出すルーク)
アッシュ「…なんの真似だ」
ルーク「どちらか一人しかここを出られないなら、おまえが行くべきだ。ローレライの鍵でローレライを解放して…」
アッシュ「いい加減にしろ!!おまえは…俺を馬鹿にしてやがるのか!」
ルーク「そうじゃない!俺はレプリカで超振動ではおまえに劣る…剣の腕が互角なら、他の部分で有利な奴が行くべきだろう」
アッシュ「…ただの卑屈じゃなくなった分、余計にタチが悪いんだよ!」
ルーク「アッシュ…」
アッシュ「他の部分で有利だ?何も知らないくせに、どうしてそう言える?
      おまえと俺、どちらが有利かなんてわからねぇだろうが!」
ルーク「だけど俺はどうせ…」
アッシュ「黙れ!」
(ルークに剣を向けるアッシュ)
ルーク「アッシュ!何を…」
アッシュ「どうせここの仕掛けはどちらか一人だけしか出られない。だったらより強い奴がヴァンをぶっ潰す!
     超振動だとか、レプリカだとかそんなことじゃねぇ。ヴァンから剣を学んだもの同士、どちらが強いか…
     どちらが本物の『ルーク』なのか、存在をかけた勝負だ」
ルーク「どっちも本物だろ、俺とおまえは違うんだ!」
アッシュ「黙れ!理屈じゃねぇんだよ…過去も未来も奪われた俺の気持ちが、
      おまえにわかってたまるか!俺には今しかないんだよ!」
ルーク「…俺だって、今しかねぇよ!奪われるだけの過去もない、それでも俺は俺であると決めたんだ。
     おまえがどう思ったとしても俺はここにいる。それがおまえの言う強さに繋がるなら、俺は負けない!」

