■ガイ様華麗に卓上旅行編■

・オープニング、ルーク邸にて
ガイ「なるほどねぇ…オラクルの騎士様も大変だな」
ヴァン「だからしばらくは貴公に任せるしかない。公爵や国王、それにルークの…」
ペール「ルーク様!」
ルーク「何してんだ、ガイ」
ガイ「…ヴァン謡将は剣の達人ですからね、少しばかりご教授願おうかと思って」
ルーク「ホントかよ?そんな感じには見えなかったぜ」
・タルタロスからセントビナーへの道中、落ち込むルークを相手に
ガイ「きつかっただろ、突然外に放り出されたんだもんな」
ルーク「俺…知らなかった、街の外がこんなにやばいとこだったなんて」
ガイ「魔物と盗賊は倒せば報奨金が出ることもある。街の外での人斬りは、私怨と立証されない限り罪にはならないんだ」
ルーク「おまえ、今までどれぐらい斬った?」
ガイ「さあな、あそこの軍人さんよりは少ないだろうよ」
ルーク「怖くないのか…?」
ガイ「怖いさ、怖いから戦うんだ。死にたくねえからな…俺にはまだやることがある」
ルーク「やること…?」
ガイ「…復讐」
ルーク「へ?」

ガイ「なんて、な」
・セントビナー初到着時
ルーク「なんでオラクル騎士団がここに…?」
ガイ「タルタロスから一番近い町はこのセントビナーだからな。休息に立ち寄ると思ったんだろう」
ジェイド「おや、ガイはキムラスカ人の割にマルクトに土地勘があるようですね」
ガイ「卓上旅行が趣味なんだ」
ジェイド「これはこれは、そうでしたか」
・バチカル初到着時
ノワール「へぇ〜、そちらのおぼっちゃまが導師イオンかい」
アニス「何なんですか、おばさん!」
ノワール「つるぺたのおチビは黙っといで!楽しみにしといで、坊やたち 行くよ!」
ヨーク「へいっ!」

アニス「何なのあいつら!サーカス団みたいなカッコして!」
ガイ「そういやあいつら、どことなくサーカス団の『暗闇の夢』に似てるな。昔一度見たきりだから自信はないが…」
ルーク「なんだよ!おまえ俺に内緒でサーカスなんか見に行ってたのかよ」
ガイ「あ、ああ、悪い悪い…」
・デオ峠到着時
ルーク「ちぇっ、師匠には追いつけなさそうだな…砂漠で寄り道なんかしなけりゃよかった」
アニス「寄り道ってどういう意味!……ですか」
ルーク「寄り道は寄り道だろ。今はイオンがいなくても、俺がいれば戦争は起きねーんだし」
アニス「あんた…バカ…?」
ルーク「バ、バカだと!?」
ティア「ルーク。私も今のは思い上がった発言だと思うわ」
ナタリア「この平和はお父様とマルクトの皇帝が、導師に敬意を払っているから成り立っていますのよ。
      イオンがいなくなれば、調停役が存在しなくなりますわ」

イオン「いえ…両国とも僕に敬意を持っているわけじゃない、ユリアの遺したスコアが欲しいだけです。
     本当は、僕なんて必要ないんですよ」

ガイ「そんな考え方には賛成できないな、イオンには抑止力があるんだ。それがユリアのスコアのおかげでもね」
ジェイド「なるほどなるほど、みなさん若いですね〜。じゃ、そろそろ行きましょう」
ガイ「この状況でよくあーいうセリフが出るよな…食えないおっさんだぜ」
ガイ(しかしルークお坊ちゃんよ、さっきのはかなりマズかったな…)
・ユリアシティにて、アッシュとの会話
ガイ「ルークはどうしてる?」
アッシュ「…寝ている。そのうち勝手に起きるだろう」
ガイ「そうか…一人で考えればルークも気づくだろう、自分がこれから何をすべきなのか」
アッシュ「ふん、どうだかな」
ルーク(ガイ…)
アッシュ(こいつがお人好しなのは、昔から変わっちゃいないな)

ガイ「おっと、俺はお前のことは信用しちゃいない」
アッシュ「…」
ガイ「変なことをしでかさないように、ついて行かせてもらうぜ」
アッシュ「…好きにしろ」
・グランコクマにて、カースロットから解放されたガイ
ルーク「ガイ!ごめん…」
ガイ「ルーク?」
ルーク「俺…きっとお前に嫌な思いさせてたんだろ、だから…」
ガイ「ははははっ、なんだそれ。お前のせいじゃないよ…俺がお前のこと殺したいほど憎んでたのは、お前のせいじゃない。
   俺は…マルクトの人間なんだ」
アニス「え?ガイってそうなの?」
ガイ「俺はホド生まれなんだよ。で、俺が五歳の誕生日にさ…屋敷に親戚が集まったんだ。
   んで、スコアラーが俺のスコアを詠もうとした時、戦争が始まった」
ティア「ホド戦争…」
ナタリア「ホドを攻めたのは、確かファブレ公爵ですわ…」
ガイ「そう、俺の家族は公爵に殺された…家族だけじゃねえ。使用人も親戚も、あいつは俺の大事なものを
   笑いながら踏みにじったんだ。だから俺は、公爵に俺と同じ思いを味あわせてやるつもりだった」
ジェイド「あなたが公爵家に入り込んだのは、復讐のためですか?ガルディオス伯爵家ガイラルディア・ガラン」
ガイ「…うぉっと、ご存知だったってわけか」
ジェイド「ちょっと気になったので調べさせてもらいました。あなたの剣術はホド独特の盾を持たない剣術、アルバート流でしたからね」
ルーク「…なら、やっぱガイは俺の傍なんて嫌なんじゃねえか?俺はレプリカとはいえファブレ家の…」
ガイ「そんなことねーよ。そりゃ、全くわだかまりがないと言えば嘘になるがな」
ルーク「だ、だけどよ」
ガイ「お前が俺について来られるのが嫌だってんなら、すっぱり離れるさ。そうでないならもう少し一緒に旅させてもらえないか?
   まだ、確認したいことがあるんだ」
ルーク「わかった…ガイを信じる。いや…ガイ、信じてくれ…かな」
ガイ「ははっ、いいじゃねぇか、どっちだって」
・スキット176、「ガイの思い、憎しみ」
ルーク「ガイ、身体の方は本当に…」
ガイ「大丈夫だって、ついでに心の方もな。別におまえに対しては、恨むとかそういうのはないから」
ルーク「…それは、俺じゃなくてアッシュにはあるってことか?」
ガイ「…嫌なこと聞くなよ、ナタリアに聞かれると心苦しい」
ルーク「じゃあやっぱり…」
ガイ「…だからって、奴をどうこうしようとも思わないぜ。今はセントビナーのことが優先だ。
   あの街は、俺がホドから逃げ出して最初に匿われていた街なんだ。救ってやりたいよ」
ルーク「…うん、助けよう。絶対に!」
ガイ「はは、がんばろうぜ!」
・スキット197、「同郷」
ガイ「…ここでヴァンの奴がねぇ」