アッシュ「よく言った。そのへらず口、二度と利けないようにしてやるぜ!行くぞ!劣化レプリカ!」


アッシュ「くそ…オリジナルが…レプリカ風情に負けちまうとはな…そいつを持っていけ」
ルーク「アッシュ…俺は…」
オラクル兵「待て!ローレライの鍵を渡してもらおう!」
(扉を開けるアッシュ)
アッシュ「ここは俺が食い止める!早く行け!」
ルーク「俺も一緒に戦う!」
アッシュ「ざけんじゃねぇ!今大事なことはここの奴らを一掃することか?違うだろうが!」
ルーク「だけど、俺が鍵を持っていったらおまえの武器は…」
アッシュ「そんなものは敵から奪えばいい!早くしろ!」
ルーク「…約束しろ!必ず生き残るって!でないとナタリアも俺も…悲しむからな!」
アッシュ「うるせぇっ!約束してやるからとっとと行け!」
(扉を閉めるアッシュ)
アッシュ「ふん…俺には時間がないんだよ。俺は…もうすぐ消えちまうんだからな…」
オラクル兵「そこをどけ!」
アッシュ「…断る。おまえらの相手はこのアッシュ――
いや…ルーク・フォン・ファブレだ。覚悟しな」
・エルドラントにて、シンク戦後
シンク「…ヴァン…ローレライを…消滅…」
ルーク「みんな命がけで、ヴァン師匠の計画を…」
ティア「…惑わされないで、私達も命をかけているわ。そうでしょう」
ルーク「…そうだな。そうだよな、アッシュだって…」
ナタリア「…アッシュは本当に死んでしまったのですね…」
ルーク「ナタリア…ごめん、あのとき俺が残れば…」
ナタリア「…」
(ナタリアをはたくジェイド)
ナタリア「…っ!何をなさいますの!」
ジェイド「あなたの行動は私たちと…そしてアッシュに迷惑をかけました」
ナタリア「…アッシュに?」
ジェイド「アッシュはルークにヴァンを討ち取らせようとした。本意でないにせよ…あなたはそれを邪魔したことになる」
ナタリア「―…ごめんなさい」
ジェイド「あなたがアッシュに好意を抱くのは自由です。ですが、やるべきことを忘れてはいけません」
ナタリア「…ええ。そうね、本当にごめんなさい。辛いのはわたくしだけではないものね、
     アニスもガイも大切な人を失った。それにティアも…」
ジェイド「そういうことです」
ガイ「ジェイド、第二超振動って言ってたな」
ジェイド「わかりません、第二超振動はまだ理論が確立していない。超振動同士が干渉しあうことで
     全てのフォニムの効力を無効化する…と言われていますが」
ルーク「…この力が何かはわからない。でももしも第二超振動なら、これをくれたのはアッシュだ。そうだろう?
     超振動を起こせるのは俺と…あいつだけなんだから」
ナタリア「そうですわね。あなたの中にアッシュがいる、アッシュがあなたを認めて力を貸してくれたのですわね」
ルーク「…うん、だから俺はアッシュに恥ずかしくない戦いをする。みんな、力を貸してくれ」
・エルドラントにて、最終決戦前
ミュウ「…この先に、とてもとても怖い力を感じるですの」
ルーク「ああ、俺にもわかる。ヴァン師匠が…いる。この先に進めばもう後戻りはできないんだろうな」
ジェイド「後戻りする必要はありませんよ。ヴァンを倒して終わりにしてしまいましょう」
ルーク「簡単に言うなよ…」
ジェイド「難しい話ではありませんよ。あちらは星の記憶が定められた未来であることを信じ、それを消そうとしている。
     私たちは星の記憶は無限の選択肢の一つであり、未来は変えられると信じている。
     あまり好きな言葉ではありませんが 信念が違うというだけです。
     もはや話し合いでは解決しないところに来てしまった」
ティア「そうですね、兄さんはローレライを取り込んでいる。ローレライが消滅すれば、
    世界はセブンスフォニム補充のためにフォニムの均衡を崩してしまうわ。
    ルーク、私たちはそれを止めるために来た。以前とは違うわ。
    私たちは兄さんのやろうとしていることを理解し、そのうえで認めてはいけないと思っている」
アニス「そうだよ、何もかも消して何もかもやり直すなんて、無責任だもん。
    本当は、スコアを守って滅びるなら、それを受け入れるのが人間の責任なんだと思う。
    でも私たちは、途中でそれを回避するために努力しようって気付いたんだから。
    だから、最後までそれを貫き通して生きる。私たちは私たちの道を歩く。総長の理屈なんてぶっ飛ばすんだから」
ナタリア「わたくし、ずっと思っていましたの。アッシュがキムラスカに戻ってきて、
     ルークと二人でお父様を支えてくださればいいのにと。でもわたくしは間違っていたのですね。
     あなたとアッシュにはそれぞれの生きる道があった。それをわたくしが、無効となった約束で縛り付けていたのですわ。
     今あなたの中にはアッシュがいる。以前のわたくしなら、あなたとアッシュを混同していたかもしれません。
     でも、あなたはあなたですものね。ですから、あなたはあなたの思うままに生きて下さい。
     その為にわたくしは、全力であなたを手伝いますわ。あなたの幼なじみとして」
ガイ「そうだな、おまえはまだ自分の足で歩き始めたばかりだ。しかも背中には数え切れない命を背負っている。
   喰らった命の分、生き続けなけりゃ嘘だよな」
ルーク「…そうだな。俺、たった七年の間に血塗れになっちまったもんな」
ガイ「俺は酷なことを言ってる。生きて生きて生き抜いて、恨み、憎しみ、悲しみ、怒り…
   全部しょいこまなけりゃならないってな。でもおまえだけに背負わせたりはしないぜ、俺もおまえと同じだ。
   世界中がおまえのやってきたことを非難しても、俺はおまえの味方だ。
   俺はヴァンの六神将とは違うぜ。自分も生き抜いた上に、おまえも助けてやる」
ティア「ルーク、行きましょう。兄さんの目指す未来を、私たちの目指す未来に書き換えるために」
ルーク「ああ!」

 









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