ティア「兄さんがどうかした?」

ガイ「あ…いや、ヴァンはここで育ったんだなって」
ティア「ええ、そうね…でもあなたが兄さんのことを気にするなんて思わなかったわ」
ガイ「うん…?まあ、同じホドの住人だしな…それに…昔はいい奴だったんだろ?」
ティア「…ええ、私にとってはとても優しい兄さんだったわ。私、兄さんが大好きだったもの」
ガイ「そうだな、優しい奴…だったんだろうな。どうしてこんなことになっちまったんだか…」
ティア「ガイ…もしかしたらあなた、兄さんを知っているの?」
ガイ「そりゃ、ルークの家で何度も会ってるからな」
ティア「違うわ!ホドで…」
ガイ「…さーてね」
・ロニール雪山クリア時
ティア「…分からないわ、教官もみんなもどうして兄さんの馬鹿な理想を信じるの」
ガイ「それぞれに思惑があるんだろう。俺には分かる気がする」
ナタリア「ガイ…どうしてですの…」
ガイ「俺はずっと、公爵たちに復讐するためヴァンと協力する約束をしていた。
   どこかで違う道を選んでいたら、俺は六神将側にいたかもしれない」
ルーク「ガイ…ヴァン師匠の目指す世界の姿を知ってもか」
ガイ「それでホドが復活するなら…例えレプリカでも…仲間や家族が復活するなら、それもいい」
ルーク「ガイ!」
ガイ「…と、考えたかもしれない。今だって、正直なところ何が正しいのかは分からないさ」
ルーク「…そうだよな、ガイは…故郷を失ったんだったな」
ジェイド「六神将はそれぞれ、この世界を全て消滅させてまで叶えたい思いがあって、それがヴァンの理想と一致しているのでしょう」
ルーク「俺達と師匠…目的は同じ人類の存続なのにどうしてこんなに遠いんだろう」

ティア「オリジナルを生かす世界と殺す世界、とても近くて遠いわね…」
・スキット394、「かつての友」
ガイ「ヴァンデスデルカ…馬鹿な奴だな、おまえは…」

ティア「ガイ…?」
ガイ「…あ…悪い、聞こえちまったか」
ティア「…ううん、それはいいけれど…」
ガイ「ヴァンは俺の幼なじみだからな、俺のことを弟みたいに可愛がってくれた。冷静で、頭が切れて、優しい奴だった」
ティア「…ええ」
ガイ「本音を言えばな…戦いたくない。多分ティアだって同じだろう?」
ティア「…私は…」
ガイ「…あいつは本当に真面目な奴だったんだな。真面目すぎて、とんでもない道を突っ走りはじめた。
   だから俺は、あいつの幼なじみとして言ってやらなきゃいけないんだ。帰って来いって」

ティア「私も…そうしたい。それで兄さんがこの計画をやめてくれるなら…だけど…」
ガイ「分かってるよ、ただ俺の気がすまないってだけの話さ。あいつが聞く耳を持つとは思わんが、それでもな」
ティア「…ありがとう、ガイ。兄さんのこと思ってくれて」
ガイ「…いや、無力で情けないよ」
・スキット416、「世界制覇!」
ガイ「驚いたな。ばたばたしてるうちに、世界中を探索してたってことか」
ジェイド「卓上旅行より、直接現地に行く方が有意義だったのではありませんか?」
ガイ「卓上旅行は嘘だって、アンタも気付いてるだろうに…」
ルーク「だけどホント、あちこち言ったよな。俺なんて少し前まで閉じ込められてたのにさ」
ナタリア「…そうでしたわね」
ルーク「世界って広いな。俺、この世界を大切にしたいって思えるようになったよ」

ガイ「…そうか。なら、俺たちもこの世界のためにできることを頑張ろうぜ」
ルーク「だな…世界のためになんて、暑苦しくてダサイけどな。あはは」
ナタリア「あら、そんなことありませんわ。そういう風潮が世界を駄目にするのです」
ガイ「まあ、なんでもいいじゃないか。とにかく世界を回った。期せずしていい観光になったってことだ」
ジェイド「ええ。卓上旅行より実りがあったという話ですね」
ガイ「まだそれを言うのか…ホントイヤミな奴だよアンタは…」













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